Tiered Storage Manager Software CLI リファレンスガイド
CreateLockingTaskコマンドは,ボリュームをロックしてデータを書き込み禁止(Read only)または読み書き禁止(Protect)状態にするロッキングタスクを作成します。マイグレーショングループ単位でボリュームをロックします。
マイグレーショングループ内に,ロック済みのボリュームなどロックできないボリュームがある場合は,ロックできるボリュームだけがロックされます。
Tiered Storage Managerでは,次のどれかに該当するボリュームはロックできません。
- メインフレームボリューム
- iSCSIターゲットに接続しているポートからのパスが設定されているボリューム
- システムディスクボリューム
- NASのシステムボリュームまたはユーザーボリューム
- コマンドデバイスとして使用されているボリューム
- On-Demandボリューム
- Dynamic Provisioningのプールボリューム
- Volume Migrationの予約ボリューム
- IO抑止モードが有効な外部接続ボリューム(Cross-system Copy用のボリューム)
- VMAが設定されている,かつ閉塞しているボリューム
- High Availability ManagerのペアボリュームまたはQuorumディスク
- 仮想IDを用いたデータ移行の移行元ボリューム
- 仮想IDを用いたデータ移行中のボリューム
- 仮想IDを用いたデータ移行に使用しているリソースグループに所属するボリューム
- ShadowImageまたはTrueCopyのS-VOL
- Universal ReplicatorのS-VOLまたはジャーナルボリューム
- Copy-on-Write Snapshotのプールボリュームまたは仮想ボリューム
- Thin Imageのプールボリュームまたは仮想ボリューム
次のどれかに該当する場合,ロッキングタスクを作成できません。
- migrationgroupnameパラメーターに指定したマイグレーショングループに,ロックできるボリュームが1つもなかった場合
- タスク作成時にmovetomigrationgroupnameパラメーターに指定したマイグレーショングループが,終了状態(End)ではないタスクで,migrationgroupnameパラメーターに指定されている場合
- 「5.5.2 タスクの作成と実行」に示すタスクが作成できない条件のどれかに該当する場合
ボリュームのロックが完了したあと,ロックしたボリュームをほかのマイグレーショングループに移動することもできます。
指定した期間が経過すると,Tiered Storage Manager はイベント通知を送信します(ロックは自動的に解除されません)。指定した期間が経過した場合には,ロック期間を延長するか,ボリュームをアンロックしてください。
ロック中のボリュームにロッキングタスクを実行した場合,次のように動作します。
- 現在のロック期間よりあとのロック期間を設定すると,ロック期間は延ばされます。
- 現在のロック期間より前のロック期間を設定すると,ロック期間は現在のまま変わりません。
Tiered Storage Managerではなく,StorageNavigatorなどからロックを掛けたためにロック期間が設定されていないボリュームに対して,Tiered Storage Managerで再ロックした場合,ロック期間を再設定できます。
- この項の構成
- (1) 記述形式
- (2) オプション
- (3) パラメーター
- (4) 出力項目
- (5) コマンド指定例と実行結果
htsmcli [ サーバのロケーション] CreateLockingTask [ 共通オプション ] [ { -f | --force } ] [ { -e | --execute } ] storagedomainname=ストレージドメイン名 migrationgroupname=マイグレーショングループ名 [ guardmode={ ReadOnly | Protect } ] [ retentiondays=ロック期間 ] [ movetomigrationgroupname=ロック完了後移動先マイグレーショングループ名 ] [ notifytourl=イベント通知先アドレス ] [ description=タスクの説明文 ]
- -fまたは--force
- 確認しないでロッキングタスクを作成してよい場合に指定します。
- 確認メッセージに応答してからロッキングタスクを作成する場合は,指定を省略します。
- -eまたは--execute
- 作成したロッキングタスクを即時実行したい場合に指定します。
- 省略するとロッキングタスクは待機状態になります。
表5-37 CreateLockingTaskコマンドのパラメーター
パラメーター名 説明 storagedomainname ストレージドメイン名を指定します。 migrationgroupname マイグレーショングループ名を指定します。 [guardmode] ロッキングタスクの実行時に適用するロック方法を指定します。Data Retention Utilityのガード属性のうち,下記のどちらかの属性を指定できます。
- ReadOnly:書き込み禁止(デフォルト)
- Protect:読み書き禁止
[retentiondays] ロック解除できるまでの日数(ロック期間)を指定します。デフォルトは0です。
-1から21,900までの整数値を指定できます。
-1を指定すると無期限となります。ロック期間を無期限に設定した場合,ロックは永久に解除できません。[movetomigrationgroupname] ロックの実行が完了したボリュームの移動先マイグレーショングループ名を指定します。 [notifytourl] イベント発生時に,イベントを通知する先のアドレスを指定します。
"mailto:"とメールアドレス文字列を合わせた値で指定します。[description] タスクの説明文を指定します。
- (凡例)
- [ ]:指定は任意です。
表5-38 CreateLockingTaskコマンドの出力項目(Taskインスタンス)
項目名 説明 ID タスクIDです。
タスクIDの形式は,TK########です。ただし,########は時間+通番を36進数に変換した値です。taskType タスクの種類です。
Locking:ロッキングタスクstatus タスクの状態です。
表示される値の詳細については,「5.8 タスクの状態」を参照してください。creationTime タスクの作成日時です。 endTime タスクの実行終了日時です。 ownerID タスクを作成したユーザーのユーザーIDです。 storageDomainName ストレージドメイン名です。 migrationGroupName マイグレーショングループ名です。 retentionDays ロック期間(単位:日)です。ロック期間が無期限の場合は,"-1(Unlimited)"が表示されます。 retainedThrough ロック期間が終了する日です。ロック期間が無期限の場合は,"Unlimited"が表示されます。 guardMode ロッキングタスクの実行時に適用するロック方法です。
- Read only:書き込み禁止
- Protect:読み書き禁止
moveToMigrationGroupName ロックの実行が完了したボリュームの移動先マイグレーショングループ名です。 notifyToURL イベント通知先のアドレスです。 description タスクの説明文です。 表5-39 CreateLockingTaskコマンドの出力項目(LockingInfoインスタンス)
項目名 説明 controllerDeviceNumber ボリュームのコントローラー論理デバイス番号です。
16進数と" : "(コロン)を組み合わせた値で表示されます。
- コマンド指定例- 1:
365日間,読み取り専用でボリュームをロックするためのロッキングタスクを作成します。htsmcli CreateLockingTask storagedomainname=MegaTechUSP600-Primary migrationgroupname=MG011 guardmode=ReadOnly retentiondays=365 Are you sure you want to lock the migration group "MG011"? (Y/N) :- 実行結果- 1:
RESPONSE: An instance of Task(1 of 1) ID=TK1f2lymqv taskType=Locking status=Standby creationTime=2014/01/25 16:53:11 endTime= ownerID=user storageDomainName=MegaTechUSP600-Primary migrationGroupName=MG011 retentionDays=365 retainedThrough= guardMode=Read only moveToMigrationGroupName= notifyToURL=mailto:test@example.com description= List of 2 LockingInfo elements: An instance of LockingInfo(1 of 2) controllerDeviceNumber=3:A6 An instance of LockingInfo(2 of 2) controllerDeviceNumber=3:A7- コマンド指定例- 2:
読み取り専用でボリュームを無期限にロックするためのロッキングタスクを作成します。htsmcli CreateLockingTask --force storagedomainname=MegaTechUSP600-Primary migrationgroupname=MG011 guardmode=ReadOnly retentiondays=-1- 実行結果- 2:
RESPONSE: An instance of Task(1 of 1) ID=TK1f2lymqv taskType=Locking status=Standby creationTime=2014/01/25 16:53:11 endTime= ownerID=user storageDomainName=MegaTechUSP600-Primary migrationGroupName=MG011 retentionDays=-1(Unlimited) retainedThrough= guardMode=Read only moveToMigrationGroupName= notifyToURL=mailto:test@example.com description= List of 2 LockingInfo elements: An instance of LockingInfo(1 of 2) controllerDeviceNumber=3:A6 An instance of LockingInfo(2 of 2) controllerDeviceNumber=3:A7
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