JP1/NETM/DM Client(UNIX(R)用)
インベントリ情報を取得するには,配布管理システムからインベントリ情報を取得するためのジョブを実行する必要があります。しかし,大規模システムでは,ジョブの実行によってネットワークに負荷が掛かり過ぎてしまうデメリットがあります。
このような配布管理システム主導のインベントリ情報の取得に代わって,配布先システムのインベントリ情報が変更されたなどのタイミングで配布管理システムへ通知できる機能があります。配布先システム主導のインベントリ情報の通知では,必要なタイミングで必要な配布先システムからだけ情報を取得できるため,ネットワークの負荷を軽減できます。
配布先システム主導のインベントリ情報の通知方法には,次の2種類があります。
- 更新されたインベントリ情報の自動通知
配布先システムのインベントリ情報が更新された場合,配布管理システムとの接続時に自動的に通知できます。
- システム構成の自動登録時の通知
JP1/NETM/DMシステムへ新しい配布先システムを追加した場合,システム構成の自動登録時に通知できます。
なお,インベントリ情報は,上位システムへ指令の有無を確認するタイミングで通知しています。インベントリ情報を自動的に通知するには,指令を定期的に確認するよう設定する必要があります。設定方法については,次に示す項の「(2) 説明」にある,WatchTimeofOrdersの説明を参照してください。
- 中継システムの場合
「第2編 6.4.2 中継システムの設定ファイルの文法」
- エンドWSの場合
「第2編 6.4.3 エンドWSの設定ファイルの文法」
- クライアントWSの場合
「第2編 6.4.4 クライアントWSの設定ファイルの文法」
- <この項の構成>
- (1) 更新されたインベントリ情報の自動通知
- (2) システム構成の自動登録時の通知
ソフトウェアの新規インストールやパッチの適用など,特定のインベントリ情報を更新した場合に,ジョブの実行やポーリングによって配布管理システムと接続するタイミングで,インベントリ情報を自動的に配布管理システムへ通知できます。
この機能は,配布管理システムがWindows版JP1/NETM/DM Manager 07-50以降の場合に使用できます。中継システムまたはWindows版中継マネージャを使用する場合は,07-00以降のバージョンを使用してください。
(a) 通知されるインベントリ情報
この機能では,OSバージョンやウィルス対策製品など,セキュリティ管理に利用できるインベントリ情報を監視します。
監視しているインベントリ情報が更新された場合,更新されたインベントリ情報を含むシステム情報やソフトウェア情報などが通知されます。
更新を監視するインベントリ情報と,通知されるインベントリ情報の対応を表4-1に示します。
表4-1 更新を監視するインベントリ情報と,通知されるインベントリ情報の対応
更新を監視するインベントリ情報 通知されるインベントリ情報 ホスト名
- システム情報
- 他社ソフトウェア情報
- JP1/NETM/DMシステムで配布したソフトウェア
- 日立プログラムプロダクト
- 適用済みパッチ
- ウィルス対策製品の情報※
MACアドレス IPアドレス OSバージョン システム情報 クライアントバージョン 日立プログラムプロダクト
- 他社ソフトウェア情報
- 日立プログラムプロダクト
- 適用済みパッチ
適用済みパッチ ウィルス対策製品の情報 ウィルス対策製品の情報※
- 注※
- 配布先システムのOSがLinuxの場合,取得できます。
また,次に示すタイミングでも,配布管理システムへインベントリ情報を通知します。更新を監視する事象と,通知されるインベントリ情報の対応を表4-2に示します。
表4-2 更新を監視する事象と,通知されるインベントリ情報の対応
更新を監視する事象 通知されるインベントリ情報 配布先システムを新規インストールしたとき
- システム情報
- 他社ソフトウェア情報
- JP1/NETM/DMシステムで配布したソフトウェア
- 日立プログラムプロダクト
- 適用済みパッチ
- ウィルス対策製品の情報※
接続先の上位システムを変更したとき 上位システムがホスト識別子を使用しない運用から使用する運用に変更したとき ソフトウェアを追加または削除したとき
- 他社ソフトウェア情報
- 日立プログラムプロダクト
- 適用済みパッチ
- 注※
- 配布先システムのOSがLinuxの場合,取得できます。
(b) 注意事項
インベントリ情報を自動的に通知する場合の注意事項を次に示します。
- インベントリ情報を自動的に通知する場合,配布先システムのインベントリ情報が更新されるたびに情報を通知するので,不定期にサーバやネットワーク環境に負荷が掛かることがあります。サーバやネットワーク環境に負荷を掛けないで運用する必要がある環境では,自動的にインベントリ情報を通知する設定を無効にして,手動でインベントリ情報を取得してください。
- インベントリ情報を自動的に通知する場合に,Version 6i以前のUNIX版JP1/NETM/DM SubManagerが中継するときは,UNIX版JP1/NETM/DM SubManagerに不要なファイルが蓄積され,ディスクを圧迫するおそれがあります。
- インベントリ情報が,配布先システムの設定と異なる配布管理システムに通知された場合,または複数の経路で通知された場合,配布管理システムおよび中継システムでインベントリ情報が正しく表示されなくなります。このような場合は,配布管理システム上でインベントリ情報を削除し,次に示すジョブを実行してください。
- 「システム情報の取得」ジョブ
- 「ソフトウェア情報の取得」ジョブ([オプション]パネルの「検索対象ソフトウェア」で,「アプリケーションの追加と削除のソフトウェアを検索」を指定する)
- 「ソフトウェア情報の取得」ジョブ([オプション]パネルの「検索対象ソフトウェア」で,「ウィルス対策製品を検索」を指定する)
- ソフトウェア情報の「インストール日時」は,ソフトウェア情報が取得された日時が通知されます。このため,配布管理システムで「ソフトウェア情報の取得」ジョブが実行されると,ソフトウェアのアップデートや再インストールに関係なく,配布管理システム上の次の情報が更新されます。
- 新バージョン
- 新世代番号
- 旧バージョン
- インストール日時
- 自システムあての指令が上位システムにあるかどうかを定期的に監視する設定を無効にしている場合,配布先システムを起動したときにインベントリ情報が通知されません。配布管理システムからジョブが実行されたときに通知されます。
- 上位システムのバージョンを変更した場合は,インベントリ情報を自動的に通知している配布先システムに対して,「ソフトウェア情報の取得」ジョブ([オプション]パネルの「検索対象ソフトウェア」で,「ウィルス対策製品を検索」を指定する)を実行してください。ジョブを実行しない場合,インベントリ情報が正しく通知されないおそれがあります。
- 配布先システムの接続先を,いったんほかの上位システムに切り替えてから元の接続先に戻した場合,ほかの上位システムに接続している間にアンインストールされたソフトウェア情報は,元の接続先に戻したときに通知されないことがあります。
ネットワークへのマシンの追加,配布先システムのインストール,配布先システムの接続先の変更によって,JP1/NETM/DMシステムへ新しい配布先システムが追加されたタイミングで,配布管理システムへインベントリ情報を自動的に通知できます。
(a) 通知されるタイミング
配布管理システムへインベントリ情報が通知されるタイミングを次に示します。
- 配布先システムを新規インストールしたとき
- 接続先の上位システムを変更したとき
- 上位システムがホスト識別子を使用しない運用から使用する運用に変更したとき
(b) 通知されるインベントリ情報
通知されるインベントリ情報を次に示します。
- システム情報
- 他社ソフトウェア情報
(c) 注意事項
システム構成の自動登録時に,インベントリ情報を自動的に通知する場合の注意事項を次に示します。
- 自システムあての指令が上位システムにあるかどうかを定期的に監視する設定を無効にしている場合,配布先システムを起動したときにインベントリ情報が通知されません。配布管理システムからジョブが実行されたときに通知されます。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2009, 2010, Hitachi, Ltd.