Cosminexus サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド

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6.2.1 電文の実行履歴の概要

電文の実行履歴は次の表に示すタイミングで採取します。

表6-1 電文の実行履歴採取のタイミング

採取タイミング 説明 送信方向種別
サービス部品呼び出し要求時 サービスアダプタまたはビジネスプロセスを実行する前 Service Request Direction
サービス部品呼び出し応答時 標準受付またはユーザ定義受付で,サービス部品呼び出しの結果を返すとき Service Response Direction
サービス部品呼び出し応答のエラー サービス部品またはビジネスプロセスから返ってきたユーザ定義例外(フォルト)を返すとき Service Fault
サービス部品呼び出しエラー サービス部品からのユーザ定義例外以外の例外や,ビジネスプロセスまたはHCSCサーバ内でエラーを検知した際,例外情報を返すとき Service Error

注※ 非同期のサービス部品を呼び出した場合は,応答電文はないため,非同期のサービス部品を呼び出すプログラムの処理が完了(リターン)するタイミングになります。

サービスアダプタを直接呼び出す場合と,ビジネスプロセスを呼び出す場合のそれぞれについて,電文の実行履歴を採取するタイミングを説明します。

<この項の構成>
(1) サービスアダプタを直接呼び出す場合の電文の実行履歴を採取するタイミング
(2) ビジネスプロセスを呼び出す場合の電文の実行履歴を採取するタイミング

(1) サービスアダプタを直接呼び出す場合の電文の実行履歴を採取するタイミング

サービスアダプタを直接呼び出す場合は,エラーの有無やエラーの種類によって,電文の実行履歴を採取するタイミングが異なります。

(a) 正常応答する場合

サービスアダプタを直接呼び出して正常応答する場合の,電文の実行履歴を採取するタイミングを次の図に示します。

図6-2 電文の実行履歴を採取するタイミング(サービスアダプタを直接呼び出して正常応答する場合)

[図データ]

次に示す番号は,図6-2の図中の番号に対応しています。

(1) サービスアダプタを呼び出す前に,電文の実行履歴を採取します。

(2) 標準受付またはユーザ定義受付で,サービスリクエスタにサービス部品呼び出しの結果を返すときに電文の実行履歴を採取します。
(b) サービス部品呼び出し応答がエラーになる場合

サービスアダプタを直接呼び出してサービス部品呼び出し応答がエラーになる場合の,電文の実行履歴を採取するタイミングを次の図に示します。

図6-3 電文の実行履歴を採取するタイミング(サービスアダプタを直接呼び出してサービス部品呼び出し応答がエラーになる場合)

[図データ]

次に示す番号は,図6-3の図中の番号に対応しています。

(1) サービスアダプタを呼び出す前に,電文の実行履歴を採取します。

(2) サービス部品からユーザ定義例外(フォルト)が返ってきた場合は,標準受付またはユーザ定義受付で,サービスリクエスタにサービス部品呼び出し応答の結果としてユーザ定義例外(フォルト)の情報を返すときに,実行履歴(サービス部品呼び出し応答エラー)を採取します。

エラーの伝わり方についての詳細は,「7.7 サービス部品呼び出し要求時の障害対策」を参照してください。

(c) サービス部品呼び出しエラーの場合

サービスアダプタを直接呼び出してエラーになる場合の,電文の実行履歴を採取するタイミングを次の図に示します。

図6-4 電文の実行履歴を採取するタイミング(サービスアダプタを直接呼び出してエラーになる場合)

[図データ]

次に示す番号は,図6-4の図中の番号に対応しています。

エラーの伝わり方についての詳細は,「7.7 サービス部品呼び出し要求時の障害対策」を参照してください。

(2) ビジネスプロセスを呼び出す場合の電文の実行履歴を採取するタイミング

ビジネスプロセスを呼び出す場合は,エラーの有無やエラーの種類によって,電文の実行履歴を採取するタイミングが異なります。

(a) 正常応答する場合

ビジネスプロセスを呼び出して正常応答する場合の,電文の実行履歴を採取するタイミングを次の図に示します。

図6-5 電文の実行履歴を採取するタイミング(ビジネスプロセスを呼び出して正常応答する場合)

[図データ]

次に示す番号は,図6-5の図中の番号に対応しています。

(1) ビジネスプロセスを実行する前に,電文の実行履歴を採取します。

(2) サービスアダプタを実行する前に電文の実行履歴を採取します。ビジネスプロセスに定義したサービス呼出アクティビティからサービス部品を呼び出すたびに実行履歴を採取します。

(3) ビジネスプロセスへ応答を返すときに,電文の実行履歴を採取します。

(4) 標準受付やユーザ定義受付で,サービスリクエスタにビジネスプロセスからの応答を返すときに電文の実行履歴を採取します。
(b) ビジネスプロセスでフォルトエラーになる場合

ビジネスプロセスを呼び出して,ビジネスプロセスでフォルト(ユーザ定義例外)が発生してエラーになる場合の,電文の実行履歴を採取するタイミングを次の図に示します。

図6-6 電文の実行履歴を採取するタイミング(ビジネスプロセスを呼び出してビジネスプロセスでフォルトエラーになる場合)

[図データ]

次に示す番号は,図6-6の図中の番号に対応しています。

(1) ビジネスプロセスを実行する前に,電文の実行履歴を採取します。

(2) ビジネスプロセスに定義したサービス呼出アクティビティからサービスアダプタを実行する前に,電文の実行履歴を採取します。

(3) サービス部品からの応答は正常なため,ビジネスプロセスへサービス部品呼び出し結果を返すときに,電文の実行履歴を採取します。

(4) サービス部品呼び出し結果の応答電文の内容から,ビジネスプロセスでフォルトと判断されると,標準受付またはユーザ定義受付で,サービスリクエスタに応答を返すときに,実行履歴(エラー(フォルト))を採取します。
(c) サービス部品でフォルトエラーになる場合

ビジネスプロセスを呼び出して,サービス部品でフォルト(ユーザ定義例外)が発生してエラーになる場合の,電文の実行履歴を採取するタイミングを次の図に示します。

図6-7 電文の実行履歴を採取するタイミング(ビジネスプロセスを呼び出してサービス部品でフォルトエラーになる場合)

[図データ]

次に示す番号は,図6-7の図中の番号に対応しています。

(1) ビジネスプロセスを実行する前に,電文の実行履歴を採取します。

(2) ビジネスプロセスに定義したサービス呼出アクティビティでサービス部品を呼び出し,サービスアダプタを実行する前に,電文の実行履歴を採取します。

(3) サービス部品からユーザ定義例外(フォルト)が返ってくるため,ビジネスプロセスへ応答を返すときに,実行履歴(サービス部品呼び出し応答エラー)を採取します。

(4) サービス部品呼び出し結果の応答電文自体が,ビジネスプロセスでフォルトと判断されると,標準受付またはユーザ定義受付で,サービスリクエスタにサービス部品呼び出し結果を返すときに,実行履歴(エラー(フォルト))を採取します。

エラーの伝わり方についての詳細は,「7.7 サービス部品呼び出し要求時の障害対策」を参照してください。

(d) ビジネスプロセスからのサービス部品呼び出しエラーの場合

ビジネスプロセスを呼び出して,ビジネスプロセスからサービス部品呼び出しエラーになる場合の,電文の実行履歴を採取するタイミングを次の図に示します。

図6-8 電文の実行履歴を採取するタイミング(ビジネスプロセスを呼び出してビジネスプロセスからサービス部品呼び出しエラーになる場合)

[図データ]

次に示す番号は,図6-8の図中の番号に対応しています。

エラーの伝わり方についての詳細については,「7.7 サービス部品呼び出し要求時の障害対策」を参照してください。