JP1 Version 9 JP1/Cm2/Internet Gateway Server
SNMPプロキシ通信を使って,管理側NNMiから被管理側SNMPエージェントを管理する場合に必要な設定を説明します。なお,NNMを使用してJP1/Cm2/IGSをプロキシサーバとして経由するための設定については,「付録G.1 NNMを使用してSNMPプロキシ通信する場合の設定」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) 被管理側ネットワークの情報収集
- (2) NNMiの設定
- (3) 被管理側エージェントの設定
(1) 被管理側ネットワークの情報収集
被管理側ネットワークのエージェントについて情報を収集し,エージェント定義ファイルを作成します。作成したエージェント定義ファイルは,管理側JP1/Cm2/IGSまたはNNMiの設定で使用します。
- エージェントの情報収集をする。
次の情報を収集します。
- IPアドレス
- ホスト名
- get用コミュニティ名
- set用コミュニティ名
- 収集した情報から,エージェント定義ファイルを作成する。
収集したIPアドレスおよびホスト名から,hostsファイル形式のエージェント定義ファイルを作成します。エージェント定義ファイルは,次の形式で記述します。
エージェント定義ファイルの形式
なお,複数の被管理側ネットワークがある場合は,被管理側ネットワークごとにエージェント定義ファイルを作成します。
被管理側エージェントのIPアドレス,ホスト名 被管理側エージェントのIPアドレス,ホスト名 ・ ・
- NAT変換を適用する場合は,エージェント定義ファイルのIPアドレスをグローバルアドレスに置き換えるため,igsmkhostsコマンドを実行する。
igsmkhostsコマンドについては,「6 コマンド」の「igsmkhosts(hostsファイルのNAT変換)」を参照してください。
なお,グローバルアドレスとプライベートアドレスの対応表を作成するには,igstransaddrコマンドを使用します。詳細については「6. コマンド」の「igstransaddr(変換後のアドレスの表示)」を参照してください。
(2) NNMiの設定
管理側ネットワークのNNMiに必要な設定を説明します。
(a) hostsファイルの設定
管理側NNMiが動作するノードのhostsファイルなどに,被管理側ネットワークの監視対象エージェントのIPアドレスとホスト名を定義します。NAT変換を適用しない場合は,「(1) 被管理側ネットワークの情報収集」の手順2で作成したエージェント定義ファイルを利用します。NAT変換を適用している場合は,「(1) 被管理側ネットワークの情報収集」の手順3でigsmkhostsコマンドを実行したエージェント定義ファイルを利用します。
(b) SNMP以外のポーリングを抑止する設定
NNMiと監視対象のエージェントがJP1/Cm2/IGSを介してだけ通信できる場合は,NNMiの[設定]メニューから[モニタリングの設定]を選択し,SNMP以外のポーリングを実行しないように設定します。
(c) SNMPステータスポーリングの設定
SNMPステータスポーリングを使用して,被管理側ネットワークのエージェントの状態監視をする場合は,管理側NNMiに次のように設定します。
- NNMiのSNMPステータスポーリングの対象IPアドレスに,エージェントのIPアドレスを指定する。NAT変換を適用している場合には,エージェントのグローバルアドレスを指定する。
なお,SNMPステータスポーリングを使用して,被管理側ネットワークのノードの状態監視をするには,監視対象ノード上でSNMPエージェントが動作している必要があります。
(d) SNMP要求と応答の設定
NNMiが送信するSNMP要求を,管理側JP1/Cm2/IGSのSNMPプロキシに送信するように設定します。NNMiの通信の設定で,被管理側ネットワークのエージェントのプロキシ設定を定義します。設定する内容を次の表に示します。
表4-1 SNMP要求と応答の設定値
設定項目 設定値 ターゲットホスト名 被管理側ネットワークのエージェントのIPアドレス(NAT変換を適用している場合はグローバルアドレス) 読み取りコミュニティ文字列 被管理側ネットワークのエージェントのIPアドレス(NAT変換を適用している場合はグローバルアドレス) SNMPプロキシアドレス 管理側JP1/Cm2/IGSのIPアドレス SNMPプロキシポート 管理側IGSノードで,サービス名cm2proxysnmpで指定されたポート番号(設定を変更していない場合には20229) 設定方法には,次の二つの方法があります。
- igsmkcommコマンドとnnmcommload.ovplコマンドを使う方法
複数のエージェントの設定を,エージェント定義ファイルからまとめて定義します。
エージェント定義ファイルは,「(1) 被管理側ネットワークの情報収集」の手順2で作成したエージェント定義ファイルを利用します。NAT変換を適用している場合は,「(1) 被管理側ネットワークの情報収集」の手順3でigsmkcommコマンドを実行したエージェント定義ファイルを利用します。
igsmkcommコマンドの詳細については,「6 コマンド」の「igsmkcomm(NNMiのSNMP設定の定義作成)」を参照してください。nnmcommload.ovplコマンドの詳細については,NNMiのオンラインドキュメントを参照してください。
- igsmkcommコマンドにエージェント定義ファイルを入力して,実行する。
- NNMiのnnmcommload.ovplコマンドで手順1の結果を,SNMP設定データベースに反映する。
- NNMiの[通信の設定]を使う方法
NNMiのGUIで[設定]メニューから[通信の設定]を選択します。エージェントごとに設定します。詳細については,NNMiのオンラインドキュメントを参照してください。
(e) 監視対象ノードを追加する
監視対象のノードを追加します。
- 検出シードの入力定義ファイルの作成する。
igsmkseedsコマンドを実行して,「(1) 被管理側ネットワークの情報収集」の手順2で作成したエージェント定義ファイルから作成します。NAT変換を適用している場合は,「(1) 被管理側ネットワークの情報収集」の手順3で作成したエージェント定義ファイルから作成します。
- NNMiのnnmloadseeds.ovplコマンドを使用して,ノードを追加する。
NAT変換を適用している場合は,ノードをグローバルアドレスで追加してください。なお,手順1および手順2は,NNMiの[設定]メニューから[検出シードの設定]を選択して,ノードを追加することもできます。詳細については,NNMiのオンラインドキュメントを参照してください。
- 追加したノードに対して,NNMiの設定ポーリングを実行する。
ノードへの設定ポーリングは,JP1/Cm2/IGSのSNMPプロキシの環境を設定し,NNMiとエージェントとの間で,SNMP要求と応答の送受信ができるような状態にしてから実行してください。
(3) 被管理側エージェントの設定
エージェントからのSNMPトラップが,被管理側JP1/Cm2/IGSへ通知されるように設定します。エージェントのSNMPトラップ宛先に,被管理側のJP1/Cm2/IGSが動作するノードを指定してください。
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