Tuning Manager Software ユーザーズガイド
アラームの条件式を設定する手順を次に示します。
- アラーム条件式を設定します。
- [レコード]
- 条件式を指定する上で,対象となるレコードをドロップダウンリストから選択します。
- [フィールド]
- 条件式を指定する上で,対象となるフィールドをドロップダウンリストから選択します。この項目は,[レコード]を選択すると活性化され,選択したレコードに対応するフィールドがドロップダウンリストで表示されます。
- データ型がtime_t,timeval,またはutimeであるフィールドは,アラーム条件式には設定できないため,ドロップダウンリストには表示されません。
- デフォルトでは,ドロップダウンリスト上,いちばん上に位置するフィールドが表示されます。
- [説明]ボタン
- レコードおよびフィールドについての説明画面が別ウィンドウで表示されます。
- [条件]
- 条件式を指定する上で使用したい演算子をドロップダウンリストから選択します。
- この項目は,[レコード]を選択すると活性化されます。
- 選択できる値を次の表に示します。デフォルトは「=」です。
値 説明 = [フィールド]の値と[値]の値が等しい。 < [フィールド]の値が[値]の値よりも小さい。文字列フィールドの場合,ASCIIコードの昇順に比較される。※ <= [フィールド]の値が[値]の値よりも小さいか,または等しい。文字列フィールドの場合,ASCIIコードの昇順に比較される。※ > [フィールド]の値が[値]の値よりも大きい。文字列フィールドの場合,ASCIIコードの昇順に比較される。※ >= [フィールド]の値が[値]の値よりも大きいか,または等しい。文字列フィールドの場合,ASCIIコードの昇順に比較される。※ <> [フィールド]の値と[値]の値が異なる。
- 注※
- ASCIIコードの昇順による比較では,2つの文字列が先頭(一番左側)から比較され,最初に異なる文字に出会ったときのASCIIコードの大小が文字列の大小となります。なお,一方の文字列がもう一方の文字列の先頭から切り出した部分文字列の場合,長い文字列の方が大きいと判定されます(例:"abcdef">"abc")。
- 注意
- 文字列フィールドの大小比較はASCIIコードの昇順に比較されるため,数値比較の結果とは異なります。
- 例えば,LDEV Number(LDEV_NUMBER)フィールドは文字列フィールドのため,LDEV_NUMBER="2"やLDEV_NUMBER="3"である場合も条件式LDEV_NUMBER >="100"を満たします。文字列フィールドに対する条件指定については,「8.6.1 アラーム作成時の注意事項」の「(8) 文字列フィールドに対する条件指定について」を参照してください。
- [異常値]
- アラーム評価で異常アラームの判断基準となるしきい値を,整数値,小数値,または749バイト以内の全角文字,半角文字で指定します。
- 文字列を指定する場合は,ワイルドカード文字を使用できます。
- 使用できるワイルドカード文字を次に示します。
- ・ *:任意の0文字以上の文字列
- ・ ?:任意の1文字
- ・ \:「*」,「?」および「\」をワイルドカードではなく文字として扱う場合
- 例えば,「\*」と指定した場合は,文字「*」として扱います。※
- ただし,「( ) [ ] < > = "」の文字および,半角スペースは指定できません。これらの文字を指定したい場合は,ワイルドカード文字を使って条件式を指定してください。
- この値は,異常条件式の値です。
- 指定できる値は,フィールドによって異なります。指定できる値については,各PFM - Agentマニュアルの,レコードについて説明している章(各レコードのフィールド一覧)を参照してください。
- 注※
- 「\」の次にワイルドカードを含む文字列が値として指定された場合に,指定したフィールドの文字列と完全一致すると,値の判定は真となります。
- 例えば,値に「\*abc」と指定した場合,対象のフィールドに「\*abc」と格納されているときも,「*abc」と格納されているときも真と判定されます。
例えば,監視対象がPFM - Agent for Platform(Windows)で,プロセッサのビジー状態に対して,プロセッサの使用率が80%を超えたときに警告のアラームを通知し,90%を超えたときに異常のアラームを通知するようにする場合,次のように設定します(「図8-5 [新規アラーム > アラーム条件式]画面」参照)。
- [警告値]
- アラーム評価で警告アラームの判断基準となるしきい値を,整数値,小数値,または749バイト以内の全角文字,半角文字で指定します。
- 文字列を指定する場合は,ワイルドカード文字を使用できます。
- 使用できるワイルドカード文字を次に示します。
- ・ *:任意の0文字以上の文字列
- ・ ?:任意の1文字
- ・ \:「*」,「?」および「\」をワイルドカードではなく文字として扱う場合
- 例えば,「\*」と指定した場合は,文字「*」として扱います。※
- ただし,「( ) [ ] < > = "」の文字および,半角スペースは指定できません。これらの文字を指定したい場合は,ワイルドカード文字を使って条件式を指定してください。
- この値は,警告条件式の値です。
- 指定できる値は,フィールドによって異なります。指定できる値については,各PFM - Agentマニュアルの,レコードについて説明している章(各レコードのフィールド一覧)を参照してください。
- 注※
- 「\」の次にワイルドカードを含む文字列が値として指定された場合に,指定したフィールドの文字列と完全一致すると,値の判定は真となります。
- 例えば,値に「\*abc」と指定した場合,対象のフィールドに「\*abc」と格納されているときも,「*abc」と格納されているときも真と判定されます。
[レコード]:System Overview(PI)
[フィールド]:CPU%
[条件]:>
[異常値]:90
[警告値]:80
- [追加]ボタンをクリックします。[異常値]および[警告値]の両方を設定していない場合は,追加できません。[異常条件]および[警告条件]に条件式が追加されます。条件式は複数設定できます。複数設定した場合はAND演算子で結合され,設定したすべての条件式を満たしているかどうかがアラーム通知の条件となります。なお,すでに[異常条件]および[警告条件]に追加している条件式を選択してからアラーム条件を設定し,[更新]ボタンをクリックすると,条件式が上書き更新されます。[異常条件]と[警告条件],およびこれらの右側に配置されるボタンについて次に説明します。
- [異常条件]
- 設定した異常条件の条件式が一覧で表示されます。この項目は,[レコード],[フィールド],[条件],[異常値],および[警告値]を設定して[追加]ボタンをクリックすると,追加されます。すでに存在している条件式を選択して[追加]ボタンをクリックすると,選択した条件式と追加された条件式がAND演算子で結合されます。すでに存在している条件式が2つ以上ある場合,選択した条件式と追加された条件式が"()"で囲まれた表示となり,評価順序の低い条件式として認識されます。条件式を変更する場合は,変更したい条件式を選択し,[更新]ボタンをクリックします。
- 異常条件式は,最大で5つ指定できます。また,指定できる異常条件式の長さの合計は,749バイト以内です。
- 条件式の長さについての詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のjpctool alarm importコマンドのConditionラベルについて説明している個所を参照してください。
- [警告条件]
- 設定した警告条件の条件式が一覧で表示されます。この項目は,[レコード],[フィールド],[条件],[異常値],および[警告値]を設定して[追加]ボタンをクリックすると,追加されます。すでに存在している条件式を選択して[追加]ボタンをクリックすると,選択した条件式と追加された条件式がAND演算子で結合されます。すでに存在している条件式が2つ以上ある場合,選択した条件式と追加された条件式が"()"で囲まれた表示となり,評価順序の低い条件式として認識されます。条件式を変更する場合は,変更したい条件式を選択し,[更新]ボタンをクリックします。
- 警告条件式は,最大で5つ指定できます。また,指定できる警告条件式の長さの合計は,749バイト以内です。
- 条件式の長さについての詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のjpctool alarm importコマンドのConditionラベルについて説明している個所を参照してください。
- [編集]ボタン
- [異常条件]および[警告条件]で選択した条件式の内容を,[レコード],[フィールド],[条件],[異常値],および[警告値]に表示させ,編集できます。複数の条件式をまとめて選択することはできません。[異常条件]または[警告条件]に条件式が1つ以上設定されている場合だけ活性化されます。
- [削除]ボタン
- [異常条件]および[警告条件]で選択した条件式を削除します。
- [すべて削除]ボタン
- [異常条件]および[警告条件]のすべての条件式を削除します。
- 注意
- アラーム条件式に"<","<=",">=",または">"を含む場合,最初に警告条件を満たすかどうかを判定します。満たさない場合はその時点でアラームの評価を終了します。
- 警告条件を満たす場合,次に異常条件を満たすかどうかを判定します。異常条件を満たさない場合は警告のアラームを通知し,満たす場合は異常のアラームを通知します。
- このためアラーム条件式に"<","<=",">=",または">"を含むアラームを作成する場合,異常条件が警告条件よりシステムとして異常な範囲となるように指定してください。
- 指定例を次に示します。
- (例1)
CPU%(CPU使用率)の値が0より大きく100より小さい場合(値が大きい方がシステムとして異常な値)
正しく評価されるアラーム条件式:
異常条件:CPU% > 90
警告条件:CPU% > 80
正しく評価されるアラーム条件式(異常の場合だけアラームを発生させたいとき):
次のように異常と警告の条件を同じにしてください。
異常条件:CPU% > 90
警告条件:CPU% > 90
正しく評価されないアラーム条件式:
異常条件:CPU% > 50
警告条件:CPU% > 80- (例2)
% Free Space(Diskの空き率)の値が0より大きく100より小さい場合(値が小さい方がシステムとして異常な値)
正しく評価されるアラーム条件式:
異常条件:% Free Space < 10
警告条件:% Free Space < 30
正しく評価されるアラーム条件式(異常の場合だけアラームを発生させたいとき):
次のように異常と警告の条件を同じにしてください。
異常条件:% Free Space < 10
警告条件:% Free Space < 10
正しく評価されないアラーム条件式:
異常条件:% Free Space < 60
警告条件:% Free Space < 30- [次へ >]ボタンをクリックします。[新規アラーム > アクション]画面に遷移します。「8.4.5 アクションを設定する」に進んでください。
- 参考
- [異常条件]および[警告条件]によって条件式を設定すると,評価順序も定義されます。評価順序は,例えば,変数%CVSを使って条件式の評価結果を取得するときに意識する必要があります。次に例をあげて説明します。
・アラーム条件式が次の場合にMbytes Free %を%CVSで評価したいときは%CVS2とする必要があります。
(Mbytes Free % < "5"
AND File System <> "/usr")
AND Available Space % < "10"
このとき,評価順序は次のようになります。
(Mbytes Free % < "5" 2番目
AND File System <> "/usr") 3番目
AND Available Space % < "10" 1番目
・上から%CVSで評価する場合はアラーム条件式を次のようにしてください。
Mbytes Free % < "5"
(AND File System <> "/usr"
AND Available Space % < "10")
このとき,評価順序は次のようになります。
Mbytes Free % < "5" 1番目
(AND File System <> "/usr" 2番目
AND Available Space % < "10") 3番目- 条件式内に同じフィールドが2つ以上使用されている場合,変数%CVSの値は最初のフィールドが指す値に集約されます。
このため%CVSで指定する番号は重複するフィールドを除いた場合の位置になります。
例えば,条件式が「A and ( A and B )」の場合は,Aの値は%CVS1, Bの値は%CVS2になります。
同様に,条件式が「A and ( B and A )」の場合も,Aの値は%CVS1, Bの値は%CVS2になります。
(例)
1行目:Free Mbytes <> "0"
2行目:AND (Free Mbytes % = "10.000"
3行目: AND (Free Mbytes % <= "20.000"
4行目: AND ID = "*"))
と定義されている場合
%CVS1で1行目のFree Mbytesの評価結果
%CVS2で2行目と3行目のFree Mbytes %の評価結果
%CVS3で4行目のIDの評価結果
が出力されます。
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