Tuning Manager Software インストールガイド
クラスタ環境でTuning Manager serverを運用する場合は,Tuning Manager serverをSun Clusterと連携させ,Sun Clusterから起動,停止などの制御を実行するように設定します。この設定は,「7.3.1 環境設定」に示すセットアップ作業が完了してから実施してください。
- この項の構成
- (1) Tuning Manager serverをクラスタソフトウェアへ登録する前に
- (2) クラスタソフトウェアにリソースを登録する
(1) Tuning Manager serverをクラスタソフトウェアへ登録する前に
Tuning Manager serverをクラスタソフトウェアに登録する前に,クラスタソフトウェアから,Tuning Manager serverを制御するためのスクリプトファイルを作成する必要があります。スクリプトファイルは,実行系ノードおよび待機系ノードで作成してください。
- 注意
- HiRDB,HBase Storage Mgmt Common ServiceおよびHBase Storage Mgmt Web Serviceの制御スクリプトファイルを作成済みの場合は,作成する必要はありません。
必要なスクリプトファイルは次のとおりです。
- HiRDBの制御スクリプトファイル
- HBase Storage Mgmt Common Serviceの制御スクリプトファイル
- HBase Storage Mgmt Web Serviceの制御スクリプトファイル
- Performance Reporterの制御スクリプトファイル
- HiCommand Suite TuningManagerの制御スクリプトファイル
それぞれのスクリプトファイルのサンプルを,「付録A. Solarisでの起動,停止,状態監視のサンプルシェルスクリプト」に記載しています。Tuning Manager serverを使用する環境に応じて,カスタマイズして使用してください。
スクリプト中に記載されている制御コマンド(起動,停止,状態監視)の設定,または作成方法を,それぞれ次に示します。
- 注意
- HiRDBの制御コマンドの設定,または作成は必要ありません。
- 制御コマンドは,実行系ノードおよび待機系ノードで作成してください。
HBase Storage Mgmt Common Serviceの制御コマンド
次のコマンドを実行して,HBase Storage Mgmt Common Serviceを制御するコマンド(/etc/rc3.d/S99hicommand-SSOS)を,クラスタソフトウェアが認識する場所にファイル名を変更してコピーします。
cp -p /etc/rc3.d/S99hicommand-SSOS /etc/init.d/sc_hicommand-SSOSHBase Storage Mgmt Web Serviceの制御コマンド
次のコマンドを実行して,HBase Storage Mgmt Web Serviceを制御するコマンド(/etc/rc3.d/S99hicommand-CWS)を,クラスタソフトウェアが認識する場所にファイル名を変更してコピーします。
cp -p /etc/rc3.d/S99hicommand-CWS /etc/init.d/sc_hicommand-CWS次のコマンドを実行して,Performance Reporterを制御するコマンド(/etc/rc3.d/S99hicommand-PR)を,クラスタソフトウェアが認識する場所にファイル名を変更してコピーします。
cp -p /etc/rc3.d/S99hicommand-PR /etc/init.d/cluster_hicommand-PRHiCommand Suite TuningManagerの制御コマンド
次のコマンドを実行して,HiCommand Suite TuningManagerを制御するコマンド(/etc/rc3.d/S99hicommand-TM)を,クラスタソフトウェアが認識する場所にファイル名を変更してコピーします。
cp -p /etc/rc3.d/S99hicommand-TM /etc/init.d/cluster_hicommand-TM
クラスタソフトウェアにリソースを登録する手順を次に示します。リソースの登録は,実行系ノードまたは待機系ノードで実行してください。
- 注意
- クラスタソフトウェアにリソースを登録する前に,「(1) Tuning Manager serverをクラスタソフトウェアへ登録する前に」を参照して,スクリプトファイルを作成してください。この手順では,作成したスクリプトファイルを/etc/init.d/以下に格納した場合を想定しています。
- この手順では,デフォルトのポート番号でTuning Manager serverを運用している場合を想定しています。任意のポート番号に変更している場合は,変更後のポート番号を設定してください。
- PFM - Manager,およびほかのHitachi Command Suite製品が登録されているリソースグループがない場合,リソースグループを作成します。PFM - Manager,およびほかのHitachi Command Suite製品が登録されているグループが存在する場合は,そのグループを使用してください。
scrgadmコマンドのパラメーターに次の値を指定します。コマンドの実行例を次に示します。
- グループ名:HiCommand
- ノード:実行系ノードのホスト名および待機系ノードのホスト名
# /usr/cluster/bin/scrgadm -a -g HiCommand -h <実行系ノードのホスト名>,<待機系ノードのホスト名>
- 注意
- リソースグループは,PFM - Manager,およびHitachi Command Suite製品に関連するリソースだけで構成してください。
- 共有ディスクをリソースとして登録します。
scrgadmコマンドのパラメーターに次の値を指定します。Tuning Manager serverのデータベースを複数の共有ディスクに分散して格納している場合は,フェールオーバー時にTuning Manager serverのデータベースが一括して引き継がれるように,Tuning Manager serverのデータベースが格納された共有ディスクすべてを同じリソースグループに登録してください。
- リソースタイプ:SUNW.HAStoragePlus
- リソース名:SharedDisk
- 論理ホスト名をリソースとして登録します。
scrgadmコマンドのパラメーターに次の値を指定します。
- リソース名:htnm_ip
- HiRDBをリソースとして登録します。登録済みの場合は次の手順に進んでください。
scrgadmコマンドのパラメーターに次の表の値を指定します。
コマンドの実行例を次に示します。
項目名 設定内容 リソースタイプ SUNW.gds リソース名 HiRDB(任意) 関連するネットワーク htnm_ip 依存するリソース SharedDisk サービスの開始コマンド /etc/init.d/hirdb_start.sh サービスの停止コマンド /etc/init.d/hirdb_stop.sh サービスの監視コマンド /etc/init.d/hirdb_probe.sh 使用するポート番号 23032/tcp # scrgadm -a -j HiRDB -t SUNW.gds -g HiCommand -y Scalable=false -y Port_list="23032/tcp" -x Start_command="/etc/init.d/hirdb_start.sh" -x Stop_command="/etc/init.d/hirdb_stop.sh" -x Probe_command="/etc/init.d/hirdb_probe.sh" -y NetWork_resources_used=htnm_ip -y Resource_dependencies= SharedDisk -x Failover_enabled="true" -y Retry_count=0- HBase Storage Mgmt Common Serviceをリソースとして登録します。登録済みの場合は次の手順に進んでください。
scrgadmコマンドのパラメーターに次の表の値を指定します。表7-10 HBase Storage Mgmt Common Serviceをリソースとして登録するための設定
コマンドの実行例を次に示します。
項目名 設定内容 リソースタイプ SUNW.gds リソース名 MgmtComService(任意) 関連するネットワーク なし 依存するリソース HiRDB サービスの開始コマンド /etc/init.d/sc_hicommand-SSOS.sh start サービスの停止コマンド /etc/init.d/sc_hicommand-SSOS.sh stop サービスの監視コマンド /etc/init.d/sc_hicommand-SSOS.sh status 使用するポート番号 23017/tcp # scrgadm -a -j MgmtComService -g HiCommand -t SUNW.gds -y Resource_dependencies=HiRDB -x Start_command="/etc/init.d/sc_hicommand-SSOS.sh start" -x Stop_command="/etc/init.d/sc_hicommand-SSOS.sh stop" -x Probe_command="/etc/init.d/sc_hicommand-SSOS.sh status" -y Port_list="23017/tcp"- HBase Storage Mgmt Web Serviceをリソースとして登録します。登録済みの場合は次の手順に進んでください。
scrgadmコマンドのパラメーターに次の表の値を指定します。表7-11 HBase Storage Mgmt Web Serviceをリソースとして登録するための設定
コマンドの実行例を次に示します。
項目名 設定内容 リソースタイプ SUNW.gds リソース名 MgmtWebService(任意) 関連するネットワーク htnm_ip 依存するリソース MgmtComService サービスの開始コマンド /etc/init.d/sc_hicommand-CWS.sh start サービスの停止コマンド /etc/init.d/sc_hicommand-CWS.sh stop サービスの監視コマンド /etc/init.d/sc_hicommand-CWS.sh status 使用するポート番号 非SSLの場合:23015/tcp
SSLの場合:23016/tcp# /usr/cluster/bin/scrgadm -a -j MgmtWebService -g HiCommand -t SUNW.gds -y Network_resources_used=htnm_ip -y Resource_dependencies=MgmtComService -x Start_command="/etc/init.d/sc_hicommand-CWS.sh start" -x Stop_command="/etc/init.d/sc_hicommand-CWS.sh stop" -x Probe_command="/etc/init.d/sc_hicommand-CWS.sh status" -y Port_list="23015/tcp"- Performance Reporterをリソースとして登録します。
scrgadmコマンドのパラメーターに次の表の値を指定します。表7-12 Performance Reporterをリソースとして登録するための設定
コマンドの実行例を次に示します。
項目名 設定内容 リソースタイプ SUNW.gds リソース名 PerformanceReporter(任意) 関連するネットワーク htnm_ip 依存するリソース CommonWebService サービスの開始コマンド /etc/init.d/hicommand-PR.sh start サービスの停止コマンド /etc/init.d/hicommand-PR.sh stop サービスの監視コマンド /etc/init.d/hicommand-PR.sh check 使用するポート番号 23032/tcp # scrgadm -a -j PerformanceReporter -t SUNW.gds -g HiCommand -y Scalable=false -y Port_list="23032/tcp" -x Start_command="/etc/init.d/hicommand-PR.sh start" -x Stop_command="/etc/init.d/hicommand-PR.sh stop" -x Probe_command="/etc/init.d/hicommand-PR.sh check" -y NetWork_resources_used=htnm_ip -y Resource_dependencies=CommonWebService -x Failover_enabled="true" -y Retry_count=0- HiCommand Suite TuningManagerをリソースとして登録します。
scrgadmコマンドのパラメーターに次の表の値を指定します。表7-13 HiCommand Suite TuningManagerをリソースとして登録するための設定
コマンドの実行例を次に示します。
項目名 設定内容 リソースタイプ SUNW.gds リソース名 TuningManager(任意) 関連するネットワーク htnm_ip 依存するリソース CommonWebService サービスの開始コマンド /etc/init.d/hicommand-TM.sh start サービスの停止コマンド /etc/init.d/hicommand-TM.sh stop サービスの監視コマンド /etc/init.d/hicommand-TM.sh check 使用するポート番号 23032/tcp # scrgadm -a -j TuningManager -t SUNW.gds -g HiCommand -y Scalable=false -y Port_list="23032/tcp" -x Start_command="/etc/init.d/hicommand-TM.sh start" -x Stop_command="/etc/init.d/hicommand-TM.sh stop" -x Probe_command="/etc/init.d/hicommand-TM.sh check" -y NetWork_resources_used=htnm_ip -y Resource_dependencies=CommonWebService -x Failover_enabled="true" -y Retry_count=0以上の手順で,クラスタ環境の構築が完了します。
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