JP1/NETM/DM Client(UNIX(R)用)

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4.4.2 グループidの定義(基本機能)

基本機能のグループidは,次の手順で定義します。

  1. 配布先システムをグループに分け,グループごとにグループidを決めます。
  2. グループid定義ファイルにグループidを定義します。
  3. グループid定義ファイルを中継システムに登録します。
<この項の構成>
(1) 配布先システムのグループ分け
(2) グループid定義ファイルの作成
(3) グループid定義ファイルの登録
(4) グループidの定義の変更

(1) 配布先システムのグループ分け

配布先システムを業務や機種ごとにグループに分け,各グループにグループidを決めます。1台のマシンに複数の異なるグループidを定義できます。また,複数の異なるグループに,同一のグループidを定義できます。

配布先システムのグループの種類には,次の二つがあります。

同一階層のグループ
同一階層の中継システムまたは配布先システムを任意に組み合わせたグループです。対象となるマシンが1台でも,グループを定義できます。

2階層のグループ
中継システムと,その中継システムに接続した中継システムまたは配布先システムとを任意に組み合わせた,2階層のグループです。

配布先システムのグループの種類を図4-4に示します。

図4-4 配布先システムのグループの種類

[図データ]

(2) グループid定義ファイルの作成

配布先システムからグループidを作成するには,グループid定義ファイルに自システムが属するグループidを定義し,任意の中継システムに登録します。配布管理システムから登録したグループidに定義するときには,このファイルは使えません。

(a) グループid定義ファイルのファイル名

配布先システムがグループid定義ファイルを上位の中継システムに登録するとき,登録先の中継システムがそのグループidに登録しなければ1階層,登録すれば2階層のグループとなります。

グループid定義ファイルは,表4-4に示すファイル名で作成してください。

表4-4 グループid定義ファイル作成時のファイル名

グループid定義の登録方法 種別 ファイル名
他中継システムに登録する場合 HP-UX以外 /NETMRDS/rdsprm/DMWIDUPM
HP-UX /etc/opt/NETMDMW/rdsprm/DMWIDUPM
自中継システムに登録する場合 HP-UX以外 /NETMRDS/rdsprm/DMWIDLCM
HP-UX /etc/opt/NETMDMW/rdsprm/DMWIDLCM

注※
配布管理システムに直結した中継システムでは,上位中継システムへの登録ができないため,常にこのファイルを使用することになります。

JP1/NETM/DM Clientの起動時に,表4-4に示すグループid定義ファイルが作成してあると,その内容に従ってグループidを登録します。このため,導入時にグループid定義ファイルを作成しておけば,再作成されるまで設定した内容が有効になります。グループidが正しく登録されるとグループid定義ファイル名の末尾に「.bak」が付き,登録に失敗すると「.err」が付きます。

(b) グループid定義ファイルの作成形式

グループid定義ファイルは,フルスクリーンエディタで作成します。グループid定義ファイルの記述形式を次に示します。

[LOCAL-ID]
*グループid1

*グループidn

[LOCAL-ID]
グループidの定義を開始することを指定します。1カラム目から記述して,[ ]で囲んで指定してください。[LOCAL-ID]のあとには空白またはタブを指定しないでください。

*グループid 〜<半角英数字>((1〜8文字))
1カラム目に「*」を記述し,「*」のすぐあとに自UNIXマシンが属するグループidを指定します。「*」とグループidの間には何も入力できません。グループidのあとには,空白またはタブを指定しないでください。
グループidは複数指定できます。

グループid定義ファイルは,次の規則に従って作成してください。

(c) グループid定義ファイルの作成例

グループid定義ファイルの作成例を次に示します。

同一階層のグループの作成例
同一階層のグループの場合の,各配布先システムでのグループid定義ファイル(/NETMRDS/rdsprm/DMWIDUPM)の作成例を図4-5に示します。

図4-5 グループid定義ファイルの作成例(同一階層のグループの場合)

[図データ]

2階層のグループの作成例
2階層のグループの場合の,中継システム(WS111)でのグループid定義ファイルの作成例を図4-6に示します。

図4-6 グループid定義ファイルの作成例(2階層のグループの場合)

[図データ]

(3) グループid定義ファイルの登録

グループid定義ファイルを中継システムに登録するには,次の二つの方法があります。

通信エラーなどでグループid定義ファイルが登録できない場合,グループid定義ファイルはそのまま保管されています。エラーの原因を取り除いて,再実行してください。

グループid定義ファイルの文法誤りによって登録できない場合は,ファイル名は末尾に「.err」が付いた名称に変更されています。グループid定義ファイルの定義を修正して,再実行してください。

登録した内容は次のコマンドで参照できます。

(4) グループidの定義の変更

(a) 配布先システムが登録したグループidの場合

グループidの定義を変更するには,グループid定義ファイルを再作成します。

中継システムに登録されたグループid定義ファイルは,末尾に「.bak」が付いたファイル名に変更されています。このファイルを基にグループidを追加または削除し,「(2) グループid定義ファイルの作成」と「(3) グループid定義ファイルの登録」に示す処理を再実行してください。

グループid定義ファイルが再登録されると,ファイル名の末尾に「.bak」が付き,既存のグループid定義ファイルは無効になります。そのため再作成の際は,追加するグループidだけでなく,定義するグループidをすべて記述してください。

なお,システムエラーなどで定義変更に失敗した場合も,グループid定義ファイルのファイル名は「.bak」が付いた名称に変わります。変更されなかったグループidの先頭には「#」が付きます。

自システムが属しているグループidの定義をすべて解除したい場合は,rdsiddefine -dlコマンドを実行してください。配布管理システムが登録したグループidの定義を削除すると,削除されたクライアントのホスト名が配布管理システムに自動的に報告されます。しかし,クライアントから登録したグループidの定義を変更しても,配布管理システムへは報告されません。

(b) 配布管理システムが登録したグループidの場合

配布管理システムが登録したグループidは,中継システムとクライアントWSで変更できます。グループidを変更するときは,rdsiddefine -sコマンドを使います。定義を追加する場合は,rdsiddefine -sコマンドに-dオプション(グループid名)と-kオプション(パスワード)を指定して実行します。

定義の追加が成功すると,次のファイルに自動的に反映されます。定義に失敗すると追加されません。

OSがHP-UX以外の場合
/NETMRDS/rdsprm/DMWIDUPM.bak
/NETMRDS/rdsprm/DMWIDLCM.bak

OSがHP-UXの場合
/etc/opt/NETMDMW/rdsprm/DMWIDUPM.bak
/etc/opt/NETMDMW/rdsprm/DMWIDLCM.bak

定義を削除する場合は,グループidを削除して,グループid定義ファイルを登録してください。

グループidを変更すると,その内容が配布管理システムへ報告されます。ただし,報告の内容は,配布管理システムがWindows版JP1/NETM/DM Managerのときにだけ有効です。

配布管理システムから上書きで登録要求されたグループidにクライアントが定義済みのときは,上書きしたあとで配布管理システムへJP1/NETM/DM Clientが自動的に報告します。

配布管理システムから登録したグループidの定義を変更するときに,パスワードが必要になることがあります。クライアントから登録したグループidの定義を変更したときは,変更の報告は実行されません。

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