Hitachi Command Suite Software ユーザーズガイド
Legacyモードでのデータマイグレーションの条件には,すべてのボリュームに対する条件,ボリュームの種類による条件があります。また,一部のボリュームについては,移動元や移動先として選択したときに,移動元や移動先にできない理由が画面に表示されます。
データマイグレーションを実施するすべてのボリュームは,次の条件に合致する必要があります。
- 次のどれかのストレージシステム内に移動元と移動先のボリュームがあること
- Virtual Storage Platform
- Universal Storage Platform V/VM
- Hitachi USP
- HUS VM
- 移動元と移動先のボリュームのエミュレーションタイプ,ブロック数および容量が同じであること
ただし,次の場合は異なっていても移動できます。
- Universal Storage Platform V/VM のマイクロバージョンが60-03-20-00/00-xx 以降で,移動元と移動先がともにDPボリュームの場合,エミュレーションタイプがOPEN-V とOPEN-0V 間でも移動できます。
- エミュレーションタイプがOPEN-Vである通常のボリュームの場合は,移動元より移動先の容量が大きくても移動できます。そのとき,移動元ボリュームと同じ容量のボリュームが再作成されます。移動先ボリュームの候補とする範囲を変更したい場合は,Tiered Storage Managerサーバのserver.propertiesファイルでserver.migrationPlan.candidateCapacityGroupDisplayMaxCountプロパティの値を設定します。このプロパティについては,マニュアル「Hitachi Command Suite Software システム構成ガイド」を参照してください。容量差の大きいボリュームを移動先にすると再作成に時間が掛かるため,デフォルトのまま運用することをお勧めします。
- ボリュームのLDKC:CU:LDEV番号が00:00:00~00:FF:FFであること
- ボリュームにアクセスできること
- 移動元と移動先が,ほかのプログラムやタスクで予約されていないこと
- エミュレーションタイプがOPEN-V以外で,移動元と移動先の両方が通常ボリューム,または両方がCVSボリュームであること
ボリュームの種類によって,移動元や移動先に選択できるかどうかが異なります。Legacyモードでのマイグレーション可否をボリュームの種類ごとに次の表に示します。
表B-5 ボリュームの種類によるデータマイグレーションの条件
ボリュームの種類,状態 移動元 移動先 通常ボリューム ○ ○ 外部ボリューム ○ ○ LUSEボリューム ○※1 × DPボリューム※2 階層プロファイルが適用されているHDTボリューム × × DPプールに関連づけられていない仮想ボリューム × × 上記以外 ○ ○ DPプール × ○※3 DPプールボリューム × × Cache Residency Managerが設定されているボリューム × × コマンドデバイスとして使用されているボリューム × × Cross-system Copyのペアを構成しているボリューム × × NASのシステムボリューム ○ × システムディスクボリューム × × コンカレントコピー対象のボリューム × × オンデマンドデバイス × × 中間ボリューム × × パスが設定されているボリューム ○ × SYSPLEXIDが設定されているメインフレームボリューム ○ ○ DEVNが設定されているメインフレームボリューム ○ ○ VOLSERが設定されているメインフレームボリューム ○ × High Availability Managerで使用しているQuorumディスク × × High Availability Manager
- P-VOL
- S-VOL
× × ShadowImage P-VOLかつ3つのS-VOLとペアを構成しているボリューム × × S-VOLかつSP-VOLとペアを構成しているボリューム × × SP-VOLかつ2つのS-VOLとペアを構成しているボリューム × × 上記以外 ○ × Thin Image
- P-VOL
- V-VOL
- POOL
× × TrueCopy
- P-VOL
- S-VOL
次の状態は,Universal Storage Platform V/VM,Virtual Storage PlatformまたはHUS VMでTrueCopy Syncの場合にだけ該当します。
- PSUS
- PSUE
- suspended
- PAIR
- Duplex
○※4
(内部ストレージシステムの場合だけ)× 上記以外 × × Universal Replicator
- P-VOL
- S-VOL
- COPY
- PAIR
- Pending duplex
- Duplex
× × 上記以外 ○※4 × JNL-VOL × × Copy-on-Write Snapshot P-VOL PAIRかつ世代数が1~63 ○ × 上記以外 × ×
- V-VOL
- POOL
× × Data Retention Utility※5 Read/Write ○ ○ 上記以外 ○ × XRC対象のボリューム suspended状態 ○ × 上記以外 × × 仮想IDが設定されているボリューム × ×
- (凡例)
- ○:選択できる
- ×:選択できない
- 注※1
- 移動元がLUSEボリュームの場合,LUSEを構成するボリュームごとに移動先を選択します。移動先ボリュームは,次の条件にも合致する必要があります。
- 移動先ボリュームのすべてが,内部ボリュームまたは外部ボリュームで統一されていること
- 移動先ボリュームのI/O抑止モード,キャッシュモードおよびCLPRがすべて同じであること
- 移動先ボリュームがDPボリュームでないこと
- また,移動元と移動先のペアをHitachi Command Suite(HCS)が自動で作成するために,次の条件にも合致することをお勧めします。
- 移動先ボリュームが外部ボリュームのとき,すべてのボリュームが同じ外部ストレージシステム内にあること
- 移動先ボリュームのすべてのRAIDレベル,ドライブタイプおよびSLPRが同じであること
重要
- Universal Storage Platform V/VMのマイクロバージョンが60-05-12-00/00より前のストレージシステムのLUSEボリュームをマイグレーションする場合,データマイグレーション実行中に該当ボリュームへのI/O をしないでください。
- 注※2
- 移動先がDPボリュームまたはDPプールの場合,移動元と移動先のDPプールが異なっている必要があります。
- 注※3
- 次の条件に合致している必要があります。
- 閉塞以外の状態であること
- 移動元ボリューム以上の空き容量があること
- DPプールの使用済み容量が,使用率しきい値1,使用率しきい値2のうち高い方のしきい値を超えていないこと。マイグレーション実行後も超えないこと。
- DPプールの予約率が,警告予約率および最大予約率を超えていないこと。マイグレーション実行後も超えないこと。
- DPプール内の仮想ボリューム数が上限値(Virtual Storage Platform:63,232個,Universal Storage Platform V/VM:8,192個,HUS VM:14,080個)未満であること
- 移動元がDPボリュームのときは,移動元と移動先のDPプールが異なること
- 注※4
- 移動元と移動先のCLPRが同じである必要があります。
- 注※5
- 外部ストレージシステムがロックされている(Read/Writeでない)場合は,移動元にもできません。
移動元にも移動先にもできない理由が表示されるボリュームは,ボリューム詳細情報の[ソース/ターゲットボリューム適用不可理由]に次の文字列が表示されます。
表B-6 移動元にも移動先にもできない理由(Legacyモード)
表示される文字列 説明 Cache Residency Manager
Cache LUN XPCache Residency Managerが設定されています。 Command Device コマンドデバイスとして使用されています。 Copy-On-Write Snapshot Status
XP Snapshot Status
Snapshot XP Status次のどれかに該当します。
- Copy-on-Write SnapshotのペアのP-VOLであり,状態がPAIR,世代数が64である。
- Copy-on-Write SnapshotのペアのP-VOLであり,状態がPAIRではない。
- Copy-on-Write SnapshotのペアのV-VOLである。
- Copy-on-Write SnapshotのペアのPOOLである。
Data migration that uses virtual IDs 仮想IDを用いたデータ移行に使用しているリソースグループに所属するボリュームです。 Dynamic Provisioning [Pool Volume]
XP Thin Provisioning [Pool Volume]DPプールボリュームです。 Dynamic Provisioning [Unassigned]
XP Thin Provisioning [Unassigned]DPプールに関連づけられていない仮想ボリュームです。 Externally Locked 外部ストレージシステムがData Retention Utilityでロックされていて,Read/Writeではありません。 In-progress data migration that uses virtual IDs 仮想IDを用いたデータ移行中のボリュームです。 Migration Reserved 移動先としてすでに予約されています。 Not Acquired Volume Information ボリュームの情報を取得できません。 Reserved Device Managerですでに予約されています。 ShadowImage Configuration [Leaf]
Business Copy Configuration [Leaf]
Business Copy XP Configuration [Leaf]ShadowImage のS-VOLであり,SP-VOLとペアを構成しています。 ShadowImage Configuration [Node]
Business Copy Configuration [Node]
Business Copy XP Configuration [Node]ShadowImageのSP-VOLであり,2つのS-VOLとペアを構成しています。 ShadowImage Configuration [Root]
Business Copy Configuration [Root]
Business Copy XP Configuration [Root]ShadowImageのP-VOLであり,3つのS-VOLとペアを構成しています。 System Disk システムディスクボリュームです。 Thin Image
Fast SnapThin Imageのペアを構成しています。 TrueCopy Asynchronous Status
Continuous Access Asynchronous Status
Continuous Access XP Asynchronous StatusTrueCopy Asyncのペアを構成していて,状態がPSUS,PSUE,suspendedのどれでもありません。 TrueCopy Synchronous Status
Continuous Access Synchronous Status
Continuous Access XP Synchronous Status次のどちらかに該当します。
- TrueCopy Syncのペアを構成していて,状態がPSUS,PSUE,PAIR,suspended,Duplexのどれでもない。
- Hitachi USPで,TrueCopy Syncのペアを構成していて,状態がPAIRまたはDuplexである。
Universal Replicator Status
Continuous Access Journal Status
Continuous Access XP Journal Status次のどちらかに該当します。
- Universal Replicatorのペアを構成していて,状態がCOPY,PAIR,Pending duplexまたはDuplexである。
- Universal Replicatorのジャーナルボリュームである。
移動先にできない理由が表示されるボリュームは,ボリューム詳細情報の[ソース/ターゲットボリューム適用不可理由]に次の文字列が表示されます。
表示される文字列 説明 Copy-On-Write Snapshot (target)
XP Snapshot (target)
Snapshot XP (target)Copy-on-Write SnapshotのペアのP-VOLで,状態がPAIR,世代数が63以下です。 Locked (target) Data Retention Utilityでロックされています(Read/Writeでない)。 LUSE (target) LUSEを構成しています。 Migration Group (target) ほかのマイグレーショングループに含まれています。 NAS (target) NASのシステムボリュームです。 Path (target) パスが設定されています。 ShadowImage (target)
Business Copy (target)
Business Copy XP (target)ShadowImageのペアを構成しています。
「表B-6 移動元にも移動先にもできない理由(Legacyモード)」の"ShadowImage Configuration"で始まる表示文字列に対応する,ボリュームのどの状態にも該当しない場合です。TrueCopy Asynchronous (target)
Continuous Access Asynchronous (target)
Continuous Access XP Asynchronous (target)TrueCopy Asyncのペアを構成していて,状態がPSUS,PSUEまたはsuspendedです。 TrueCopy Synchronous (target)
Continuous Access Synchronous (target)
Continuous Access XP Synchronous (target)次のどちらかに該当します。
- TrueCopy Syncのペアを構成していて,状態がPSUS,PSUEまたはsuspendedである。
- Virtual Storage PlatformまたはUniversal Storage Platform V/VMで,TrueCopy Syncのペアを構成していて,状態がPAIRまたはDuplexである。
Universal Replicator (target)
Continuous Access Journal (target)
Continuous Access XP Journal (target)Universal Replicatorのペアを構成しているボリュームで,状態がCOPY,PAIR,Pending duplex,Duplexのどれでもありません。 VOLSER (target) VOLSERが設定されています。
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