Tuning Manager Software ユーザーズガイド

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8.4.2 アラームを作成する(基本情報の設定)

アラームテーブルにアラームを作成する手順を次に示します。

  1. Admin権限ユーザーでTuning Manager serverにログインします。Main Consoleの[メイン]画面が表示されます。
  2. グローバルタスクバーエリアで[起動]-[Performance Reporter]を選択します。Performance Reporterの[メイン]画面が表示されます。
  3. Performance Reporterの[メイン]画面のタブフレームで,[アラーム階層]タブを選択します。[アラーム階層]画面が表示されます。
  4. ナビゲーションフレームで,アラームテーブルを作成するエージェントプロダクトのフォルダを選択します。選択したフォルダにチェックマークが表示されます。
  5. ナビゲーションフレームでアラームを作成するアラームテーブルを選択します。選択したアラームテーブルにチェックマークが表示されます。
  6. メソッドフレームで[新規アラーム]メソッドを選択します。インフォメーションフレームに[新規アラーム > 基本情報]画面が表示されます。
  7. [新規アラーム > 基本情報]画面の[全般]エリアにアラームの基本情報を設定します。

    [プロダクト]
    ナビゲーションフレームで選択したプロダクト(データモデル)が表示されます。

    [アラームテーブル名]
    ナビゲーションフレームで選択したアラームテーブル名が表示されます。

    [アラーム名
    20バイト以内の全角文字,半角英数字,または半角記号 % - ( ) _ . / @ [] スペース文字で指定します。

    [アラームメッセージテキスト
    255バイト以内の全角文字または半角文字で入力します。全角文字,半角文字が混在するメッセージも入力できます。この項目は省略できます。
    また,変数を指定すると,アラームの関連情報を表示できます。指定できる変数を次の表に示します。

    表8-2 指定できる変数

    変数 説明
    %AIS [アラーム名]に設定したアラーム名が表示される。
    %ANS このアラームを定義したアラームテーブルをバインドしているエージェント名が表示される。
    %ATS このアラームを定義したアラームテーブル名が表示される。
    %CVS[n][.p]※1※2※3 アラーム通知の対象となった(条件式を満たした)測定値が表示される。
    • n※4
      [新規アラーム > アラーム条件式]または[編集 > アラーム条件式]画面で,条件式を複数指定した場合のフィールドの位置を,1以上の数値で指定する。先頭フィールドは1を指定する。ただし0または条件式の数より大きい値を指定した場合は先頭フィールドの測定値が表示される。
    • p※4
      整数または小数に置換されるフィールドの場合:
      表示したい小数部の桁数(四捨五入して表示)を指定する。
      測定値が文字列に置換されるフィールドの場合(アラーム正常回復時,文字列「<OK>」に置換される場合も含む):
      測定値を半角スペースで区切って分割してできる文字列のうち,表示したい文字列の位置を指定する。位置を指定する場合は,1以上の値を指定する。0を指定した場合は,測定値がそのまま表示される。半角スペースで区切って分割してできる文字列の個数より大きい値を指定した場合は,長さが0バイトの文字列(空文字列)に置換される。
    アラーム条件式の設定によって,評価する順序が異なります。
    アラーム条件式内に同じフィールドを2つ以上指定すると,変数%CVSの値は最初のフィールドが指す値に集約されます。
    同じフィールドを2つ以上設定した場合および評価順序については,「8.4.4 アラーム条件式を設定する」の参考を参照してください。
    %HNS このアラームを定義したアラームテーブルをバインドしているエージェントのホスト名が表示される。
    %PTS [プロダクト]に設定したプロダクト名が表示される。
    %SCS メッセージ出力の対象となったアラーム状態が表示される。
    次のどれかの値になります。
    • OK:正常の場合
    • WARNING:警告の場合
    • EXCEPTION:異常の場合
    %SCT アラーム評価をしたエージェントのホストのシステム時刻が表示される。

    注※1
    複数インスタンスレコードを使用したアラーム定義で,アラームの状態が異常または警告から正常に変化した場合,変数%CVSに格納される値は次のようになります。
    ・アラーム正常回復時の測定値出力機能が有効の場合
    アラームが正常状態に遷移する前までの間で,最後に発行された異常または警告アラームの要因となったインスタンスの,現在の測定値が格納される。
    ・アラーム正常回復時の測定値出力機能が無効の場合
    条件式を満たした測定値が存在しないため,文字列「<OK>」が格納される。ただし,変数%CVS[n][.p]のpの値に2以上の値を指定した場合は,空文字列が格納される。
    なお,アラーム正常回復時の測定値出力機能の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,アラームによる稼働監視について説明している章を参照してください。

    注※2
    変数%CVSで展開される文字列の最大長は79バイトになります。
    アラーム条件式が複数ある場合は,「条件式ごとの置換文字の合計値」に「アラーム条件式の数から1バイト引いた値」を足した合計値が79バイトとなります。

    注※3
    変数%CVSで置換される文字列に「|」が含まれる場合,「|」より後ろの部分は切り捨てられます。

    注※4
    指定できる値の桁数は5桁までです。6桁以上の値を指定した場合は6桁目以降の文字列は展開されないで,アラーム通知時のメッセージにそのまま表示されます。

    注意
    変数を値に置換したあとのメッセージテキストの長さが255バイトを超える場合,アラームが通知されるタイミングでAgent Collectorサービスが次のメッセージを出力します。
    KAVE00184-W 変数展開後の文字数が値フィールドの制限文字数を超えています(service=サービスID, alarm table=アラームテーブル名, alarm=アラーム名)
    この場合,メッセージテキストに指定する文字列や%CVSに指定する桁数を255バイトに収まるように調節してください。

    [値の存在を監視するアラームとする]
    任意のフィールドに値があるかどうかを監視し,値がない場合に異常アラームを通知したいときにチェックします。この機能を使用すると,重要なプログラムが稼働していない場合にアラームを通知(プロセスが実行されているかどうかを監視)できます。すべてのプロダクトで使用できます。デフォルトは,チェックされていません。
    アラームの新規作成時だけチェックできます。
    例えば,プロセッサのビジー状態を監視するアラームを定義する場合,次のように設定します(「図8-2 [新規アラーム > 基本情報]画面」参照)。
    [アラーム名]:CPU使用状況
    [アラームメッセージテキスト]:CPU使用率は%CVSパーセントです。

    図8-2 [新規アラーム > 基本情報]画面

    [図]

    注意
    ・アラームの定義で[値の存在を監視するアラームとする]をチェックした場合,アラーム通知時は収集されたデータに条件式で指定した値が存在しません。このためメッセージテキストやMail Subjectに変数%CVSを指定しても,アラーム正常回復時の測定値出力機能を有効に設定している場合は「N/A」,無効に設定している場合は空文字列に置換されます。
    ・メッセージテキストで「%CVS」のあとにマルチバイト文字(例:,)を指定すると,変数展開後の文字列が文字化けすることがあります。「%CVS」のあとにマルチバイト文字を指定しないでください。
  8. [新規アラーム > 基本情報]画面の[高度な設定]エリアに,アラームの監視時刻や発生頻度を設定します。

    [アラームを有効にする]
    アラーム作成後,アクティブ設定しないですぐにアラームをアクティブにしたい場合にチェックします。デフォルトは,チェックされています。

    [常にアラーム通知する]
    条件式を満たしている場合,常にアラーム通知するときにチェックします。
    チェックすると,アラーム評価のたびに条件式を満たしているかどうかが監視されます。「異常」または「警告」の条件式を満たすと,アラームが通知されます。条件式に満たない(正常な)場合,アラームは通知されません。
    また,この項目をチェックしている場合は,エージェントの状態変更が監視されないため,エージェントイベントは発行されません。
    この項目をチェックしない場合は,前回の評価から状態に変化があったときだけアラームが通知されます。例えば,前回の評価が異常で今回の評価も異常の場合,アラームは通知されません。
    デフォルトは,チェックされていません。

    [すべてのデータを評価する]
    複数行のレコード(複数インスタンスレコード)の場合で,収集されたすべてのデータを評価したいときにチェックします。
    チェックされていない場合,最も悪い状態をとるレコードの,最初に評価されたデータだけをアラーム通知します。デフォルトは,チェックされていません。
    [常にアラーム通知する]および[すべてのデータを評価する]の,それぞれのチェックの有無によってアラーム評価(通知)がどのように実行されるかを,レコードタイプごとに次の表に示します。

    表8-3 アラーム条件によるアラーム評価の違い

    条件式 レコードタイプ [常にアラーム通知する] [すべてのデータを評価する] アラーム評価(通知)
    [値の存在を監視するアラームとする]をチェックしていない場合 単一行のレコード※1 × ×
    • 異常条件を満たしていて,かつ以前に通知されたアラームが異常以外の場合,異常アラームが通知される。
    • 異常条件を満たしているデータはないが,警告条件を満たしていて,かつ以前に通知されたアラームが警告以外の場合,警告アラームが通知される。
    • 上記のどちらの条件にも満たない場合で,かつ以前に通知されたアラームが異常または警告のときは,正常アラームが通知される。
    ×
    × 異常または警告のどちらかの条件を満たしている場合,以前のアラーム通知の有無に関係なく,異常または警告である旨のアラームが通知される。
    複数行のレコード※2 × ×
    • 異常条件を満たしているデータが1つ見つかり,かつ以前に通知されたアラームが異常以外の場合,そのデータについて異常アラームが通知される。
    • 異常条件を満たしているデータはないが,警告条件を満たしているデータが1つ見つかり,かつ以前に通知されたアラームが警告以外の場合,そのデータについて警告アラームが通知される。
    • 収集されたすべてのデータが上記のどちらの条件にも満たない場合で,かつ以前に通知されたアラームが異常または警告のときは,正常アラームが通知される。
    注意
    条件を満たしているデータが見つかった時点でアラーム評価が終了するため,収集されたすべてのデータが評価されるとは限らない。
    ×
    • 収集されたすべてのデータを評価した結果,異常条件を満たしているデータが1つ以上あり,かつ以前に通知されたアラームが異常以外の場合,それらの個々のデータについて異常アラームが通知される。
    • 収集されたすべてのデータを評価した結果,異常条件を満たしているデータはないが,警告条件を満たしているデータが1つ以上あり,かつ以前に通知されたアラームが警告以外の場合,それらの個々のデータについて警告アラームが通知される。
    • 収集されたすべてのデータが上記どちらの条件にも満たない場合で,かつ以前に通知されたアラームが異常または警告のときは,正常アラームが通知される。
    注意
    すべてのデータが評価されるので,1インターバルで複数のアラームが通知されることがある。
    ×
    • 異常条件を満たすデータが1つ見つかった時点で,以前のアラーム通知の有無に関係なく,そのデータを基に異常アラームが通知される。
    • 異常条件を満たしているデータはないが,警告条件を満たしているデータが1つ見つかった時点で,以前のアラーム通知の有無に関係なく,そのデータを基に警告アラームが通知される。
    注意
    条件を満たしているデータが見つかった時点でアラーム評価が終了するため,収集されたすべてのデータが評価されるとは限らない。
    異常,または警告のどちらかの条件を満たしているすべてのデータ一つ一つについて異常(または警告)である旨のアラームが通知される。
    注意
    すべてのデータが評価されるので,1インターバルで複数のアラーム通知がされることがある。
    [値の存在を監視するアラームとする]をチェックしている場合 複数行のレコード※2 × × 収集されたすべてのデータを基に,[新規アラーム > アラーム条件式]または[編集 > アラーム条件式]画面で,条件式として指定した値があるかどうかを判断し,ない(条件式を満たしていない)場合に異常のアラームが通知される。
    注意
    アラーム通知は稼働していない旨を1回だけ通知する。収集されるデータが一つもない場合は,アラーム評価されない。
    ×
    × 収集されたすべてのデータを基に,[新規アラーム > アラーム条件式]または[編集 > アラーム条件式]画面で,条件式として指定した値があるかどうかを判断し,ない(条件式を満たしていない)場合に異常のアラームが通知される。
    注意
    アラームは,毎回通知する。
    収集されるデータが一つもない場合は,アラーム評価されない。

    (凡例)
    ○:チェックあり
    ×:チェックなし

    注※1
    単一行のレコードとは,単数インスタンスレコードのことです。

    注※2
    複数行のレコードとは,複数インスタンスレコードのことです。

    [監視時刻範囲]
    収集したデータをアラーム監視するための時刻の範囲を設定します。
    [常に監視する]
    アラームを1日24時間,常に監視したい場合にチェックします。デフォルトは,チェックされています。
    [開始]
    アラーム監視の開始時刻(ローカルタイム)を指定します。[常に監視する]がチェックされていないときに指定できます。デフォルトは,現在時刻が表示されます。半角数字で,00:00~23:59の範囲で指定します。
    [終了]
    アラーム監視の終了時刻(ローカルタイム)を指定します。[常に監視する]がチェックされていないときに指定できます。デフォルトは,現在時刻が表示されます。半角数字で,00:00~23:59の範囲で指定します。
    注※ 運用中,標準時間がサマータイムに調整された場合,サマータイムの開始,終了の時間が監視時刻範囲内にあるとき,次のような影響を受けることがあります。
    サマータイム開始時:アラームが通知されないことがあります。例えば,午前1時の次が午前3時になり,午前2時台の監視分アラームが通知されません。
    サマータイム終了時:アラームが重複して通知されることがあります。例えば,午前1時の次が午前0時になり,午前0時台の監視分アラームが重複します。

    [発生頻度]
    アラームの評価で,何回中何回しきい値を超えたらアラームを通知するかを設定します。
    [発生頻度を満たした時にアラーム通知する]
    指定した発生頻度以上の頻度でアラームが発生したときにアラームを通知させたい場合にチェックします。
    デフォルトは,チェックされていません。
    [回しきい値超過/インターバル中]
    何回アラームを評価する間に,何回しきい値を超えた場合にアラーム通知をするかを設定します。しきい値を超えた回数を[回しきい値超過]に,アラームを評価する回数を[インターバル中]に,[▲][▼]ボタンで設定します。この項目は,[発生頻度を満たした時にアラーム通知する]をチェックしている場合だけ指定できます。デフォルトは「1」です。
    指定できる値は,1~32767の整数です。
    [常にアラーム通知する]のチェックの有無によって,アラームの通知は次のようになります。
    [常にアラーム通知する]をチェックしていない場合:アラームの状態を発生頻度で評価し,条件を満たした場合にアラームを通知します。アラームの状態には,発生頻度を評価した結果が反映されるので通知されるアラームの状態とデータのしきい値が異なることがあります。
    [常にアラーム通知する]をチェックしている場合:発生頻度で警告または異常条件を満たしたときに,警告または異常の状態をとるデータを通知します。発生頻度を評価した結果はアラームの状態に反映されません。また,[しきい値超過/インターバル]で双方の値を同じにした場合,アラームの通知タイミングが変わります。
    発生頻度とアラーム通知のタイミングを,次の表に示します。

    表8-4 発生頻度とアラーム通知のタイミング

    発生頻度 アラーム通知のタイミング
    nm mインターバル中,n回しきい値を超えた場合にアラームが通知されます。以降m回アラームを評価する間にn回しきい値を超えるごとにアラームが通知されます。
    nn しきい値を一度超えるとアラームが通知され,以降しきい値を超え続けている間,n回ごとにアラームが通知されます。
    発生頻度を指定した場合,[常にアラーム通知する][すべてのデータを評価する]の指定とアラームの評価の違いを次の表に示します。

    表8-5 発生頻度を設定した場合のアラーム評価の違い

    [常にアラーム通知する] [すべてのデータを評価する] アラーム評価(通知)
    × ×
    • 「何回」評価する間に,「何回」しきい値を超えたらアラームの状態を変更するかを指定します。
    • アラームの状態が以前通知した状態から変化があった場合だけ,アラームが通知されます。
    • アラーム通知時点で収集されたデータの中で,最も重大度の高い条件を満たすデータのアラーム状態が通知されます。
    注意
    アラームの状態は発生頻度を評価した結果の状態のため,アラームの状態と通知されるデータのしきい値が異なることがあります。
    ×
    • 「何回」評価する間に,「何回」しきい値を超えたらアラームの状態を変更するかを指定します。
    • アラームの状態が以前通知した状態から変化があった場合だけ,アラームが通知されます。
    • アラーム状態が警告または異常の場合,アラームを通知する時点でアラーム状態の条件を満たすすべてのデータのアラーム状態が通知されます。
    注意
    アラームの状態は発生頻度を評価した結果の状態のため,アラームの状態と通知されるデータのしきい値が異なることがあります。
    ×
    • 「何回」評価する間に,「何回」しきい値を超えたらアラームを通知するかを指定します。アラームの発生頻度を抑制するために利用できます。
    • アラーム通知時点で収集された最も重大度の高い条件を満たすデータが通知されます。
    • 「何回」評価する間に,「何回」しきい値を超えたらアラームを通知するかを指定します。アラームの発生頻度を抑制するために利用できます。
    • アラーム通知時点で警告または異常条件を満たす,すべてのデータが通知されます。

    (凡例)
    ○:チェックあり
    ×:チェックなし
    例えば,プロセッサのビジー状態を監視するアラームテーブルを定義する際に,監視対象を1日24時間監視して,3回アラームを監視した中で2回しきい値を超えたときにアラームを通知する場合,次のように設定します(「図8-3 アラームの監視時刻や発生頻度の設定例」参照)。
    [アラームを有効にする]:選択する
    [常に監視する]:選択する
    [発生頻度を満たした時にアラーム通知する]:選択する
    2[回しきい値超過/]3[インターバル中]

    図8-3 アラームの監視時刻や発生頻度の設定例

    [図]

    注意
    監視時刻範囲と発生頻度を指定した場合のアラーム評価の詳細については,「8.6.3 アラームの評価に関する注意事項」の「(3) 監視時刻範囲と発生頻度を指定した場合のアラーム評価について」を参照してください。
  9. [次へ >]ボタンをクリックします。
    [値の存在を監視するアラームとする]が選択されているかどうかによって次に進む画面が異なり,設定できるアラーム条件が異なります。
    • [値の存在を監視するアラームとする]を選択した場合
      [アラーム条件式]画面に遷移します。「8.4.3 存在を監視する値を設定する」に進んで,任意のフィールドに値があるかどうかを監視する場合の条件式を設定します。
    • [値の存在を監視するアラームとする]をチェックしない場合
      [アラーム条件式]画面に遷移します。「8.4.4 アラーム条件式を設定する」に進んで,アラーム条件式を設定します。

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