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uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow BPMN連携機能 使用の手引


付録B.2 チューニング項目と効果

アプリケーション呼び出しサービスのスループットを向上させるチューニング項目を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) WorkManagerの最大スレッド数を増やす

単位時間当たりのアプリケーション呼び出し対象の作業数が多い場合,WorkManagerの最大スレッド数を増やすことで,スループットを向上できます。

次に示す条件に該当するケースを例として,WorkManagerの最大スレッド数の増加によるスループットの向上の仕組みについて説明します。

  • アプリケーション呼び出しの実行間隔ごとに10件の作業が発生している。

  • 各作業のRESTアプリケーション呼び出しに平均1秒ずつ掛かっている。

図B‒1 アプリケーション呼び出しサービスのスループットの向上例(WorkManagerの最大スレッド数を増やす場合)

[図データ]

[説明]

WorkManagerの最大スレッド数が少ない場合:

WorkManagerの最大スレッド数が2の場合は,アプリケーション呼び出しの完了までに約5秒掛かります。

WorkManagerの最大スレッド数が多い場合:

WorkManagerの最大スレッド数を4に倍増させると,WorkManagerの最大スレッド数が2の場合の約半分の時間で,アプリケーション呼び出しが完了します。

(2) アプリケーション呼び出しサービスの稼働数を増やす

次に示すどちらかに該当する場合,アプリケーション呼び出しサービスを複数稼働することで,スループットを向上できます。

  • ref識別子の数が多い。

  • 単位時間当たりのアプリケーション呼び出し対象の作業数が多い。

次に示す図のケースを例として,アプリケーション呼び出しサービスの稼働数の増加によるスループットの向上の仕組みについて説明します。

図B‒2 アプリケーション呼び出しサービスのスループットの向上例(アプリケーション呼び出しサービスの稼働数を増やす場合)

[図データ]

[説明]

アプリケーション呼び出しサービスが1つの場合:

アプリケーション呼び出しサービス01が,ref識別子「Ref1」~「Ref3」すべてのRESTアプリケーションを,順番に1つずつ呼び出します。

アプリケーション呼び出しサービスが3つの場合:

アプリケーション呼び出しサービス01がref識別子「Ref1」のRESTアプリケーションを呼び出している間に,アプリケーション呼び出しサービス02,03が,それぞれref識別子「Ref2」「Ref3」を同時に処理します。これによって,全体のスループットを向上できます。

ヒント

アプリケーション呼び出しサービスの稼働数を増やす設定方法については,「付録B.6 チューニングの設定方法」の「(2) アプリケーション呼び出しサービスの稼働数の設定」を参照してください。

(3) アプリケーション呼び出しグループを登録する

ref識別子の数が多い場合,アプリケーション呼び出しグループを登録することで,アプリケーション呼び出しを行うスレッドの利用効率が上がります。その結果,スループットを向上できます。

アプリケーション呼び出しグループを登録する場合,次の指針に従うことを推奨します。

  • アプリケーション呼び出し制御情報の実行間隔と障害復旧間隔の差が少ないref識別子ごとに,グループを分ける。

  • 単位時間当たりに発生する各グループの作業数の差が少なくなるように,グループを分ける。

アプリケーション呼び出しグループの登録によるスループットの向上の仕組みを,次の図に示します。

図B‒3 アプリケーション呼び出しサービスのスループットの向上例(アプリケーション呼び出しグループを登録する場合)

[図データ]

ヒント

アプリケーション呼び出しグループを登録する設定方法については,「付録B.6 チューニングの設定方法」の「(3) アプリケーション呼び出しグループの設定」を参照してください。