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uCosminexus Service Coordinator Interactive Workflow BPMN連携機能 使用の手引


1.8.8 プロセスデータの利用

ここでは,プロセスデータの利用について説明します。

〈この項の構成〉

(1) RESTアプリケーションまたはJavaオブジェクト呼び出し時のプロセスデータの受け渡し

アプリケーション呼び出しサービスでは,RESTアプリケーションやJavaオブジェクトを呼び出す際,呼び出し元案件のプロセスデータをRESTアプリケーションまたはJavaオブジェクトに渡すことができます。また,RESTアプリケーションやJavaオブジェクトからデータを受け取り,呼び出し元の案件のプロセスデータに登録できます。

プロセスデータの受け渡しでは,単一型プロセスデータとリスト型プロセスデータの両方を扱うことができます。

プロセスデータをRESTアプリケーションやJavaオブジェクトに渡す方法,およびRESTアプリケーションやJavaオブジェクトから受け取ったデータをプロセスデータテーブルに登録する方法については,「15.3 アプリケーション呼び出し情報ファイル」を参照してください。

RESTアプリケーションを呼び出す場合のプロセスデータの受け渡し

RESTアプリケーションを呼び出す場合のプロセスデータの受け渡しの処理の流れを,次の図に示します。

図1‒104 プロセスデータの受け渡し(RESTアプリケーション呼び出し時)

[図データ]

[説明]
  1. アプリケーション呼び出しサービスがプロセスデータテーブルを検索し,呼び出し元の案件のプロセスデータ値を取得します。図の例では,プロセスデータキー名が"Department"と"Name"であるプロセスデータ値"SDA"と"Taro"を取得しています。

  2. アプリケーション呼び出しサービスがRESTアプリケーションを呼び出す際に,1.で取得したプロセスデータ値をHTTPリクエストのボディデータとして渡しています。

  3. RESTアプリケーションからの応答がアプリケーション呼び出しサービスに戻ります。図の例では,HTTPレスポンスのボディデータとして,キーを表す"Approval"と,キーに対応するデータ"Y"が含まれているものとします。

  4. アプリケーション呼び出しサービスが,3.でRESTアプリケーションから受け取ったデータをプロセスデータ値として登録します。図の例では,プロセスデータキー名"Approval"のプロセスデータ値に,3.で受け取ったデータ"Y"を登録しています。

Javaオブジェクトを呼び出す場合のプロセスデータの受け渡し

Javaオブジェクトを呼び出す場合のプロセスデータの受け渡しの処理の流れを,次の図に示します。

図1‒105 プロセスデータの受け渡し(Javaオブジェクト呼び出し時)

[図データ]

[説明]
  1. アプリケーション呼び出しサービスがプロセスデータテーブルを検索し,呼び出し元案件のプロセスデータ値を取得します。図の例では,プロセスデータキー名が"Department"と"Name"であるプロセスデータ値"SDA"と"Taro"を取得しています。

  2. アプリケーション呼び出しサービスがJavaオブジェクトを呼び出す際に,1.で取得したプロセスデータ値をJavaオブジェクトのメソッドの引数として渡しています。

  3. Javaオブジェクトのメソッドの戻り値をアプリケーション呼び出しサービスに渡します。図の例では,キーを表す"Approval"とキーに対応する値"Y"が含まれているものとします。

  4. アプリケーション呼び出しサービスが,3.でJavaオブジェクトから受け取ったデータをプロセスデータ値として登録します。図の例では,プロセスデータキー名"Approval"のプロセスデータ値に,3.で受け取ったデータ"Y"を登録しています。

(2) メッセージ送信時またはエラースロー時の呼び出し先案件へのプロセスデータの登録

メッセージ送信時またはエラースロー時,呼び出し元案件のプロセスデータ値を,呼び出し先案件のプロセスデータ値として登録できます。

呼び出し元案件のプロセスデータ値を,呼び出し先案件のプロセスデータ値として登録する処理の流れを次の図に示します。

図1‒106 呼び出し先案件へのプロセスデータの登録

[図データ]

[説明]
  1. アプリケーション呼び出しサービスがプロセスデータテーブルを検索し,呼び出し元案件のプロセスデータ値を取得します。図の例では,呼び出し元案件(案件ID=10)のプロセスデータキー名が"Department"であるプロセスデータ値"SDA"を取得しています。

  2. アプリケーション呼び出しサービスが,呼び出し先案件のプロセスデータを登録します。図の例では,呼び出し先案件(案件ID=20)のプロセスデータキー名"Target"のプロセスデータ値に,1.で取得したプロセスデータ値"SDA"を登録しています。

  3. 呼び出し先案件のBPMN要素に対して遷移要求を行います。

呼び出し先案件と呼び出し元案件とが同じ案件でも,この例と同様に,呼び出し先案件にプロセスデータを登録できます。プロセスデータを登録する方法については,「15.3.4 プロセスデータの設定方法(アプリケーション呼び出し情報ファイル)」を参照してください。

(3) メッセージ送信時またはエラースロー時の呼び出し元案件へのプロセスデータの登録

メッセージ送信時またはエラースロー時,呼び出し元の案件にプロセスデータを登録できます。

プロセスデータを登録する方法については,「15.3.4 プロセスデータの設定方法(アプリケーション呼び出し情報ファイル)」を参照してください。

(4) タイマーイベントの場合

タイマーイベントについては,プロセスデータを受け渡ししません。