JP1/IT Service Level Management

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

6.1.6 JP1/ITSLM - URのフェールオーバー発生時に実施される処理

JP1/ITSLM - URでフェールオーバーが発生した場合,実行系サーバのJP1/ITSLM - URが停止したあと,待機系サーバのJP1/ITSLM -URが起動されます。なお,共有ディスク上に待機系サーバに引き継がれるJP1/ITSLM - URの情報はありません。

待機系サーバのJP1/ITSLM - URは,起動後にJP1/ITSLM - Managerに接続されます。その後,JP1/ITSLM - Managerで実行中の業務処理に合わせてJP1/ITSLM - URの処理を開始します。

JP1/ITSLM - URのフェールオーバー発生時に実施される処理を次の図に示します。

図6-6 JP1/ITSLM - URのフェールオーバー発生時に実施される処理

[図データ]

以降では,フェールオーバーが発生したタイミングごとのフェールオーバーの流れを示します。

<この項の構成>
(1) 監視対象サービスの監視,検出のどちらも実行中ではない場合
(2) 監視対象サービスを監視中の場合
(3) 監視対象サービスを検出中の場合

(1) 監視対象サービスの監視,検出のどちらも実行中ではない場合

監視対象サービスの監視,検出のどちらも実行されていない場合にJP1/ITSLM - URにフェールオーバーが発生したときには,待機系サーバのJP1/ITSLM - URの起動後,JP1/ITSLM - Managerとの接続だけが復元されます。監視および検出の処理は開始されません。

(2) 監視対象サービスを監視中の場合

監視対象サービスの監視中にJP1/ITSLM - URにフェールオーバーが発生した場合,待機系サーバのJP1/ITSLM - URが起動したあとで,監視が再開されます。

監視対象サービスの監視中にJP1/ITSLM - URにフェールオーバーが発生した場合の処理の流れを次の図に示します。

図6-7 監視対象サービスの監視中にJP1/ITSLM - URにフェールオーバーが発生した場合の処理の流れ

[図データ]

図に示した流れについて説明します。説明の番号は図中の番号と対応しています。

  1. クラスタソフト(実行系サーバ)の制御によって,JP1/ITSLM - UR(実行系サーバ)が起動されます。また,クラスタソフト(実行系サーバ)による定期的なサーバの状態の監視が開始されます。
  2. JP1/ITSLM - Managerでの監視対象サービスの監視開始の通知を受けて,JP1/ITSLM - UR(実行系サーバ)での監視が開始され,JP1/ITSLM - UR(実行系サーバ)から性能情報が送信されます。
  3. JP1/ITSLM - UR(実行系サーバ)で障害が発生したことによって,Windowsサービスが停止します。
  4. JP1/ITSLM - UR(実行系サーバ)に登録されたJP1/ITSLM - URのすべてのWindowsサービスが,クラスタソフト(実行系サーバ)によって停止されます。その後,フェールオーバーが開始されます。
  5. クラスタソフト(待機系サーバ)によって,JP1/ITSLM - UR(待機系サーバ)が起動されます。また,クラスタソフト(待機系サーバ)による定期的なサーバの状態の監視が開始されます。
  6. 起動したJP1/ITSLM - UR(待機系サーバ)から,JP1/ITSLM - Managerに起動通知が送信され,性能情報の送信が再開されます。

(3) 監視対象サービスを検出中の場合

監視対象サービスの検出中にJP1/ITSLM - URにフェールオーバーが発生した場合,JP1/ITSLM - Managerの状態が,監視対象サービスの検出中から停止中の状態に遷移します。待機系サーバのJP1/ITSLM - URの起動後,JP1/ITSLM - Managerとの接続が復元されます。

監視対象サービスの検出中にJP1/ITSLM - URにフェールオーバーが発生した場合の処理の流れを次の図に示します。

図6-8 監視対象サービスの検出中にJP1/ITSLM - URにフェールオーバーが発生した場合の処理の流れ

[図データ]

図に示した流れについて説明します。説明の番号は図中の番号と対応しています。

  1. クラスタソフト(実行系サーバ)の制御によって,JP1/ITSLM - UR(実行系サーバ)が起動されます。また,クラスタソフト(実行系サーバ)による定期的なサーバの状態の監視が開始されます。
  2. JP1/ITSLM - Managerでの監視対象サービスの検出開始の通知を受けて,JP1/ITSLM - UR(実行系サーバ)での検出が開始されます。
  3. JP1/ITSLM - UR(実行系サーバ)で障害が発生したことによって,Windowsサービスが停止します。
  4. JP1/ITSLM - UR(実行系サーバ)に登録されたJP1/ITSLM - URのすべてのWindowsサービスが,クラスタソフト(実行系サーバ)によって停止されます。その後,フェールオーバーが開始されます。
  5. クラスタソフト(待機系サーバ)によって,JP1/ITSLM - UR(待機系サーバ)が起動されます。また,クラスタソフト(待機系サーバ)による定期的なサーバの状態の監視が開始されます。
  6. JP1/ITSLM - UR(待機系サーバ)が起動したことがJP1/ITSLM - Managerに通知され,接続が復元されます。