Hitachi Command Suite Software ユーザーズガイド
Hitachi NAS Platform上にファイルシステムを作成する際,ユーザーが入力したファイルシステムの容量と,実際に作成される容量とに差異が生じることがあります。差異の理由と対処について説明します。
Hitachi NAS Platformでは,ファイルシステムはチャンク単位で作成されるため,ファイルシステムの容量はチャンクサイズの倍数となります。ファイルシステム作成ダイアログでは,実際のファイルシステム容量の目安として,[ファイルシステム容量]に指定した値をチャンクの倍数に最も近い値で切り捨てた容量が[ガイドライン容量]に表示されます。例えば,[ファイルシステム容量]に「750GB」と指定し,チャンクサイズが8GBのストレージプールを選択した場合,[ガイドライン容量]には「744GB」と表示されます。
チャンクサイズやファイルシステムの容量を指定する際は,次の点を考慮してください。
- ストレージプールのチャンクサイズは1GB以上で作成しておくことをお勧めします。
- ファイルシステムは10GB以上の容量で作成することをお勧めします。ファイルシステムの容量に小さい値を指定した場合,作成されるファイルシステムの容量のうち,ファイルシステムを管理するためのメタデータ領域の割合が大きくなります。その結果,実際のファイルシステム容量が指定した値よりも大幅に増えることがあります。
- ファイルシステムの容量に対してチャンクサイズが大きい場合は,[ガイドライン容量]と実際のファイルシステム容量との間に差異が生じやすくなります。一方で,1つのファイルシステムが使用できるチャンク数には上限があるため,チャンクサイズが小さい場合,作成できるファイルシステムの容量の上限が小さくなります。
次のような場合,実際のファイルシステム容量と,[ガイドライン容量]に表示された値が一致しないことがあります。
- ストレージプールの空き容量が小さい場合
選択したストレージプールの空き容量が[ファイルシステム容量]に指定した値よりも少ない場合は,ファイルシステムはストレージプールの空き容量のサイズで作成されます。- チャンクサイズが指定した通りの値でない場合
チャンクは,指定したサイズで作成されないことがあります。そのようなチャンクを持つストレージプールを使用してファイルシステムを作成すると,ファイルシステムも指定したとおりの容量では作成されません。例えば,ストレージプール作成時にチャンクサイズを10GBに指定しても,作成時の容量によっては,10GBちょうどではなく9.8GBなどのチャンクが作成されることがあります。また,ストレージプールを拡張する際にも,拡張する容量によっては,作成時の9.8GBとも異なるサイズ(例えば10.3GBなど)のチャンクが作成されることがあります。そのため,ファイルシステム作成の際に使用されるチャンクによって,作成されるファイルシステムの容量は変動します。
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