JP1/NETM/DM 導入・設計ガイド(Windows(R)用)

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2.5.8 操作履歴および抑止履歴の取得

クライアントで操作したソフトウェアなどの操作履歴,および抑止履歴を取得します。

操作履歴および抑止履歴を取得したい場合は,取得するイベントを稼働監視ポリシーに設定する必要があります。操作履歴および抑止履歴として取得できるイベントの種類を次の表に示します。

表2-26 操作履歴および抑止履歴を取得できるイベントの種類

イベント 操作対象 説明
プロセスの起動 ソフトウェア プログラムの起動時のイベント
プロセスの停止 プログラムの停止時のイベント
キャプションの変更※1※2※3 ウィンドウタイトルの変更時のイベント
アクティブウィンドウの変更※1※3 アクティブウィンドウの切り替え時のイベント
マシンの起動/停止 PCの起動または停止時のイベント
ログオン/ログオフ※4 ログオンまたはログオフ時のイベント
Webアクセス※3 Microsoft Internet ExplorerでのWebページのダウンロード終了時のイベント
ソフトウェアの起動抑止 ソフトウェアの起動抑止時のイベント
印刷操作※3※5 ソフトウェアからの印刷実行時のイベント
印刷抑止※3 ソフトウェアからの印刷抑止時のイベント
外部メディア操作 外部メディア 外部メディアの接続および切断時のイベント(バージョンが08-50から09-10までクライアントから取得できる)
デバイス操作 各種デバイスの接続および切断時のイベント(バージョンが09-12以降のクライアントから取得できる)
USB接続メディアの接続許可 USB接続メディアの接続許可時のイベント(バージョンが08-50から09-10までクライアントから取得できる)
USB接続メディアの接続抑止 USB接続メディアの接続抑止時のイベント(バージョンが08-50から09-10までクライアントから取得できる)
デバイスの接続許可 各種デバイスの接続許可時のイベント(バージョンが09-12以降のクライアントから取得できる)
デバイスの接続抑止 各種デバイスの接続抑止時のイベント(バージョンが09-12以降のクライアントから取得できる)
ファイル操作※3 ファイル Windowsのエクスプローラ上でのファイル操作のイベント
注※1
クライアントのOSがWindows 8,Windows Server 2012,Windows 7,Windows Server 2008またはWindows Vistaの場合,ユーザ権限が昇格されたプロセスのキャプションおよびアクティブウィンドウの変更イベントを取得できません。
注※2
JavaやVisual Basicで作成されたソフトウェアは,キャプションの変更イベントを取得できない場合があります。
注※3
ログオン時のタイミングによって,ログオンユーザ名が「SYSTEM」になる場合があります。
注※4
クライアントのOSがWindows 8,Windows Server 2012,Windows 7,Windows Server 2008またはWindows Vistaの場合,ログオフの操作履歴を取得するためには,「Terminal Services」サービスを停止しないでください。
注※5
仮想プリンタの場合,印刷抑止ログが出力されていても,印刷を抑止できていないことがあります。

次から,取得する情報の詳細について説明します。

<この項の構成>
(1) ソフトウェアの操作履歴および抑止履歴として取得する情報
(2) Webアクセスの履歴として取得する情報
(3) 印刷操作および印刷抑止の履歴として取得する情報
(4) 外部メディア操作の履歴として取得する情報
(5) USB接続メディアの接続許可履歴および接続抑止履歴として取得される情報
(6) デバイスの接続,切断,接続許可,および接続抑止の履歴として取得する情報
(7) ファイルの操作履歴として取得する情報
(8) 操作履歴格納ディレクトリの指定方法

(1) ソフトウェアの操作履歴および抑止履歴として取得する情報

ソフトウェアの操作履歴および抑止履歴として取得する情報について説明します。

(a) ソフトウェアの操作履歴として取得する情報

ソフトウェアの操作履歴は,発生したイベントによって取得する情報が異なります。取得する情報を次の表に示します。なお,取得する情報の詳細については,マニュアル「運用ガイド1」の「6.5.3 操作履歴として表示される項目」を参照してください。

表2-27 ソフトウェアの操作履歴として取得する情報

イベント 日時 種別 ログオンユーザ ウィンドウタイトル プログラム名 ファイルバージョン アカウント
プロセスの起動 ×
プロセスの停止 ×
キャプションの変更
アクティブウィンドウの変更
マシンの起動/停止 × × × × ×
ログオン/ログオフ × × × ×

(凡例)○:取得する ×:取得しない


(b) ソフトウェアの起動抑止履歴として取得する情報

ソフトウェアの起動抑止履歴として取得する情報を次に示します。なお,取得する情報の詳細については,マニュアル「運用ガイド1」の「6.5.1 ソフトウェア起動抑止の抑止履歴の参照」を参照してください。

(2) Webアクセスの履歴として取得する情報

Webアクセスの履歴として取得する情報を次に示します。

Webアクセスの履歴を取得する場合の注意事項

(3) 印刷操作および印刷抑止の履歴として取得する情報

印刷操作および印刷抑止の履歴は,発生したイベントによって取得する情報が異なります。印刷操作および印刷抑止の履歴として取得する情報を次の表に示します。

表2-28 印刷操作および印刷抑止の履歴として取得する情報

イベント 実行日時 種別 ドキュメント名 ログオンユーザ 使用プリンタ名 結果
印刷 ×
印刷抑止 ×
印刷抑止解除 × ×

(凡例)○:取得する ×:取得しない


なお,印刷抑止の履歴は,印刷操作が抑止された場合に取得されます。印刷操作を抑止できるプリンタ種別については,「2.5.4(2) 印刷を抑止できるプリンタ種別」を参照してください。印刷操作の履歴が取得できるプリンタ種別を次の表に示します。

表2-29 印刷操作の履歴が取得できるプリンタ種別

プリンタ種別 使用するポート 印刷操作の履歴の取得
ローカルプリンタ LPTポート
ローカルポート
USBポート
Fileポート
TCP/IPポート
LAN Managerポート ×
ネットワーク共有プリンタ,またはほかのPCに接続されているプリンタ
インターネットプリンタ ×
仮想プリンタ
(凡例)
○:使用できる
×:使用できない
−:該当しない

ネットワーク共有プリンタの場合の前提条件

印刷操作および印刷抑止の履歴を取得する場合の注意事項

(4) 外部メディア操作の履歴として取得する情報

外部メディア操作の履歴として取得する情報を次に示します。

外部メディア操作の履歴を取得する場合の注意事項

(5) USB接続メディアの接続許可履歴および接続抑止履歴として取得される情報

USB接続メディアの接続許可および接続抑止の履歴は,発生したイベントによって取得する情報が異なります。取得する情報を次の表に示します。

表2-30 USB接続メディアの接続許可および接続抑止の履歴として取得する情報

イベント 種別 操作日時 接続名 デバイスインスタンスID-DD デバイスインスタンスID-USB 許可条件 ログオンユーザ
USB接続メディアの接続許可
USB接続メディアの接続抑止 ×

(凡例)○:取得する ×:取得しない


USB接続メディアの接続許可および接続抑止の履歴を取得する場合の注意事項

次に示す場合,USB接続メディアの接続許可や接続抑止の履歴が取得できないことがあります。

(6) デバイスの接続,切断,接続許可,および接続抑止の履歴として取得する情報

各種デバイスの接続,切断,接続許可,および接続抑止の履歴は,発生したイベントによって取得する情報が異なります。取得する情報を次の表に示します。

表2-33 デバイスの接続,切断,接続許可,および接続抑止の履歴として取得する情報

取得項目 デバイスの接続 デバイスの切断 デバイスの接続許可 デバイスの接続抑止
種別
実行日時
デバイス種別
ドライブ種別 ×
ドライブレター ×
接続名
種別のデバイスインスタンスID
コントローラのデバイスインスタンスID
許可条件 × × ×
ユーザ名

(凡例)○:取得する ×:取得しない


デバイス操作の履歴を取得する場合の注意事項

(7) ファイルの操作履歴として取得する情報

「ファイル操作」のイベントは,ファイルまたはフォルダに対して次に示す操作を実行したときに発生します。なお,取得する情報の詳細については,マニュアル「運用ガイド1」の「6.5.3 操作履歴として表示される項目」を参照してください。

これらの操作は,それぞれで操作履歴として取得する情報が異なります。取得する情報を次の表に示します。

表2-37 ファイルの操作履歴として取得する情報

操作 日時 種別 ログオンユーザ ドライブ種別 ファイル名 変更後ドライブ種別 変更後ファイル名 プログラム名 アカウント
コピー
移動
名前の変更 ×
削除 × ×
作成 × ×
ファイルを開く × ×
(凡例)○:取得する ×:取得しない
注※ クライアントPCのOSが次に示すどれかの場合,「ファイルを開く」の操作履歴は取得できません。
  • Windows 8
  • Windows Server 2012
  • Windows 7
  • Windows Server 2008
  • Windows Vista
(a) ファイルの操作履歴を取得する場合の注意事項

ファイルの操作履歴を取得するときは,次の点に注意してください。

(b) OSがWindows 8,Windows Server 2012,Windows 7,Windows Server 2008またはWindows Vistaのクライアントからファイルの操作履歴を取得する場合の注意事項

OSがWindows 8,Windows Server 2012,Windows 7,Windows Server 2008またはWindows Vistaのクライアントからファイルの操作履歴を取得する場合,(a)で説明した注意事項に加えて,次の注意事項があります。

また,履歴を取得できる操作ごとの注意事項を次に示します。

「コピー」の操作履歴を取得する場合の注意事項

「移動」の操作履歴を取得する場合の注意事項

「名前の変更」の操作履歴を取得する場合の注意事項

「削除」の操作履歴を取得する場合の注意事項

多数のファイルまたはフォルダの移動時に,ファイルの上書き確認で「移動して置換」,または「移動するが両方のファイルを保持する」を選択した場合,ファイルの移動の履歴ではなく,ファイルのコピーおよび削除,もしくはファイルのコピーとして履歴が取得されることがあります。

(8) 操作履歴格納ディレクトリの指定方法

取得するイベントの選択にも左右されますが,操作履歴はサイズが大きくなります。そのため,JP1/NETM/DM Managerのインストール時には,容量に余裕のあるドライブを,操作履歴を格納するディレクトリ(操作履歴格納ディレクトリ)に指定する必要があります。

また,操作履歴は,操作履歴格納ディレクトリに格納している操作履歴のサイズが指定した値を超えたら,ほかのディレクトリ(操作履歴退避ディレクトリ)に退避できます。

これらの,操作履歴格納ディレクトリおよび操作履歴退避ディレクトリには,ローカルドライブ(クラスタ環境での共有ディスクを含む)だけでなくWindows Powered NASなどのネットワークドライブを指定することもできます。アクセスする頻度の高い操作履歴格納ディレクトリには容量に余裕のあるローカルドライブを,アクセスする頻度の低い操作履歴退避ディレクトリには容量に余裕のあるネットワークドライブを指定することをお勧めします。

ただし,ネットワークドライブを指定する場合は,一つの認証情報でネットワークドライブに接続できる環境が必要です。次に示すすべての権限を持つ認証情報(ユーザIDおよびパスワード)を用意してください。

また,ネットワークドライブについては,JP1/NETM/DM Managerがインストールされているマシンと同じドメインまたはワークグループのドライブを指定することをお勧めします。それ以外の場合では,認証に時間が掛かるおそれがあります。