JP1/IT Service Level Management

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3.3.3 監視対象サービスの状況の定期的な評価(設定例)

ここでは,JP1/ITSLMを使用した監視対象サービスの状況の定期的な評価について,ある条件に基づいて具体的にどのように検討・設定するとよいかを,例を用いて説明します。

<この項の構成>
(1) 前提条件
(2) しきい値の定義
(3) 監視項目の設定

(1) 前提条件

この設定例の条件は,次のとおりです。

(2) しきい値の定義

JP1/ITSLMでの監視項目の設定に向けた作業
すべてのサービスの監視者は,サービスの委託元の担当者から得たサービスの利用者数やサービスの内容などの情報に基づき,次のようにしきい値を定義することにしました。
  • 平均応答時間:2,500ミリ秒
  • スループット:250件/秒
  • エラー率:1.0%
作業の結果
しきい値が定義できたため,すべてのサービスの監視者は各監視対象サービスについて,監視項目を設定することにしました。

(3) 監視項目の設定

JP1/ITSLMでの作業
すべてのサービスの監視者は,JP1/ITSLM - Managerにログインして[設定]画面を表示し,定義したしきい値に基づき,監視対象サービスの監視項目を設定することにしました。
しきい値に基づいた監視対象サービスの監視項目の設定例を次の図に示します。

図3-37 しきい値に基づいた監視対象サービスの監視項目の設定例

[図データ]
この図では,サービスグループ「Group01」のサービス「Service01」に対して監視項目を設定しています。監視項目の設定内容は,次のとおりです。
[SLO監視設定]

表3-10 [SLO監視設定]での設定内容例

チェックボックス 項目名 しきい値 チェックボックス 傾向監視
チェックする 平均応答時間 2500 チェックしない
チェックする スループット 250 チェックしない
チェックする エラー率 1.0
(凡例)
−:設定できません。

 
[SLO監視設定]では,しきい値として定義した内容を設定しました。
なお,サービスレベルの管理について契約はしていないため,傾向監視や外れ値検知の設定はしていません。ただし,[ベースライン算出日数]と[開始日数]は入力が必須であるため,デフォルト値を入力したままにしています。
作業の結果
サービスグループ「Group01」のサービス「Service01」について設定が完了したため,残りの監視対象サービスについても同様に監視項目の設定をすることにしました。
すべての監視対象サービスの設定が完了したあと,監視を実行します。監視の実行例については,「4.6.3 監視対象サービスの状況の定期的な評価(実行例)」を参照してください。