JP1/NETM/DM 運用ガイド2 (Windows(R)用)
データベースにEmbedded RDBを使用している場合にメンテナンスとして必要となる作業について説明します。なお,データベースのバックアップおよびバックアップからの復元については,「5.3 システムのバックアップと復元」を参照してください。
データベースのメンテナンスには,データベースマネージャを使用します。データベースマネージャの起動手順については,マニュアル「構築ガイド」の「7.4 データベースマネージャの操作方法(Embedded RDBの場合)」を参照してください。
次に示す場合,データベースマネージャを使用してデータベースをアップグレードする必要があります。
データベースをアップグレードする手順については,マニュアル「構築ガイド」の「7.4.3 データベースをアップグレードする」を参照してください。
なお,リレーショナルデータベースをアップグレードする前に,リレーショナルデータベースのバックアップを取得しておくことをお勧めします。取得するバックアップについては,「5.3 システムのバックアップと復元」を参照してください。
Embedded RDBでは,レコードが削除された領域は再利用できない領域になります。データベース領域に再利用できない領域が増えると,データベース領域の使用率を圧迫することがあります。
このため,データベース領域の使用率が80%以上になった場合は,データベースを再編成して領域を再利用できるようにする必要があります。
データベースを再編成するには,データベースマネージャを使用する方法と,コマンドを使用する方法があります。それぞれの手順については,マニュアル「構築ガイド」の「7.4.6 データベースを再編成する」を参照してください。
なお,データベースを再編成してもデータベースの容量不足を示すメッセージが表示される場合は,データベースの容量を拡張する必要があります。「データベースをアップグレードする」から,データベース領域ファイルのサイズを大きくしてください。
データベース領域の使用率が80%以上かどうかは,イベントログに次のIDのメッセージが表示されるかどうかで判断できます。
メッセージの詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 メッセージ」を参照してください。メッセージに出力されるRDエリアの名称,データベースを再編成する範囲,および拡張するデータベース領域ファイルの対応を次の表に示します。
表5-1 メッセージ,再編成する範囲および拡張するデータベース領域ファイルの対応
メッセージのRDエリア名称※1 | 再編成する範囲※2 | 拡張するデータベース領域ファイル※3 |
---|---|---|
NETMDM_NETM_TABLES | 全体 | 常駐表ファイル |
NETMDM_NETM_INDEXES | 全体 | 索引ファイル |
NETMDM_COLLECT_SERVPATH NETMDM_EXECUTION_SITE_SYSINF NETMDM_EXECUTION_SYSINF NETMDM_JOBGEN_COLLECT_DIR NETMDM_JOBGEN_COLLECT_SCRPTF NETMDM_JOBGEN_COLLECT_SYSINF NETMDM_JOBGEN_PACK_ATTRINF NETMDM_JOBGEN_PACK_SCRPTF NETMDM_JOBGEN_SOFT_CONDF NETMDM_JOBSCRIPT_SCRPTF NETMDM_SYSTEMJOB_REQUESTFILE NETMDM_SYSTEMJOB_RESULTFILE NETMDM_MNGLIST_LIST NETMDM_SCHEDULE_SYSINF NETMDM_JOBGEN_MESSAGE |
ジョブ | ジョブ関連バイナリオブジェクトファイル |
NETMDM_CABINET_SYSINF NETMDM_PACKAGE_INF_SYSINF NETMDM_PACKAGE_PACKAGE NETMDM_PACKAGE_SCRPTF NETMDM_INSPACKAGE_SYSINF NETMDM_USERINVLIST_ITEMVALS NETMDM_USERINVLIST_SYSINF |
パッケージ,インベントリ | 資産情報関連バイナリオブジェクトファイル |
NETMDM_NETM_MONITORING | 稼働監視履歴 | ソフトウェア稼働監視履歴ファイル |
NETMDM_OSPATCH_FILE NETMDM_OSPATCH_SCRIPT |
更新プログラム | 更新プログラム管理ファイル |
NETMDM_NETM_TEMP_TABLES NETMDM_NETM_TEMP_INDEXES NETMDM_T6_DIRn※4 NETMDM_T6_SCRPTFn※4 NETMDM_T7_CONDFn※4 NETMDM_T11_ATTRINFn※4 NETMDM_T11_SCRPTFn※4 NETMDM_T12_UINVINFn※4 NETMDM_T14_ITEMVALSn※4 NETMDM_T15_ITEMVALSn※4 NETMDM_T30_MESSAGEn※4 |
全体 | 一時表ファイル |
また,再編成を実施したあとでデータベースの使用状況を確認するには,使用できるRDエリアのサイズ,使用中のRDエリアのサイズ,および空のRDエリアのサイズを算出します。各RDエリアのサイズを算出する手順を次に示します。手順を実施する場合,コマンドを実行するユーザにAdministrator権限が必要です。
Total Segment : 2624 Segment Size : 20 Pages Unused Segment: 2563 Page Size : 4096 Bytes |
データベース全体の使用状況を確認するには,表5-1に記載しているRDエリア名称の数だけ,手順4.と手順5.を繰り返してください。
なお,リレーショナルデータベースの再編成する前に,リレーショナルデータベースのバックアップを取得しておくことをお勧めします。取得するバックアップについては,「5.3 システムのバックアップと復元」を参照してください。
データベース領域ファイルの容量を確認し,データベース領域ファイルの容量不足によるデータベースの再編成失敗を防ぐことができます。
各データベース領域ファイルの容量を算出する手順を次に示します。
データベースの詳細設定ダイアログはマニュアル「構築ガイド」の「7.4.1 データベースを新規作成する」図7-8[データベースの詳細設定]ダイアログボックスを参照ください。
ユーザに割り当てられたデータベース領域ファイルの総容量のサイズ,ユーザに割り当てられたデータベース領域ファイルの未使用のサイズなどが表示されます。
表示例を次に示します。
user area capacity 246756[kB] remain user area capacity 1508[kB] |
上記例では,データベース領域ファイルの総容量246756KBに対して,1508KBが未使用領域であることを示します。
データベースの再編成時に必要なデータベース領域ファイルの未使用サイズの目安をデータベース領域ファイルごとに以下に示します。
注※ ユーザー指定検索リストを作成していない場合は,標準検索リストのサイズである12000となります。ユーザー指定検索リストを作成している場合は,標準検索リストに登録されたファイル数とサイズを参考におおよそのサイズを算出してください。
データベースのパスワードは,データベースマネージャを使用して定期的に変更してください。
データベースのパスワードの変更手順については,マニュアル「構築ガイド」の「7.4.7 データベースのパスワードを変更する」を参照してください。
ファイルを使ってシステム構成情報を更新した場合など,削除したホストのインベントリ情報が削除されないで,そのままデータベースに残ることがあります。このようなインベントリ情報は,JP1/NETM/DMで使用されることはなく,その分だけデータベースの空き領域が少なくなります。
これらの不要なインベントリ情報は,データベースマネージャから一括して削除できます。不要なインベントリ情報の削除手順については,マニュアル「構築ガイド」の「7.4.8 データベース上の不要なインベントリ情報を削除する」を参照してください。
不要なインベントリ情報は次のような場合に発生します。
大量のホストを削除した場合には,不要なインベントリ情報が多数残っているおそれがあります。このような場合には,不要なインベントリ情報を削除することをお勧めします。
なお,データベースマネージャを使って削除できるインベントリ情報は,システム構成上に存在しないホストについての,次の表に示すインベントリ情報です。
表5-2 削除対象となるインベントリ情報
分類 | インベントリ項目 |
---|---|
システム情報 | システム情報 |
レジストリ情報 | |
ソフトウェア情報 | インストールパッケージ情報 |
ソフトウェアインベントリ情報 | |
ウィルス対策製品情報 | |
Microsoft Office製品情報 | |
ユーザインベントリ情報 | ユーザインベントリ情報 |
All Rights Reserved. Copyright (C) 2009, 2013, Hitachi, Ltd.
Copyright, patent, trademark, and other intellectual property rights related to the "TMEng.dll" file are owned exclusively by Trend Micro Incorporated.