JP1/File Transmission Server -全銀TCP
JP1/全銀TCPの機能について説明します。
JP1/全銀TCPでは,ファイル伝送の相手局や伝送ファイルなどの情報を伝送情報としてあらかじめ定義しておきます。一次局としてのファイル伝送は,コマンドまたはGUIで伝送要求を登録することで実行できます。二次局としてのファイル伝送は,相手局からの伝送要求を受け付けることで実行できます。JP1/全銀TCPでは,登録された伝送要求に対し,ファイル伝送時に通し番号(通番)を与え,この通番によって伝送要求を取り消したり,伝送後の履歴情報を参照したりできます。通番は,「局種別(1:一次局,または2:二次局)+ 1月1日からの通算日(3けた)+ その日の伝送番号(5けた)」で構成される9けたの数字で表されます。
一次局としてファイル伝送を実行する場合の伝送要求の登録には,伝送要求を登録してからファイル伝送の完了をもって終了とする同期型と,伝送要求の登録だけをして終了とする非同期型があります。
一次局としてのファイル伝送で,同じ相手局に同じファイルを伝送したいとき,コマンドまたはAPIを使用し,再送要求としてファイル伝送要求を登録できます。また,二次局としてのファイル伝送では,何らかの異常が発生して相手局から再度同じファイルが伝送されるとき,もう一度同じデータの先頭から受け取るか,伝送済み以降のデータから受け取るかを指定できます。
JP1/全銀TCPでは,ファイル伝送の相手局や伝送するファイルなどの情報を伝送情報としてあらかじめ定義し,定義内容に基づいてファイルがやり取りされますが,一次局としてファイル伝送を実行するとき,その定義内容の一部だけを変更して伝送できます。
JP1/全銀TCPでは,二次局としてのファイル伝送で,同じ相手局と同じファイルが二重にやり取りされないよう二重伝送チェックをしています。なお,ファイルの二重伝送を管理する情報を初期化するコマンドを用意しているので,二重伝送を日単位で管理したい場合などには,このコマンドを使って日付ごとに二重伝送の管理情報をリセットできます。
あるファイルをある相手局との間でやり取りする場合,伝送データを一意に識別するため,伝送ごとにサイクル番号を与えて伝送順を保証します。該当ファイルの伝送情報定義でカウントアップするサイクル番号の上限値(1〜99)を設定しておくことによって,その値に達するまで伝送ごとにサイクル番号を与え,伝送順を管理します。また,サイクル番号を管理する情報を初期化するコマンドを用意しているので,サイクル番号を日単位で管理したい場合などには,このコマンドを使って日付ごとにサイクル番号の管理情報をリセットできます。
JP1/全銀TCPでは,ファイル伝送の状態や結果,開始時刻・終了時刻などの伝送実績を伝送履歴情報として管理しており,最大で過去1年間のファイル伝送履歴情報を一覧表示します。また,表示条件を指定して該当の伝送履歴だけを表示させたり,特定の伝送履歴の詳細情報を表示させたりもでき,障害の発生時などにも迅速に対応できます。
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