JP1/NETM/DM Client(UNIX(R)用)

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1.1.3 JP1/NETM/DMシステムの機能

JP1/NETM/DMシステム全体の機能概要と,その説明個所を表1-1に示します。

表1-1 JP1/NETM/DMシステムの機能

大分類 小分類 説明 参照先
ソフトウェアの配布 ソフトウェアの登録(パッケージング) 配布するソフトウェアを配布管理システムに登録する機能です。 2.2節
パッケージの管理 登録されたパッケージを配布管理システムで保管し,管理します。 2.3節
パッケージの配布 配布管理システムから,パッケージを配布先システムに配布する機能です。配布先システムでは,配布されたパッケージが自動的に組み込まれます。配布先システム側で組み込み作業が必要な場合もあります。 2.4節
ファイルの収集 収集するファイルの属性の登録 収集するファイルの属性を配布管理システムに登録する機能です。配布先システムから登録する方法と,配布管理システム自身から登録する方法とがあります。 3.2節
ファイルの収集指令の実行 配布先システムから,ファイルを配布管理システムに収集する機能です。 3.3節
収集したファイルの利用 配布管理システムで,収集したファイルを取り出して利用します。パッケージとして配布することもできます。 3.4節
配布管理システムによる配布先の管理 システム構成の管理 配布先システムの構成を配布管理システムに自動通知させることで,システム構成を管理できるようにします。配布管理システムと配布先システムの両方で設定が必要です。 4.2節
インベントリの管理 配布管理システムから,配布先システムのハードディスクの情報や,ソフトウェアのインストール状態に関する情報を収集する機能です。 4.3節
配布先のグループ化 パッケージの配布や収集を円滑に実行するために,配布先システムをグルーピングできます。 4.4節
上位配布管理システムへの情報の通知 パッケージ配布またはファイル収集の処理結果を自動的に配布管理システムに報告する機能です。
配布管理システムではパッケージ配布またはファイル収集の実行状況や,配布先システムでの資源状態を管理できます。また,配布先システムでは,自マシンに組み込まれているユーザ資源の状態を配布管理システムに送付できます。
4.5節
配布先システムの通信状態の管理 自システムと下位の配布先システム間の通信状態を監視する機能です。 4.6節
管理者から通知されたメッセージの表示 配布先システムのOSがLinuxの場合,管理者からのメッセージを,配布先システムの画面に表示する機能です。 4.7節
関連製品を使用した動作状態の管理 JP1製品と連携することで,JP1/NETM/DM Clientの動作状態を管理できる機能です。
JP1/NETM/DM Clientが通知したイベントに応じた処理をJP1/IM - Managerで自動的に実行したり,JP1/NETM/DM Client(配布先システム)で出力したメッセージをJP1/Cm2/Operations Assist Managerに通知したりできます。
4.8節
<この項の構成>
(1) ソフトウェアの配布
(2) ファイルの収集
(3) 配布管理システムによる配布先システムの管理

(1) ソフトウェアの配布

ネットワークを介してソフトウェアを一括して配布する機能で,JP1/NETM/DMシステムの中心となる機能です。

ソフトウェアの配布には,ソフトウェアの登録,管理,配布の3段階があります。ソフトウェアの配布機能の概要を次に示します。

図1-1 ソフトウェアの配布

[図データ]

  1. ソフトウェアの登録(パッケージング)
    配布するソフトウェアを資源登録システムから配布管理システムに登録します。このとき,配布の方法やソフトウェアの保管期限などのソフトウェアの属性情報も同時に設定します。正しい方法で登録されたソフトウェアだけが配布の対象となります。登録されて配布できる状態になったソフトウェアをパッケージと呼びます。また,ソフトウェアを配布管理システムに登録することをパッケージングと呼びます。
  2. パッケージの管理
    配布管理システムは,資源属性ファイルと呼ばれるファイルにソフトウェアの属性情報を,資源格納庫と呼ばれるファイルにソフトウェアの実体を,それぞれ保管して管理します。
  3. パッケージの配布
    配布管理システムからの指示で,パッケージを各配布先システムに配布します。中継システムを経由した配布では,中継システム上の保管庫と呼ばれるファイルにパッケージが一時的に格納され,パッケージのコピーが各配布管理システムに配布されます。

(2) ファイルの収集

配布先システム上のファイルを,配布管理システムに収集する機能です。収集したファイルは,配布管理システムの環境に取り出して利用したり,パッケージに変換して配布先システムに配布したりできます。ファイルの収集機能の概要を次に示します。

図1-2 ファイルの収集

[図データ]

  1. ファイルの収集条件(収集属性)を登録
    ファイルの名称や収集のタイミングなど,収集の条件(収集属性)を収集ファイルと呼ばれるファイルに作成し,配布管理システムの収集属性ファイルと呼ばれるファイルに登録します。
  2. ファイルの収集を指示(収集指令)
    配布管理システムは,登録された条件に従って,ファイルの収集を指示します。
  3. ファイル収集
    各システムから収集されたファイルは,配布管理システムの収集格納庫と呼ばれるファイルに格納されます。中継システムを経由した収集では,収集されたファイルが中継システム上の収集庫と呼ばれるファイル上に一時的に格納され,一括して配布管理システムへ転送されます。

(3) 配布管理システムによる配布先システムの管理

ソフトウェアの配布・収集など,JP1/NETM/DMシステム全体の運用を円滑にするための機能です。

JP1/NETM/DMでは,配布管理システムから配布先システムとなるマシンを適切に管理するために,さまざまな機能を提供しています。配布管理システムから配布先システムを管理するための機能の概要を図1-3に示します。

図1-3 配布管理システムによる配布先の管理

[図データ]

  1. システム構成の管理
    配布先システムでは,システム構成の情報を配布管理システムに自動的に通知します。配布管理システムでは,通知された情報をシステム構成ファイルに蓄積し,配布先システムのシステム構成を管理します。
  2. インベントリの管理
    配布管理システムでは,配布先システムのハードウェアの状況,インストールされているソフトウェアの種類などのインベントリを収集して管理します。インベントリは,パッケージ配布時に自動収集できます。また,配布管理システムから指令を実行して配布先システムのインベントリを収集できます。収集したインベントリは,ソフトウェアのライセンス管理や,マシンの使用状況の管理に利用できます。
    一部のインベントリ情報は,配布先システムで情報が更新されたタイミング,または新しい配布先システムが追加されたタイミングで,配布管理システムへ情報を通知させることができます。
  3. 配布先システムのグループ化
    配布管理システムでは,配布先グループを設定し,配布先システムをグルーピングして管理します。配布先システムからグループに登録する場合は,グループidを指定することで登録できます。配布先システムをグルーピングすると,グループ単位にソフトウェアを配布できます。
  4. 下位システムからの指令結果の通知
    配布管理システムから実行した配布指令または収集指令が,配布先システムで処理されたかどうかを自動的に通知します。配布先システムから通知される処理結果から,実行された指令を管理できます。
  5. コネクション状態の表示
    配布管理システムと配布先システムとのコネクションの状態や指令の実行状態をメッセージに出力します。パッケージの配布結果を示すメッセージの出力レベルも指定できます。コネクションの状態を表示することで,配布先システムの状態を管理できます。
    コネクション状態の表示は,JP1/NETM/DM Managerの機能です。
  6. 配布先の階層レベルの表示
    配布管理システムから対象の配布先システムまでに経由する経路数(階層レベル)を表示します。階層レベルを確認することで,障害が発生した配布先システムを特定できます。これによって,効率良く障害対策を実施できます。
    配布先の階層レベルの表示は,JP1/NETM/DM Managerの機能です。
  7. 中継システム−配布先システム間の通信状態の管理
    配布管理システムでは,中継システムと配布先システム間の通信状態を監視します。配布先システムから一定時間内に通信があるかどうかを定期的に監視し,通信がない場合は,接続を切断して接続できる配布先システム数の接続許可数を確保します。また,中継システムからのパッケージ配布時の,配布先システムの起動状態についても監視します。これによって,配布管理システムでは,起動に失敗した要因を特定できます。
    中継システムと配布先システムの間の通信状態の管理は,JP1/NETM/DM Managerの機能です。

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