Hitachi

uCosminexus Batch Job Execution Server 使用の手引(Windows(R)用)


10.7.2 ジョブコントローラの終了コード

ジョブコントローラの終了コードは次の値であり,KAKC0099-Iメッセージに出力する。

〈この項の構成〉

(1) 異常終了したジョブステップが存在しない場合

JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPMAXを指定した場合

ジョブコントローラの終了コードは,ジョブステップの最大の終了コードである。

JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPLASTを指定した場合

ジョブコントローラの終了コードは,最終ジョブステップの終了コードである。

ただし,-1以下の終了コード,または4096以上の終了コードのジョブステップが存在する場合は,ジョブコントローラの終了コードを4096とする。

SETMAXRC要素で変更した場合は,その値に従う。

(2) 異常終了したジョブステップが存在する場合

JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPMAXを指定した場合

異常終了したジョブステップ内での最大の終了コードに5000を加算した値である。

JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPLASTを指定した場合

ジョブコントローラの終了コードは,最終ジョブステップの終了コードである。

最終ジョブステップが異常終了した場合,終了コードに5000を加算した値である。

SETMAXRC要素で変更した場合は,その値に従う。

(3) ジョブコントローラがエラーを検出した場合

ジョブコントローラがエラーを検出して処理を終了した場合は,10000以上の値である。

SETMAXRC要素で変更はできない。

ジョブコントローラの終了コード一覧を次の表に示す。

表10‒29 ジョブコントローラの終了コード一覧

終了コード

意味

0

次のどれかである。

  • -vオプションを指定した場合,正常終了した。

  • -cオプションを指定した場合,ジョブ定義XMLファイルの誤りを検出することなく正常終了した。

  • JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPMAXを指定した場合

    ジョブを実行した場合,ジョブステップの最大の終了コードが0である。

  • JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPLASTを指定した場合

    ジョブを実行した場合,最終ジョブステップの終了コードが0である。

1〜4095

  • JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPMAXを指定した場合

    次の両方の条件を満たす。

    ・ジョブステップの最大の終了コードが1〜4095である。

    ・異常終了したジョブステップが存在しない。

  • JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPLASTを指定した場合

    最終ジョブステップの終了コードが1〜4095である。

4096

  • JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPMAXを指定した場合

    次の両方の条件を満たす。

    ・ジョブステップの最大の終了コードが-1以下,または4096以上である。

    ・異常終了したジョブステップが存在しない。

  • JOB_RCDEFINE パラメータでSTEPLASTを指定した場合

    次の両方の条件を満たす。

    ・最終ジョブステップの終了コードが-1以下,または4096以上である。

    ・最終ジョブステップが正常終了した。

5000〜9096

  • JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPMAXを指定した場合

    異常終了したジョブステップが存在する。

  • JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPLASTを指定した場合

    最終ジョブステップが異常終了した。

10010

ジョブコントローラが次に示すエラーを検出したため,処理を終了した。

  • ファイルの割り当てに失敗した。

  • ディレクトリの割り当てに失敗した。

  • 世代ファイルの割り当てに失敗した。

10020

ジョブコントローラが次に示すエラーを検出したため,ジョブステップを実行しないで処理を終了した。

  • 入力パラメータの文法エラー。

  • 設定ファイルの文法エラー。

  • ジョブ定義XMLファイルの文法エラー。

10030

ジョブコントローラが次に示すエラーを検出したため,処理を終了した。

  • DD要素で指定した一時ファイルが存在しない。

  • DD要素で指定した一時ISAMファイルが存在しない。

  • 世代管理ファイルの割り当てエラー。

10040

ジョブコントローラが次に示すエラーを検出したため,ジョブステップを実行しないで処理を終了した。

  • 設定ファイルのオープンエラー,入出力エラー。

  • ジョブ定義XMLファイルのオープンエラー,入出力エラー。

  • ジョブログファイルのオープンエラー,入出力エラー。

  • ISAMライブラリのロードエラー。

  • 世代管理ファイルのオープンエラー,入出力エラー。

10050

ジョブコントローラが次に示すエラーを検出したため,処理を終了した。

  • ジョブステッププロセス生成エラー。

  • ジョブステッププロセス終了待ちエラー。

10060

メモリ割り当てエラーなど,ジョブコントローラが続行できないエラーを検出したため,処理を終了した。

10070

ジョブコントローラがメッセージを出力できなかったため,処理を終了した。

10080

プログラムの内部矛盾検出など,ジョブコントローラが内部エラーを検出したため,処理を中断した。

10090

ジョブの強制終了を指示されたため,ジョブの実行を中止し,処理を終了した。

(4) 終了コードの例

次のジョブについて,JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPMAXを指定した場合とSTEPLASTを指定した場合のそれぞれについて,ジョブコントローラの終了コードを示す。

ジョブ定義XMLファイル
<?xml version="1.0" encoding="Shift-JIS" ?>
<HitachiBatchJobExec version="1.3" os="windows">
  <JOB NAME="JOB_RC">
    <STEP NAME="STEP1">  <!-- 終了コード4で終了するステップ -->
      <EXEC PGM="RTN" PARM="4" />
    </STEP>
    <STEP NAME="STEP2">  <!-- 終了コード8で終了するステップ -->
      <EXEC PGM="RTN" PARM="8" />
    </STEP>
    <STEP NAME="STEP3">  <!-- 終了コード0で終了するステップ -->
      <EXEC PGM="RTN" PARM="0" />
    </STEP>
  </JOB>
</HitachiBatchJobExec>
ジョブコントローラの終了コード
表10‒30 ジョブコントローラの終了コード(例1)

ジョブステップ終了順序

ステップ終了コード

ジョブコントローラの終了コード

STEPMAX

STEPLAST

STEP1

4

STEP2

8

STEP3

0

(凡例)

○:ジョブコントローラの終了コードとなる。

−:ジョブコントローラの終了コードとならない。

JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPMAXを指定した場合,すべてのジョブステップの終了コードの最大値が,ジョブコントローラの終了コードとなる。終了コードの最大値はSTEP2の終了コード8であるため,ジョブコントローラの終了コードは8となる。

JOB_RCDEFINEパラメータでSTEPLASTを指定した場合,最後に実行完了したジョブステップの終了コードが,ジョブコントローラの終了コードとなる。最後に実行完了したジョブステップの終了コードはSTEP3の終了コード0であるため,ジョブコントローラの終了コードは0となる。