3.7.1 世代ファイルの概要
給与ファイルや在庫ファイルなどの月ごとに更新されるファイルの旧ファイルと新ファイルや,旧バージョンと新バージョンでのプログラムの関係のように,互いに時間的または歴史的な関連を持った一連のファイルグループがある。これらのファイルグループは,1つのグループ名とその中の番号で参照ができ,このグループを世代データ群といい,その中の各ファイルを世代ファイルという。
世代データ群は,そのグループを識別する世代データ群名の基に登録され管理される。各世代ファイルは世代データ群名と世代番号によって識別される。
世代番号の指定は,相対世代番号で指定する。
- 〈この項の構成〉
(1) 絶対世代番号
各世代ファイルに対して,そのグループ内で一意的な絶対世代番号が与えられる。
絶対世代番号の形式は"Gnnnn"である。nnnnは世代番号を表し0000〜9999の数値の範囲となる。
各世代ファイルは,世代データ群名のあとに絶対世代番号を"."(ピリオド)で付けたファイル名で識別される。絶対世代番号でDD要素に記述はできない。
- <例>
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世代データ群名が"ACCOUNT.X",世代番号0003のファイル名は,次に示すようになる。
ACCOUNT.X.G0003
(2) 相対世代番号
相対世代番号とは最新の世代ファイルの世代番号を0とし,これよりも古い世代ファイルの世代番号を負の整数,新しく登録する世代ファイルの世代番号を正の整数で表した相対的な世代番号である。
各世代ファイルは,世代データ群名のあとに相対世代番号を括弧で囲んで付けたファイル名で識別される。
- <例>
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ACCOUNT.Xを世代データ群名として次に示す順番で3つの世代ファイルを登録する。
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ACCOUNT.X.G0001
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ACCOUNT.X.G0002
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ACCOUNT.X.G0003
次のジョブで各世代ファイルを相対世代番号を用いて参照する場合,ファイル名は次に示すようになる。
ACCOUNT.X(-2) ACCOUNT.X(-1) ACCOUNT.X(0)
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また,正の相対世代番号は,現在登録している最新の世代ファイルの世代番号にこの数値を加えた世代番号を持つ新しい世代ファイルを登録したい場合,または該当するジョブ内の以前のステップで世代データ群に登録した世代ファイルを参照する場合に用いる。
例えば,上記の例でACCOUNT.X(+2)を指定して新しい世代ファイルを登録する場合,システムが自動的にACCOUNT.X.G0005の絶対世代番号を作成して登録する。
(3) 世代データ群を構成するファイル
世代データ群を使用する場合,世代ファイルの割り当てに先立ち,世代管理ファイルを用意する必要がある。
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世代管理ファイルの作成
世代管理ファイルはbjexgdgコマンドによって生成し,次に示すファイルによって構成される。
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"世代データ群名.gdg"
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".世代データ群名.gdg"
世代で管理する世代ファイルは,世代データ群名に".Gnnnn"を付けたファイル名(nnnnは0000〜9999の数値)となり,世代管理ファイルと同一ディレクトリに作成される。世代管理ファイルと世代ファイルが別々のディレクトリに点在している場合,これらのファイルでは世代管理ができなくなるため,必ず同一ディレクトリに配置する。
また,世代ファイルは隠しファイルであり,バッチジョブ実行システムが使用するため,参照や操作をしないこと。
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世代管理ファイルの削除
不要となった世代管理ファイルは,bjexgdgコマンドで削除できる。