JP1 Version 9 JP1/Cm2/Internet Gateway Server

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1.1.1 送信先のポートを一つに統合して,セキュリティを強化できます

JP1/Cm2/IGSを導入する前と,導入後のパケットの流れを説明します。

インターネットを経由し,マネージャ・エージェント間ネットワークを構築している場合のシステム構成です。ここで,マネージャAおよびエージェントAにはアプリケーションAがインストールされています。マネージャBおよびエージェントBにはアプリケーションBがインストールされています。また,アプリケーションがインストールされているマネージャやエージェントの各マシンをアプリケーションサーバと呼びます。

このとき,エージェントAからマネージャA,またエージェントBからマネージャBにパケットが送信されると,それぞれのアプリケーションサーバ間ではAPコネクションが確立されます。確立された二つのAPコネクションのうち,上側のAPコネクション上をエージェントAから送信されたパケットが,下側のAPコネクション上をエージェントBから送信されたパケットが流れます。このため,ファイアウォールに設定する必要のある受信ポートは二つになります。

図1-1 JP1/Cm2/IGS導入前のパケットの流れ

[図データ]

次にJP1/Cm2/IGSを導入したあとのシステム構成でのパケットの流れを示します。エージェントAおよびエージェントBから送信されたパケットは,アプリケーションサーバとJP1/Cm2/IGS間は,従来のAPコネクション上を流れます。JP1/Cm2/IGS間では新たなコネクション(IGSコネクション)が確立され,その上を流れます。つまり,一つのIGSコネクション上を,複数のエージェントから送信されたパケットが流れます。このため,ファイアウォールに設定する必要のある受信ポートは一つになります。なお,IGSコネクションはTCP/IPで接続されます。

なお,送信元のJP1/Cm2/IGSでは,アプリケーションサーバから受け取ったパケット中の宛先情報がJP1/Cm2/IGSのデータ化されます。これを「カプセル化」といいます。カプセル化されたデータは,IGSコネクション上を流れ,送信先JP1/Cm2/IGSでカプセル化が解除されて,アプリケーションサーバへ転送されます。

図1-2 JP1/Cm2/IGS導入後のパケットの流れ

[図データ]

IGSコネクションの確立を要求し,データをカプセル化する側を「発呼側」,カプセル化を解除する側を「着呼側」と言います。

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