JP1/NETM/DM Client(UNIX(R)用)

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4.4.1 グループidとは

グループ化した配布先システムにはグループidという名称(ID)を付け,論理的なグループとして扱います。

グループidは,配布管理システムおよび配布先システムのどちらからでも作成できます。また,配布管理システムが作成したグループidに対して,配布先システム側から自マシンを登録(所属させる操作)できるため,配布管理システムでグループの構成をメンテナンスする必要がありません。

配布管理システムで作成する配布指令のあて先にグループidを指定すると,そのグループidに属する配布先システムへパッケージが配布されます。なお,エンドWSでは,グループidを使ったグループ単位のパッケージ配布はできません。

なお,次のグループにはグループidを定義できません。

<この項の構成>
(1) グループidの作成
(2) グループidの管理
(3) グループidを指定した配布
(4) JP1/NETM/DMシステム全体で定義されているグループid(デフォルトid)

(1) グループidの作成

配布管理システムと配布先システムの,グループidの作成可否,配布先システムの登録可否を次に示します。

項目 配布管理システム 配布先システム
グループidの作成 できる。 できる。
グループidへの配布先システムの登録 できる。
ただし,配布先システムが作成したグループidには,配布先を登録できない。
できる。
配布管理システムが作成したグループidにも,配布先を登録できる。

グループidの作成・管理方法については,使用する機能に応じて次の個所を参照してください。また,Windowsのマシンでグループidを定義する方法については,Windows版のJP1/NETM/DMのマニュアルを参照してください。

グループidの文字数の上限を次に示します。

稼働システム グループidの文字数の上限
配布管理システム すべて半角文字で指定する場合,32文字まで。使用できる文字は次のとおりです。
  • 英語および日本語の全角文字
  • !,",%,',*,.,/,:,<,>,?,@,\,|を除く半角文字
中継システム 8文字まで。
配布先システム 8文字まで。ただし,ホスト名が32バイトを超える配布先システムでは,グループidを定義できません。

(2) グループidの管理

JP1/NETM/DM Clientでは,自システムが作成したグループidの情報をグループid定義ファイルで管理しています。また,JP1/NETM/DM Managerで作成したグループidの情報も,そのグループidを管理するJP1/NETM/DM Client(中継システム)上のグループid定義ファイルで管理します。

配布管理システムが作成したグループidは,配布先システムから情報を参照したり,配布先システムを登録(または登録解除)したりできます。また,これらの操作の結果は,自動的に配布管理システムへ通知されます。

これとは逆に,配布先システムが作成したグループidは,配布管理システムから参照・操作できません。配布先システムの登録や登録解除の情報も,配布管理システムへは通知されません。

(3) グループidを指定した配布

JP1/NETM/DM Managerからグループidあてにパッケージを配布すると,グループidを指定した配布指令が,そのグループidを管理している中継システムの指令保管庫に一時的に保管されます。その後,中継システムから配布先システムにパッケージが配布されます。グループidを指定した指令は,該当するパッケージが保管庫から削除されると無効になり,自動的に削除されます。

指令保管庫に指令が保管されている間は,指令実行後に,そのグループidに配布先システムを追加すると,追加された配布先システムにも中継システムから自動的にパッケージが配布されます。ただし,自動的に指令が実行されるのは,配布先システムの側からそのグループへの登録操作をした場合に限られます。

グループidを指定した配布指令に,JP1/NETM/DM Clientの配布管理機能で作成した指令とJP1/NETM/DM Managerで作成した指令が混在する場合,新しい配布先システムをグループidに追加すると,JP1/NETM/DM Managerで作成した指令に対するパッケージを先に配布します。

グループidを指定した配布を図4-3に示します。

図4-3 グループidを指定した配布

[図データ]

(4) JP1/NETM/DMシステム全体で定義されているグループid(デフォルトid)

UNIXで構成されたJP1/NETM/DMシステム全体で,デフォルトで定義されているグループidをデフォルトidといいます。これは,中継システムまたはその直下のすべてのクライアントをプラットフォームごとの名称でグループ分けしたものです。配布管理システムがデフォルトidを使って配布指令を作成すると,中継システムとその下のクライアントへパッケージを配布できます。

デフォルトidはすべて「networkID_」で始まるため,「networkID_」で始まる名称はグループidとして登録できません。

デフォルトidの意味を表4-3に示します。

表4-3 デフォルトid

デフォルトid 意味
networkID_WS-HPUX OSがHP-UXであるクライアントを定義するid
networkID_WS-SOLARIS OSがSolarisであるクライアントを定義するid
networkID_WS-AIX OSがAIXであるクライアントを定義するid
networkID_WS-OSF OSがTru64 UNIXであるクライアントを定義するid
networkID_WS-Linux OSがLinuxであるクライアントを定義するid
networkID_WS-EWS OSがUX/4800であるクライアントを定義するid
networkID_WS-MPRAS OSがMP-RASであるクライアントを定義するid
networkID_WS-NEWS OSがNEWS-OSであるクライアントを定義するid
networkID_WS-HIUXWE2 OSがHI-UX/WE2であるクライアントを定義するid

デフォルトidは,JP1/NETM/DM Clientがシステム構成を自動登録するときに中継システムで定義されます。

ネットワーク構成を変更したときは,不要になったデフォルトidを中継システムまたはクライアントで削除してください。ネットワーク構成を変更したのにデフォルトidを定義したままだと,存在しなくなったシステムへ配布指令が実行されてしまいます。JP1/NETM/DM Clientでデフォルトidを削除するには,ほかのグループidと同様,基本機能のrdsiddefineコマンド(-dlオプション指定)を使用します。

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