Tuning Manager Software ユーザーズガイド

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6.2.6 レポート表示時の注意事項

レポート表示時の注意事項を次に示します。

この項の構成
(1) 円グラフについて
(2) Performance Reporterのブラウザーに表示できる最大[レポート]画面数について
(3) レポートに表示できる最大データ数について
(4) データの取得性能について
(5) リアルタイムレポート表示の制限について
(6) 表示レコード数が多いレポートを表示する場合について
(7) グラフの表示データ数の制限について
(8) グラフの凡例が表示しきれない場合について
(9) フィールド数が多いリアルタイムレポートを表示する場合について
(10) 大量の表データを含むレポートをHTML出力する場合について
(11) レポートの表示に時間が掛かる場合について

(1) 円グラフについて

レポートに表示する円グラフの個数が多い場合,円グラフの下部にあるデータラベルが改行されます。これによって,円グラフのサイズが小さくなることがあります。この場合,次のどれかの対処をしてください。

データラベルに表示される文字数を減らす方法を次に示します。設定はレポート定義の編集画面で実施します。

[編集 > グラフのプロパティ]画面で[系列]に「行」を指定している場合
[編集 > グラフのプロパティ]画面で,[データラベル]に指定するフィールドを,インスタンスが識別できて,文字数が少ないフィールドにしてください。

[編集 > グラフのプロパティ]画面で[系列]に「列」を指定している場合
[編集 > 表示形式]画面で,[表示名]に指定する文字列を短くしてください。

(2) Performance Reporterのブラウザーに表示できる最大[レポート]画面数について

(3) レポートに表示できる最大データ数について

(4) データの取得性能について

複数のリアルタイムレポートを同時に表示した場合,データの取得性能が低下することがあります。

(5) リアルタイムレポート表示の制限について

エージェントで複数インスタンスレコードを収集する場合,1回の収集で扱えるインスタンス数は32,767個までです。そのため,ブラウザーで複数インスタンスレコードのリアルタイムレポートを表示する際,32,767個までのインスタンスが表示できます。32,768個目以降のインスタンスは表示できません。

(6) 表示レコード数が多いレポートを表示する場合について

表示レコード数が多いレポートをGUIで表示またはjpcrptコマンドのHTML形式で出力すると,PFM - ManagerのView Serverサービス,またはPerformance Reporterのサービスで使用するメモリーが不足して表示できない場合があります。表示レコード数が多いレポートの場合は,次の運用を検討してください。

メモリー使用量削減機能を有効にする

Performance Reporterには,メモリー使用量を抑える機能として,次の機能があります。

これらの機能を有効にするには,初期設定ファイル(config.xml)のmemoryReductionModeを有効にします。memoryReductionModeは,レポートキャッシュファイル化機能とレポート系列ページング機能,そしてレポートキャッシュファイル化機能を利用するために必要な分割送信モードを一括で有効にできる項目です。初期設定ファイル(config.xml)の設定の詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager Software 運用管理ガイド」の,Performance Reporterの初期設定について説明している個所を参照してください。

なお,レポートを表示する場合,グラフの有無などによってメモリー不足が発生し,Performance Reporterのサービスまたは,jpcrptコマンドが異常停止することがあります。この場合は,メモリー使用量削減機能を有効にすることで,メモリー不足を回避できます。ただし,条件によっては,メモリー使用量削減機能を有効にするだけでは回避できないことがあるため,それぞれの条件におけるメモリー不足の回避方法を次に示します。

参考
jpcrptコマンドを使ってCSV出力する場合は,メモリー使用量削減機能は利用できません。ただしこの場合,レポートのデータを読み込みながら出力するため,レコード数が多いレポートを出力するときでもメモリー不足は回避できます。

表6-1 大量のデータのレポート表示のための,条件別メモリー不足の回避方法

条件 回避方法
GUI リアルタイムレポート以外 グラフ表示なし メモリー使用量削減機能を有効にしてください。
グラフ表示あり
  • 各エージェントのデータの保存条件を,デフォルトの範囲内で運用している場合
    メモリー使用量削減機能を有効にしてください。
  • 各エージェントのデータの保存条件を,デフォルトの範囲を超えて運用している場合
    メモリー使用量削減機能を有効にしていても,グラフ表示可能データ数を超えたときには,エラーメッセージが出力されて,グラフが作成されません。この場合は,レポート定義を見直して,グラフ表示対象のデータ数を減らしてください。
    グラフ表示可能データ数およびグラフ表示対象のデータ数については,「(7) グラフの表示データ数の制限について」を参照してください。
リアルタイムレポート メモリー使用量削減機能を有効にして,さらに次の見積もり式に収まる範囲で運用してください。
<1レポート当たりの表示インスタンス数><1レポート当たりのレポート選択フィールド数><1レポート当たりのデータ保持回数><1つのTuning Manager serverのシステム内でのレポート同時表示数>
< 10,000,000
jpcrptコマンド HTML形式のレポート メモリー使用量削減機能を有効にして,さらにjpcrptコマンドでレポートをHTML出力する場合に必要なメモリー量を算出し,必要に応じてJavaのヒープサイズを拡張してください。
jpcrptコマンドでレポートをHTML形式で出力する場合に必要なメモリー量の見積もり方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager Software 運用管理ガイド」の付録を参照してください。

注意
複合レポートの表示時に使用されるベースラインデータでは,メモリー使用量削減機能は利用できません。ベースラインとして表示する系列数が70以上となるレポートは,メモリーが不足するおそれがあるため,ベースラインとして登録しないでください。

レポートキャッシュファイル化機能は,次の表に示すレポートに対応し,レポート系列ページング機能は,履歴レポートおよびリアルタイムレポートで表示するグラフに対応しています。

表6-2 レポートキャッシュファイル化機能を利用できるレポート

呼び出し元 レポート
Performance ReporterのGUI 履歴レポート(単一エージェント,複数エージェント)
イベント履歴
複合レポート
[レポート印刷]画面(HTML出力)
CSV出力
jpcrptコマンド 履歴レポート(HTML出力)
複合レポート

レポートキャッシュファイルは,デフォルトでは次のディレクトリに格納されます。

表6-3 レポートキャッシュファイルのデフォルト格納先

レポート出力種別 ディレクトリ
GUIでのレポート表示

Windowsの場合
<Tuning Manager serverのインストール先フォルダ>\PerformanceReporter\reportcache\serv

Solarisの場合
/opt/HiCommand/TuningManager/PerformanceReporter/reportcache/serv

Linuxの場合
<Tuning Manager serverのインストール先ディレクトリ>/PerformanceReporter/reportcache/serv
jpcrptコマンドでのHTML出力

Windowsの場合
<Tuning Manager serverのインストール先フォルダ>\PerformanceReporter\reportcache\cmd

Solarisの場合
/opt/HiCommand/TuningManager/PerformanceReporter/reportcache/cmd

Linuxの場合
<Tuning Manager serverのインストール先ディレクトリ>/PerformanceReporter/reportcache/cmd

なお,格納されたレポートキャッシュファイルは,通常はレポート出力の操作が完了した時点で削除されますが,何らかの要因でファイルが削除されなかった場合,次に示すタイミングで再度削除が試みられます。

注意
すべてのファイルおよびディレクトリが削除されるため,ディレクトリ配下には任意のファイルを格納しないでください。

参考
メモリー使用量削減機能を有効にすると,レポートキャッシュファイルのディスク占有量の見積もりが必要です。次の計算式によって算出した結果をディスク占有量の見積もりに加算してください。
レポートキャッシュファイルのディスク占有量(単位:GB) = 
<1つのTuning Manager serverのシステム内でのレポート同時表示数> * 2

メモリー使用量削減機能を有効にしたい場合,初期設定ファイル(config.xml)のmemoryReductionModeにtrueを指定し,レポートキャッシュファイルの格納先ディレクトリは,初期設定ファイル(config.xml)のreportCacheFileDirで指定します。

注意
レポートキャッシュファイルの格納先ディレクトリには,ローカルディスク上のディレクトリを指定してください。ネットワーク上のディレクトリを指定した場合,ローカルディスクと比較してGUIおよびjpcrptコマンドの動作に時間が掛かります。

初期設定ファイル(config.xml)の設定方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager Software 運用管理ガイド」の,Performance Reporterの初期設定について説明している個所を参照してください。

jpcrptコマンドでCSV出力する

表示レコード数が多いレポートのデータは,GUIを使って表示したり,jpcrptコマンドを使ってHTML形式で出力したりするのではなく,jpcrptコマンドを使ってCSVファイルに出力して参照することを検討してください。

jpcrptコマンドについては,「12.2.4 jpcrpt」を参照してください。

(7) グラフの表示データ数の制限について

グラフが含まれるリアルタイムレポート以外のレポートを表示する場合,エージェントからのデータの保存条件によっては,グラフ表示データ数がグラフ表示可能データ数を超えると,エラーメッセージが出力されグラフが作成されません。

この場合には,レポート定義を見直し,グラフ表示対象のデータ数を減らすことで,グラフが表示されます。

なお,再度レポートを表示する前に,メモリー使用量削減機能が有効になっていることを確認してください。

グラフ表示データ数の算出方法

グラフ表示データ数は,次の計算式で算出できます。

グラフ表示可能データ数 = 2,000,000
グラフ表示データ数 =
<グラフ表示対象レコード数><レポートに定義したフィールド数>

グラフ表示対象レコード数の求め方
  • 折れ線/面/積み上げ面グラフの場合,グラフ表示対象期間レコード数を使用します。
    グラフ表示対象期間レコード数 = 
    <レポート表示対象インスタンス数>※1<データ収集回数>※2
    注※1
    次の条件によって値が異なります。
    ・マルチインスタンスまたはマルチエージェントの場合:
    <インスタンス数>または<系列の最大表示数>のうち小さい方の値
    ・シングルインスタンスの場合:1
    注※2
    表示期間およびレコード収集間隔で求めます。
  • 集合縦棒/積み上げ縦棒/集合横棒/積み上げ横棒/円グラフの場合,表示対象時点に存在するレコード数を使用します。
    表示対象時点に存在するレコード数(1収集時のレコード数) = 
    <レポート表示対象インスタンス数>※3
    注※3
    次の条件によって値が異なります。
    ・グラフの「系列」に「列」を選択した場合:
    <表示対象時点に存在するインスタンス数>または<系列の最大表示数>のうち小さい方の値
    ・グラフの「系列」に「行」を選択した場合:<レポート表示対象インスタンス数>

レポートに定義したフィールド数の求め方
レポートに定義したフィールド数は,「グラフに設定したフィールド数」ではなく,「レポート定義に設定したフィールド数」のことを表します。
レポートに定義したフィールド数 = 
<ユーザ選択フィールド数><レポートタイプによって追加するフィールド数>※4

注※4
次の表に示すとおり,レポートタイプによって追加するフィールドが異なります。

表6-4 レポートタイプによって追加するフィールド

レポートタイプ 追加するフィールド
履歴(単一エージェント)レポート
  • Date and Time
  • ODBCキーフィールド
    (マルチインスタンスレコードを選択した場合だけ)
履歴(複数エージェント)レポート
  • Date and Time
  • Agent Host
  • Agent Instance

なお,複合レポートの場合のグラフ表示データ数は,複合ブックマークに登録した各レポートのグラフ表示データ数の合計となります。

(8) グラフの凡例が表示しきれない場合について

レポート内のフィールド数は制限していませんが,フィールド数が多い場合,グラフや凡例が一部またはすべて見えなくなることがあります。

GUIでレポート表示する場合,グラフのフィールドを複数のページに分割して表示できます。これをレポート系列ページング機能といい,これによってすべての凡例を参照できます。この機能を有効にしたい場合,メモリー使用量削減機能を有効にします。メモリー使用量削減機能については,「(6) 表示レコード数が多いレポートを表示する場合について」を参照してください。

なお,メモリー使用量削減機能が無効で,グラフの凡例が表示しきれない場合は,グラフ倍率を変更して確認してください。グラフ倍率を変更しても表示しきれない場合は,レポートの表へグラフの凡例に該当するフィールドを追加して確認してください。グラフに表示するフィールドは20個程度を推奨します。

(9) フィールド数が多いリアルタイムレポートを表示する場合について

レポート系列ページング機能によってリアルタイムレポートが複数のページに分割されている場合,レポートを更新するときにフィールド数が増減することがあります。これによって,ページに表示されるフィールドが変化することがあるため注意してください。

(10) 大量の表データを含むレポートをHTML出力する場合について

[レポート印刷]画面に出力するレポートに大量の表データが含まれる場合,表示に高い負荷が掛かるために,ブラウザーがハングアップすることがあります。この場合,[レポート印刷]画面に出力するレポートに含める表データの行数を制限することで回避してください。

Performance Reporterでは,[レポート印刷]画面に出力するレポートに含める表データの行数は,初期設定ファイル(config.xml)のprintTableMaxRowSizeを設定することで変更できます。ただし,表示するレポートの行数が指定値を超えたときは,表データの出力を打ち切った旨のメッセージが表示されます。

初期設定ファイル(config.xml)の設定の詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager Software 運用管理ガイド」の,Performance Reporterの初期設定について説明している個所を参照してください。

なお,この設定によって表データの行数を制限した場合でも,レポートに含まれるフィールドの数が多い場合は,出力されるデータの量がブラウザーの許容範囲を超え,ブラウザーの動作が不安定になることがあります。これを回避するには,レポートに含めるフィールドの数を見直してください。初期設定ファイル(config.xml)に設定した表データ行数の制限値が初期値で,Internet Explorer 7を使用してレポートを表示する場合,フィールド数の目安は10以下です。

(11) レポートの表示に時間が掛かる場合について

レコードのインスタンス数が大量な場合,表示に時間が掛かることがあります。この場合,次に示す対処をすべて実施することで,一度にグラフに表示するデータ数を制限してください。

初期設定ファイル(config.xml)の設定の詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager Software 運用管理ガイド」の,Performance Reporterの初期設定について説明している個所を参照してください。

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