Hitachi Command Suite Software ユーザーズガイド
Universal Replicatorを使用して,複数のストレージシステム間でボリュームの複製(リモートコピー)を実施している場合,Universal Replicatorのコピーグループの書き込み遅延時間(C/Tデルタ)が発生します。C/TデルタはRPOの一指標であり,システムのデータを保護したり復旧したりするときの参考値となります。[レプリケーション]タブでは,C/Tデルタの推移を確認したり,C/Tデルタを悪化させている要因を分析したりできます。
[レプリケーション]タブを使用するには,Replication ManagerとTuning Managerのライセンスの登録が必要です。
[レプリケーション]タブを使用すると,C/Tデルタに関連する次の操作ができます。
- C/Tデルタが悪化しているコピーグループがないかを確認する
C/Tデルタのしきい値超過率が高いコピーグループをグラフで確認します。最新のC/Tデルタの値やアラート通知されたコピーグループの一覧を確認することもできます。- C/Tデルタの悪化要因を分析する
C/Tデルタを悪化させているおそれがある,リモートコピーに関連するリソースの性能を分析します。次の2つの分析方法があります。
- C/Tデルタの悪化要因を段階的に分析する場合(ウィザードモード)
副ボリュームや副ジャーナルなど,C/Tデルタに関連するリソースごとに,C/Tデルタの悪化要因をウィザードに従って分析します。ウィザードにはC/Tデルタに関連するリソースを悪化要因と見なすためのポイント,悪化要因の候補および対処方法が表示されます。分析を通して,C/Tデルタの悪化要因の分析に必要な観点を把握できるようになります。- C/Tデルタの悪化要因を一度にまとめて分析する場合(アドバンスドモード)
C/TデルタとC/Tデルタに関連するリソースの性能情報が一画面に表示され,Universal Replicatorに関連するリソースを比較してC/Tデルタの悪化要因を分析します。表示するグラフの種類を選択することで,運用環境に応じた表示画面にカスタマイズできます。- C/Tデルタに関連する情報をエクスポートする
C/Tデルタのしきい値超過率のグラフや悪化要因の分析結果をPDFファイルにエクスポートして,過去のデータを保存しておくことができます。PDFファイルには,レポートの表紙や目次が表示されるため,Service Level Agreement(SLA)の報告資料として使用できます。また,コピーグループの性能情報を一定期間エクスポートして基準データとし,定期的に比較することでC/Tデルタが少しずつ悪化しているケースも見つけやすくなります。[レプリケーション]タブで分析できるコピーグループは,オープンボリュームで構成されたUniversal Replicatorのペアである必要があります。ただし,オープンボリュームで構成されたUniversal Replicatorのペアのうち,次のコピーグループは分析対象外です。
- 仮想コマンドデバイスを使用した構成で管理しているコピーグループ
- デバイスグループで定義されたコピーグループ
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