JP1/NETM/DM 運用ガイド1 (Windows(R)用)

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11.2.2 システム起動時インストールのための準備

ここでは,ソフトウェアのインストールタイミングを「システム起動時インストール」に設定した場合に,クライアント側で必要な準備作業について説明します。

<この項の構成>
(1) ポーリングの設定
(2) スタートアッププログラムの移行

(1) ポーリングの設定

配布管理システムからジョブが実行されると,クライアントはその指示によって要求された処理を実行します。しかし,通信障害や,クライアントのPCが起動していなかったなどの要因で,上位システムからの指示が届かない場合があります。このようなとき,クライアントは,上位システムと接続し,自システムあてのジョブが届いていないかどうか確認します。これをポーリングと呼びます。

ポーリングの有無や間隔は,セットアップ時に[クライアント常駐・ポーリング]パネルで設定します。

図11-4 [クライアント常駐・ポーリング]パネル

[図データ]

「システム起動時インストール」のジョブを受ける場合は,「ポーリングする」のチェックボックスをオンにし,さらに,「システム起動時からのポーリング」のチェックボックスもオンにしてください。

なお,このとき「起動時ポーリングのタイミング」を「システム起動前」とするか「システム起動後」とするかによって,ジョブ実行時にクライアントが起動していなかった場合のインストールタイミングが次のように異なります。

システム起動前
クライアントのシステムを起動したとき,先にポーリングしてから,ダウンロード済みのパッケージのインストール処理をします。システム起動時のポーリングでパッケージをダウンロードすると,その直後にインストールするため,1回のシステム起動でインストールが完了します。
システム起動後
クライアントのシステムを起動したとき,ダウンロード済みのパッケージのインストール処理をしたあとに,ポーリングします。インストール処理終了後にポーリングしてパッケージをダウンロードするため,「システム起動時インストール」の処理は,2回目のシステム起動時まで待つことになります。

例えば,インストール日時が「03/05/21 05:00」のジョブを,03年5月21日 01:00に実行した場合の,ポーリングの設定別のインストールタイミングを,次の図に示します。

図11-5 ポーリングの設定によるインストールタイミングの違い

[図データ]

「システム起動前」を指定すると,1回のシステム起動でインストールが完了するメリットがあります。しかし,[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダにプログラムを登録している場合,これらのプログラムは,ポーリングによってダウンロードされたパッケージのインストール後に起動されるため,起動が数十秒遅くなります。[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダに登録したプログラムの起動を早くしたい場合は,「システム起動後」を指定してください。その場合,これらのプログラムはポーリングを待たないで起動します。[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダへのプログラムの登録については,「(2) スタートアッププログラムの移行」を参照してください。

(2) スタートアッププログラムの移行

[スタート]メニューの[スタートアップ]グループに登録しているプログラムは,Windowsの起動と同時に自動的に起動されます。しかし,システム起動時インストールのジョブが実行されるタイミングもこれとほぼ同じなので,スタートアッププログラムの起動中に,そのプログラムをリモートインストールしようとすると,インストールが失敗します。[スタートアップ]グループに登録されたプログラムがある場合,このようなことを避けるには,各クライアントで[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダを作成し,スタートアッププログラムをこのフォルダへ移動させてください。[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダに登録されたプログラムは,システム起動時インストールの処理が終了してから起動するようにクライアントが管理します。そのため,プログラムの自動起動のタイミングとリモートインストールのタイミングが重ならなくなります。

[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダは,デフォルトでは作成されていません。次のどちらかの操作をすると作成できます。

[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダへのスタートアッププログラムの移動は,自動移行する方法と手動で移行する方法があります。それぞれについて次に説明します。

(a) 自動移行

セットアップ時の指定で,[スタートアップ]グループ中のプログラムのショートカットを自動的に[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダへ移動できます。[スタートアップ関連]パネルで,「スタートアッププログラムを移行する」のチェックボックスをオンにしてください。

さらに,プログラムごとに[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダへ移動するかどうかを選択できます。「スタートアッププログラムを移行する」チェックボックスをオンにし,[一覧を表示する]ボタンをクリックしてください。

移動したいプログラムは,「移行するショートカット」リストボックスのプログラムの一覧で,先頭のチェックボックスをオンにしてください。チェックボックスをオフにした場合,そのプログラムは[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダへ移動されません。

図11-6 [スタートアップ関連]パネル

[図データ]

なお,スタートアップアイコン移行のカスタマイズによって移行対象外としたプログラムは,[スタートアップ]グループに残すことによって起動時インストールが失敗することがありますのでご注意ください。

プログラムのショートカットが自動移行されるタイミングを次に示します。

次のプログラムのショートカットは自動移行されません。

(b) 手動での移行

セットアップの[スタートアップ関連]パネルで,「NETM_DM_Pスタートアップフォルダを作成する」だけをオンにし,「スタートアッププログラムを移行する」のチェックボックスをオフにした場合,スタートアッププログラムは自動移行されません。この場合,[スタートアップ]グループ中に登録されているプログラムのショートカットを,[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダに手動で移行できます。スタートアッププログラムを新規に登録する場合も,[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダに登録するようにしてください。

(c) Windows NTを使用する場合の注意事項
(d) 移行対象外ショートカットの選択基準

Windowsの[スタートアップ]グループ内のショートカットを移行対象外として選択すると,そのショートカットを使用するプログラムの起動時インストールが失敗するおそれがあります。したがって,基本的にはすべてのショートカットを移行対象にしてください。ただし,[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダにショートカットが移動されることによってバージョンアップインストールやアンインストールに支障があるプログラムがあります。例えば,Microsoft Officeショートカットバーは,[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダにショートカットが移動されているとアンインストールが失敗します。このようなプログラムの場合,ショートカットを[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダへ移動しないでください。

なお,移行対象外と選択したショートカットを使用するプログラムのバージョンアップインストールなどは,そのプログラムを停止し,システムの稼働中にインストールを実行するようにしてください。