JP1/NETM/DM 運用ガイド1 (Windows(R)用)

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8.2.4 [あて先]パネルの設定

[あて先]パネルでは,ジョブの実行対象となるホストやグループを設定します。

図8-8 [あて先]パネル

[図データ]

まず,あて先の属性を選択してから,[追加]ボタンをクリックしてあて先を追加してください。「あて先」欄に,ジョブの実行対象として設定したホスト,グループ,ID,Active Directoryで管理している組織単位(OU),グループ,またはコンピュータが表示されます。一度設定したあて先を削除したり,あて先の経路を変更したりすることもできます。なお,JP1/NETM/DM Client(中継システム)の配布管理システムからは,一つ下の階層までしかジョブを実行できません。

あて先の属性,あて先の追加方法,および経路の変更方法について次に示します。

<この項の構成>
(1) あて先の属性
(2) あて先の追加方法
(3) 経路の変更方法
(4) あて先を設定するときの注意事項

(1) あて先の属性

[あて先]パネルであて先を設定する場合,まずあて先の属性を選択します。あて先の属性には,次の4種類があります。

(a) あて先グループ

ジョブのあて先として,あて先グループ,特定のホスト(中継マネージャ,中継システム,クライアント)またはディレクトリ情報を指定したい場合に選択します。IDが設定されているジョブのあて先の属性を「あて先グループ」に変更すると,IDを管理している中継マネージャおよび中継システム,またはIDに登録されているクライアントをあて先としたジョブが登録されます。なお,あて先にオフラインマシンまたはオフラインフォルダを指定しても,指定したオフラインマシンまたはオフラインフォルダに対しては,ジョブが作成されません。

あて先グループまたはホストを指定した場合,ジョブの種類によってジョブが実行されるホストが異なります。次に,指定するあて先とジョブ種別の関係を示します。

表8-2 指定するあて先とジョブ種別の関係

項番 ジョブ種別 指定するあて先
クライアント 中継システム 中継マネージャ あて先グループ
1 パッケージのインストール
2 中継システムまでのパッケージ転送 ×
3 中継システムのパッケージ一括削除 ×
4 リモートコレクト
5 中継までのリモートコレクト
6 中継サーバからのコレクトファイル収集 ×
7 中継サーバのコレクトファイル削除 ×
8 クライアントユーザによるインストール
9 システム情報の取得
10 ソフトウェア情報の取得
11 ユーザインベントリ情報の取得
12 レジストリ取得項目の転送
13 ユーザインベントリ情報の転送
14 システム構成情報の取得 × 1 ×
15 中継サーバからの結果通知保留 ×
16 中継サーバの結果通知の保留解除 ×
17 ファイル転送の中断 × 2 3 2
18 ファイル転送の再開 × 2 3 2
19 メッセージの通知 ※4 ※4 ※4 ※4
20 ソフトウェア稼働監視の制御 ※4 ※4 ※4 ※4
21 ソフトウェア稼働情報の取得 ※4 ※4 ※4 ※4

(凡例)

○:指定したホストでジョブが実行されます。
×:指定したホストではジョブが実行されません。
△:指定したあて先グループに属する中継システムでジョブが実行されます。
また,指定したあて先グループの下位のあて先グループに属する中継システムでもジョブが実行されます。
◎:指定したあて先グループに属するすべてのホストでジョブが実行されます。
また,指定したあて先グループの下位のあて先グループに属するすべてのホストでもジョブが実行されます。
注※1
バージョンが05-21以降の中継システムの場合だけ実行されます。
注※2
Windows版の中継システムで,バージョンが06-72以降の場合だけ実行されます。
注※3
中継マネージャがWindows版JP1/NETM/DM Managerで,バージョンが07-00以降の場合だけ実行されます。
注※4
あて先がWindows版JP1/NETM/DMで,バージョンが07-50以降の場合だけ実行されます。

(b) ID

ジョブのあて先としてIDを指定する場合に選択します。あて先にIDを指定すると,IDに属しているクライアントに対してジョブが実行されます。

新規に追加されるクライアントに対してジョブを実行したい場合は,あて先にIDを指定すると便利です。ID管理中継にジョブが保管されていれば,クライアントがIDに登録されると,そのクライアントに対して自動的にジョブが実行されます。

あて先の属性に「ID」を指定できるジョブ種別を次に示します。

なお,経路を含むID管理中継を指定する場合,あて先として複数のIDを指定しないでください。

(c) 全あて先

中継マネージャの配下にあるすべてのホストに対してジョブを実行したい場合に選択します。

あて先の属性に「全あて先」を選択した場合は,あて先として中継マネージャ(または中継マネージャだけをグループ化したあて先グループ)だけが指定できます。全あて先を指定したジョブは,中継マネージャの配下にあるすべてのホストに対して実行されます。

あて先の属性に「全あて先」を指定できるジョブ種別を次に示します。

(d) ディレクトリ情報

ジョブのあて先としてActive Directoryの組織単位(OU)またはコンピュータを指定したい場合に選択します。あて先に「ディレクトリ情報」を指定すると,Active Directoryの組織単位(OU),グループ,またはコンピュータが選択できます。

あて先の属性に「ディレクトリ情報」を指定できるジョブ種別を次に示します。

上記以外のジョブ種別を選択した場合,あて先が指定されていない状態でジョブ実行ダイアログが起動されます。

(2) あて先の追加方法

[あて先]パネル上であて先を追加する方法を次に示します。

  1. [あて先]パネルで,追加するあて先の属性を選択し,[追加]ボタンをクリックする。
    [あて先の追加]ダイアログボックスが表示されます。[あて先の追加]ダイアログボックスは,見やすいサイズに変更できます。サイズを変更した場合,次回から変更したサイズで表示されます。

    図8-9 [あて先の追加]ダイアログボックス

    [図データ]

    「追加元」,「グループ/中継名」を選択すると表示される「あて先/クライアント」の一覧から,「あて先」に追加するホストを選択します。
    追加元
    [システム構成],[あて先]または[ディレクトリ情報]ウィンドウのうち,どのウィンドウの情報を利用してあて先を追加するかを選択します。
    グループ/中継名
    「追加元」で「システム構成」を選択した場合は,中継マネージャおよび中継システムが階層構造で表示されます。「あて先」を選択した場合は,あて先グループまたはIDが表示されます。「ディレクトリ情報」を選択した場合は,Active Directoryの組織単位(OU)とグループが階層構造で表示されます。
    あて先/クライアント
    「追加元」で「システム構成」または「あて先」を選択した場合は,「グループ/中継名」で選択した中継マネージャ,中継システム,またはあて先グループに含まれるホストの一覧が表示されます。ネットワークの直下のクライアントは,「グループ/中継名」で「ネットワーク」をクリックすると表示されます。
    「追加元」で「ディレクトリ情報」を選択した場合は,「グループ/中継名」で選択したActive Directoryの組織単位(OU)に含まれるコンピュータ,またはグループに所属するメンバ(グループとコンピュータ)一覧が表示されます。
    あて先入力
    [システム構成]ウィンドウにないホストを追加する場合に,ホストまでの経路を設定します。経路は,「ホスト名1!ホスト名2!ホスト名3・・・」のようにホストを「!」で区切って設定します。
    あて先には,ホスト識別子を使用する場合はホスト識別子で入力して下さい。ホスト識別子を使用しない場合は,ノード識別キーで入力して下さい。
    ホスト名の指定方法は,マニュアル「構築ガイド」の「8.1.2 JP1/NETM/DMでのホスト名の付け方」を参照してください。
    あて先として中継システムを指定するジョブで,あて先の経路を指定する場合は,次に示すとおり経路とあて先の両方に中継システムの名称を指定してください。
    (例)
    中継システム(dmp500)−中継システム(dmp300)という構成で,dmp300をあて先として指定する場合
    dmp500!dmp300!dmp300
     
    IDを入力する場合は,IDの先頭に「%」を付けます。あて先グループは指定できません。なお,中継システムで管理しているIDを指定する場合は,IDの数は一つだけにしてください。
    (例)
    中継システム(dmp500)−中継システム(dmp300)という構成で,dmp300で管理しているID(ID01)を設定する場合
    dmp500!dmp300!%ID01
    JP1/NETM/DMが管理しているID(IDSERVER)を設定する場合
    %IDSERVER
  2. 左側の欄で,あて先として追加するホスト,あて先グループ,ID,またはディレクトリ情報を選択し,[>]ボタンをクリックする。
    選択した項目が,右側の「あて先」欄に追加されます。このとき[>>]ボタンをクリックすると,「あて先/クライアント」欄に表示されているすべてのホストまたはコンピュータが「あて先」欄に追加されます。
    設定した項目を「あて先」欄から削除したい場合は[<]ボタンをクリックします。
    「追加元」で「ディレクトリ情報」を選択した場合は,「グループ/中継名」で選択したActive Directoryの組織単位(OU)を[>>]ボタンであて先に追加できます。
  3. [OK]ボタンをクリックする。
    [あて先の追加]ダイアログボックスが閉じ,設定したあて先が[あて先]パネルの「あて先」欄に表示されます。

(3) 経路の変更方法

[あて先]パネルで[経路変更]ボタンをクリックすると,ジョブの実行経路を変更できます。障害が発生した中継システムを避け,別の中継システムを経由してジョブを実行するなどの運用ができます。

経路を変更する場合,次の点に注意してください。

経路を変更する方法を次に示します。

  1. [あて先]パネルで経路を変更するあて先を選択し,[経路変更]ボタンをクリックする。
    [ジョブあて先経路変更]ダイアログボックスが表示されます。[あて先]パネルで選択したあて先,およびすべての中継システムが[システム構成]ウィンドウで定義した経路で表示されます。

    図8-10 [ジョブあて先経路変更]ダイアログボックス

    [図データ]

  2. 経路を変更する中継システムを選択して,[変更],[移動]または[追加]ボタンをクリックする。
    [変更]ボタン
    [変更中継の候補一覧]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで指定した中継システム下に,[ジョブあて先経路変更]ダイアログボックスで指定した中継システムの配下のクライアントが移動されます。
    [追加]ボタン
    [追加中継の候補一覧]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで指定した中継システムおよび配下のクライアントが,[ジョブあて先経路変更]ダイアログボックスで指定した中継システム下に移動されます。
    [移動]ボタン
    [移動先中継の候補一覧]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで指定した中継システム下に,[ジョブあて先経路変更]ダイアログボックスで指定した中継システムおよびクライアントが移動されます。
    [リセット]ボタン
    [ジョブあて先経路変更]ダイアログボックスの中継システムおよび配下のクライアントが,並びを変更する前の状態に戻します。
    経路変更ウィンドウ内のクライアントや中継システムは,マウスのドラッグ&ドロップ操作で移動することもできます。また,アイコンの名称部分をクリックし,直接名称を入力して変更することもできます。
  3. [OK]ボタンをクリックする。
    [ジョブあて先経路変更]ダイアログボックスが閉じ,変更した経路が[あて先]パネルに表示されます。

(4) あて先を設定するときの注意事項

あて先を設定するときの注意事項を次に示します。

(a) あて先の長さの制限

あて先の長さが256文字以上のジョブは,[ジョブ実行状況]ウィンドウにジョブの実行状況が表示されません。あて先は,255文字以下の長さで指定してください。

(b) あて先属性の変更について
(c) 存在しないあて先を指定したジョブの扱い

存在しないあて先を設定したジョブは作成しないでください。このようなジョブを実行すると,リモートインストールマネージャの動作が遅くなるなどの影響を与えることがあります。

設定したあて先に存在しないあて先が含まれているときは,存在するあて先だけを対象にしてジョブが実行されます。なお,存在しないあて先に対するジョブの実行後の状態は,セットアップ時の設定(JP1/NETM/DM ManagerまたはJP1/NETM/DM Client(中継システム)の[運用キー]パネル)によって異なります。「アドレス解決できないあて先へのジョブ」の項目の設定が「エラーとする」の場合は「エラー」,「エラーとしない」の場合は「実行待ち」となります。

(d) UNIXの中継システムに対するジョブの実行

UNIXの中継システムに対して「パッケージのインストール」および「システム情報の取得」ジョブを実行する場合は,システム構成で,UNIXの中継システム下に同一ホスト名のクライアントを定義しておく必要があります。あて先には,このクライアントを指定してください。

(e) 中継マネージャの名称を指定する場合

中継マネージャの名称を直接入力する,または中継マネージャを経由するあて先の経路を指定するときは,ノード識別キーに関係なく,中継マネージャの名称を必ずホスト名で指定してください。

(f) ホスト識別子を使用している場合

セットアップの[運用キー]パネルで,キー項目を「ホスト名」にしている場合はアドレス解決の方法を「Windowsネットワークを使用する」に設定をしてください。

アドレス解決の方法を「JP1/NETM/DMのシステム構成を使用する」に設定している場合,ジョブ実行時に,以下の方法であて先を指定すると,あて先に対するジョブ実行要求の送信ができません。しかし,「アドレス解決できないあて先へのジョブ」を「エラーとしない」設定にしている場合,あて先からのポーリングによって,ジョブは実行されます。