Cosminexus システム運用ガイド

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付録A.4 Webコンテナのトレース取得ポイント(セッショントレース)

ここでは,Webコンテナのトレースのトレース取得ポイントと,取得できるトレース情報について説明します。なお,Webコンテナでは,リクエスト処理のトレースとセッショントレースが出力されます。ここでは,セッショントレース,およびグローバルセッションについてのトレース取得ポイントと取得できるトレース情報について説明します。

トレース取得ポイントPRFトレース取得レベル(セッショントレース)

セッショントレースに関連するトレースの,イベントID,トレース取得ポイント,およびPRFトレース取得レベルについて,次の表に示します。なお,「0x8203」,「0x8202」,「0x8207」,「0x8206」および「0x8300」では,グローバルセッションについての情報も出力されます。

表A-11 Webコンテナでのトレース取得ポイントの詳細(セッショントレース)

イベントID 図中の番号※1 トレース取得ポイント レベル※2
0x8200 1 リクエスト取得・リクエストヘッダ解析完了時(Webサーバ経由の場合) A
0x8202 4,9 サーブレット/JSP呼び出し A
0x8203 2,3 リクエストを受信したサーブレット/JSPの実行前に実行されるフィルタの呼び出し
(web.xmlの<filter-mapping>タグの<dispatcher>タグを省略した場合,または<dispatcher>タグで"REQUEST"を指定したフィルタを呼び出した場合)
B
0x8206 7 RequestDispatcher経由のサーブレット/JSP呼び出し B
0x8207 4,9 静的コンテンツ呼び出し(DefaultServlet) B
0x8208 5 セッション生成後 B
0x8209 6 セッション破棄後 B
0x8210 17 セッションタイムアウト後 B
0x8211 1 リクエスト取得・リクエストヘッダ解析完了(インプロセスHTTPサーバ経由の場合) A
0x8214 8 フォワード時に実行されるフィルタの呼び出し
(web.xmlの<filter-mapping>タグの<dispatcher>タグで"FORWARD"を指定したフィルタを呼び出した場合)
B
0x8215 8 インクルード時に実行されるフィルタの呼び出し
(web.xmlの<filter-mapping>タグの<dispatcher>タグで"INCLUDE"を指定したフィルタを呼び出した場合)
B
0x8216 2 エラーページに転送される際に実行されるフィルタの呼び出し
(web.xmlの<filter-mapping>タグの<dispatcher>タグで"ERROR"を指定したフィルタを呼び出した場合)
B
0x8300 16 リクエスト処理完了(Webサーバ経由の場合) A
0x8302 10,13 サーブレット/JSP処理完了 A
0x8303 14,15 リクエストを受信したサーブレット/JSPの実行前に実行されるフィルタの処理完了
(web.xmlの<filter-mapping>タグの<dispatcher>タグで""REQUEST""を指定したフィルタの処理が完了した場合)
B
0x8306 12 RequestDispatcher経由のサーブレット/JSP処理完了 B
0x8307 10,13 静的コンテンツ処理完了(DefaultServlet) B
0x8311 16 リクエスト処理完了(インプロセスHTTPサーバ経由の場合) A
0x8314 11 フォワード時に実行されるフィルタの処理完了
(web.xmlの<filter-mapping>タグの<dispatcher>タグで"FORWARD"を指定したフィルタの処理が完了した場合)
B
0x8315 11 インクルード時に実行されるフィルタの処理完了
(web.xmlの<filter-mapping>タグの<dispatcher>タグで"INCLUDE"を指定したフィルタの処理が完了した場合)
B
0x8316 15 エラーページに転送される際に実行されるフィルタの処理完了
(web.xmlの<filter-mapping>タグの<dispatcher>タグで"ERROR"を指定したフィルタの処理が完了した場合)
B

(凡例)  A:標準  B:詳細

注※1
図A-11中の番号と対応しています。

注※2
セッショントレースについての情報はレベルが「詳細」の場合だけ出力されます。

Webコンテナでのセッショントレースのトレース取得ポイントを次の図に示します。

図A-11 Webコンテナのトレース取得ポイント(セッショントレース)

[図データ]

それぞれのポイントで取得できるセッションIDについて説明します。

1のポイント
セッションIDを取得できます。ただし,リクエストヘッダのCookieまたはURLからセッションIDを取得するため,無効なセッションID(J2EEアプリケーションで破棄されたHttpSessionのIDまたは有効期限切れで破棄されたHttpSessionのID)を取得する場合があります。
また,有効なセッションIDを取得した場合も,J2EEアプリケーションでセッションが破棄される場合があります。

2,3,4,7,8,9のポイント
トレース取得ポイントで有効なセッションIDを取得できます。ただし,J2EEアプリケーションでセッションが破棄される場合があります。
また,これらのポイントでは,グローバルセッションIDも取得できます。取得できるグローバルセッションIDの内容は,トレース取得ポイントごとに異なります。
  • 2のポイントは,一つのリクエストで最初にイベントID「0x8203」が出力されるトレース取得ポイントです。このトレース取得ポイントでは,Webクライアントからリクエストとして送信されたグローバルセッションIDが取得できます。ただし,このポイントでは,すでに無効になっているグローバルセッションIDが出力される場合もあります。
  • 3,4,7,8,9のポイントで出力される,イベントIDが「0x8216」「0x8202」「0x8203」「0x8206」「0x8207」「0x8214」「0x8215」のトレースには,その時点で有効なグローバルセッションIDが取得できます。

5のポイント
J2EEアプリケーションでセッションが生成された場合だけ,トレース取得ポイントで有効なセッションIDを取得できます。ただし,J2EEアプリケーションでセッションが破棄される場合があります。

6のポイント
J2EEアプリケーションでセッションが破棄された場合だけ,トレース取得ポイントで無効になったセッションIDを取得できます。ただし,J2EEアプリケーションでセッションが破棄される場合があります。

10,11,12,13のポイント
トレース取得ポイントで有効なセッションIDを取得できます。ただし,J2EEアプリケーションでセッションが破棄される場合があります。

14,15のポイント
トレース取得ポイントで有効なセッションIDを取得できます。なお,このトレース取得ポイントでリクエスト処理が完了すると,以降のJ2EEアプリケーションでセッションが破棄されることはありません。

16のポイント
トレース取得ポイントで有効なセッションIDを取得できます。なお,このトレース取得ポイントでリクエスト処理が完了すると,以降のJ2EEアプリケーションでセッションが破棄されることはありません。
また,グローバルセッションを生成した場合,リクエスト処理が終了した時点で有効なグローバルセッションIDを取得できます。

17のポイント
有効期限を超えたセッションが破棄された場合だけ,無効になったセッションIDを取得できます。
取得できるトレース情報

セッショントレースについて,Webコンテナで取得できるトレース情報を次の表に示します。なお,イベントIDが「0x8202」,「0x8203」,「0x8206」,「0x8207」,「0x8214」,「0x8215」,「0x8300」および「0x8311」のトレース取得ポイントでは,グローバルセッションについての情報も出力されます。

表A-12 Webコンテナで取得できるトレース情報(セッショントレース)

図中の番号※1 イベントID レベル 取得できる情報
インタフェース名 オペレーション名 オプション
1 0x8200 A HTTPメソッド URI <セッションID文字数:セッションID:取得方法>※2
4,9 0x8202 A クラス名(JSP呼び出し時はJSPファイル名) コンテキストルート名※2 <セッションID文字数:セッションID:グローバルセッションID文字数:グローバルセッションID>※2
2,3 0x8203 B クラス名 コンテキストルート名 <セッションID文字数:セッションID:グローバルセッションID文字数:グローバルセッションID>
7 0x8206 B クラス名 ディスパッチのタイプ
コンテキストルート名
<セッションID文字数:セッションID:グローバルセッションID文字数:グローバルセッションID>
4,9 0x8207 B コンテキストルート名 <セッションID文字数:セッションID:グローバルセッションID文字数:グローバルセッションID>
5 0x8208 B コンテキストルート名 セッション有効期間 <セッションID文字数:セッションID>
6 0x8209 B コンテキストルート名 セッション生成時刻 <セッションID文字数:セッションID>
17 0x8210 B コンテキストルート名 セッション有効期間:セッション生成時刻 <セッションID文字数:セッションID>
1 0x8211 A HTTPメソッド URI <セッションID文字数:セッションID:取得方法>※2
8 0x8214 B クラス名 コンテキストルート名 <セッションID文字数:セッションID:グローバルセッションID文字数:グローバルセッションID>
8 0x8215 B クラス名 コンテキストルート名 <セッションID文字数:セッションID:グローバルセッションID文字数:グローバルセッションID>
2 0x8216 B クラス名 コンテキストルート名 <セッションID文字数:セッションID:グローバルセッションID文字数:グローバルセッションID>
16 0x8300 A HTTPメソッド URI ※3
10,13 0x8302 A クラス名(JSP呼び出し時はJSPファイル名) コンテキストルート名※2 ※4
14,15 0x8303 B クラス名 コンテキストルート名 ※5
12 0x8306 B クラス名 ディスパッチのタイプ
コンテキストルート名
※5
10,13 0x8307 B コンテキストルート名 ※5
16 0x8311 A HTTPメソッド URI ※6
11 0x8314 B クラス名 コンテキストルート名 ※5
11 0x8315 B クラス名 コンテキストルート名 ※5
15 0x8316 B クラス名 コンテキストルート名 ※5

(凡例)  A:標準  B:詳細  −:該当なし

注※1
図A-11中の番号と対応しています。

注※2
レベルとして「詳細」を指定している場合だけ出力されます。

注※3
正常に処理された場合,またはレスポンス送信時にリダイレクタとの接続が切れていた場合は,指定しているレベルに応じて,次のように出力されます。
「標準」を指定しているときには,入り口時刻,ステータスコードが表示されます。
「詳細」を指定しているときには,入り口時刻,ステータスコード,セッションID文字数:セッションID:グローバルセッションID文字数:グローバルセッションIDが表示されます。
例外が発生した場合,指定しているレベルに応じて,次のように出力されます。
「標準」を指定しているときには,入り口時刻,ステータスコード,例外名が表示されます。
「詳細」を指定しているときには,入り口時刻,ステータスコード,例外名:セッション文字数:セッションID:グローバルセッションID文字数:グローバルセッションIDが表示されます。

注※4
正常に処理された場合,指定しているレベルに応じて,次のように出力されます。
「標準」を指定しているときには,入り口時刻が表示されます。
「詳細」を指定しているときには,入り口時刻とセッションID文字数:セッションIDが表示されます。
例外が発生した場合,指定しているレベルに応じて,次のように出力されます。
「標準」を指定しているときには,入り口時刻と例外名が表示されます。
「詳細」を指定しているときには,入り口時刻と例外名:セッションID文字数:セッションIDが表示されます。

注※5
正常に処理された場合,入り口時刻とセッションID文字数:セッションIDが表示されます。
例外が発生した場合,入り口時刻と例外名:セッションID文字数:セッションIDが表示されます。

注※6
指定しているレベルに応じて,次のように出力されます。
「標準」を指定している場合は,入り口時刻,ステータスコードが表示されます。
「詳細」を指定している場合は,入り口時刻,ステータスコード,セッションID文字数:セッションID:グローバルセッションID文字数:グローバルセッションIDが表示されます。