Hitachi

uCosminexus Batch Job Execution Server 使用の手引(Windows(R)用)


10.3 メッセージに含まれるエラー情報

バッチジョブ実行システムが出力するメッセージは,Cランタイムの関数およびWin32 APIのエラー情報を含む場合がある。バッチジョブ実行システムの環境で発生しやすい,代表的なCランタイム関数のエラー情報に対する原因と対策を次の表に示す。表にないエラーおよびWin32 APIのエラー情報については,使用しているOSのマニュアルを参照すること。

表10‒6 代表的なCランタイム関数のエラー情報に対する原因と対策

エラー番号

エラー詳細

ニモニック

考えられる主な原因

対策

2

No such file or directory

ENOENT

ファイル,またはディレクトリが見つからない。

ファイルの存在を確認すること。

5

Input/Output error

EIO

入出力エラーが発生した。

OSまたはハードウェアの情報に従うこと。

6

No such device or address

ENXIO

ファイルに対するアクセス権がない。

デバイスが存在するか,またはデバイスが有効化しているか確認すること。デバイスが有効化されていない場合は,有効化すること。それ以外の原因の場合は,使用しているOSのマニュアルを参照すること。

7

Arg list too long

E2BIG

処理プログラムの引数または環境変数用の領域が不足している。

処理プログラムの引数を確認する。

DD要素やSETENV要素を見直し,不要な要素を削除する。

11

Resource temporarily unavailable

EAGAIN

次のどちらかの原因が考えられる。

  • プロセスの数が多過ぎる,または一時的なメモリ不足が発生している。

  • メッセージキューが満杯である。

  • 再度実行しても繰り返し発生する場合は,不要なプロセスを停止させること。

12

Not enough space

ENOMEM

次のどちらかの原因が考えられる。

  • スワップ領域,または仮想メモリ不足のため,プロセスを新しく生成できない。

  • プロセスの数が多過ぎる,または一部のプロセスが大量のメモリを消費している。

  • スワップ領域または仮想メモリが足りない場合は,拡張すること。拡張できない場合は,不要なプロセスを停止させること。

  • 一部のプロセスが大量のメモリを消費している場合は,該当するプロセスをいったん停止できないか検討すること。

13

Permission denied

EACCES

アクセス権限が不正である。

ファイルに対するアクセス権限が正しいか確認すること。

14

Bad address

EFAULT

アクセスできない領域に書き込みしようとした。書き込みしようとしたディスクが切り離されたおそれがある。

系切り替えに伴うディスクの切り替え中の場合は,問題ないので無視すること。誤ってディスクを切り離してしまった場合は,該当するファイルをバックアップから回復する,または初期化してから使用すること。それ以外の場合は,システム管理者に連絡すること。

17

File exists

EEXIST

作成しようとしたファイルはすでに存在する。

ファイル名を変更して再度実行する,または既存のファイルが不要であれば,削除してから再度実行すること。

22

Invalid argument

EINVAL

次のどちらかの原因が考えられる。

  1. DD要素のTYPE属性値に"FILE"を指定し,DSN属性値にディレクトリパス名を指定した。

  2. メモリ管理情報の不正を検知した。

  1. DD要素を見直し,TYPE属性値やDSN属性値を修正すること。

  2. システム管理者に連絡すること。

23

Too many open files in system

ENFILE

ファイルのオープン数がシステムの上限を超えた。

システム全体で使用中のファイルの数を確認し,不要なファイルを閉じること。

24

Too many open files

EMFILE

該当するプロセスでオープンしているファイル数が多い。

システム管理者に連絡すること。

27

File too large

EFBIG

ファイルの大きさがシステム制限値を超えた。

使用するファイルサイズを見直すこと。

28

No space left on device

ENOSPC

ファイルシステムに十分な空き領域がない。

空き領域を確保すること。