Cosminexus 簡易構築・運用ガイド

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15.5.1 アプリケーションサーバの設定

JP1/AJS2 - SOと連携するため,アプリケーションサーバでは次の設定をします。

<この項の構成>
(1) CosminexusのJP1イベント発行の設定
(2) JP1/BaseのJP1イベント転送の設定
(3) JP1/Baseのイベントサーバ名の設定
(4) 運用管理エージェントの自動起動の設定

(1) CosminexusのJP1イベント発行の設定

自動運用するシナリオの中には,例えばOSのメンテナンスなどのように,アプリケーションサーバの再起動が必要になる場合があります。アプリケーションサーバの再起動後にJP1/AJS2のジョブから実行するSmart Composer機能のコマンドを正常実行させるには,運用管理エージェントの起動完了を待つ必要があります。

シナリオの流れの中で,運用管理エージェントの起動完了を待つには,JP1イベント発行の設定をして,JP1イベント監視ジョブで,運用管理エージェント起動時に発行されるJP1イベントを監視します。

運用管理エージェントからJP1イベント発行するには,adminagent.propertiesのadminagent.jp1event_enabledキーにtrueを設定します。

JP1/AJS2 - SO連携時に運用管理エージェントが発行するJP1イベントの種類を次の表に示します。

表15-4 JP1/AJS2 - SO連携時に運用管理エージェントが発行するJP1イベント一覧

JP1イベントID JP1イベントのSeverity 発行契機
00012070 Notice 運用管理エージェントが起動したとき
00012071 Notice 運用管理エージェントが停止したとき

(2) JP1/BaseのJP1イベント転送の設定

JP1/BaseのJP1イベント転送の設定をします。この設定によって,JP1/AJS2 - ManagerにJP1イベントが通知されます。JP1/BaseのJP1イベント転送の設定手順を次に示します。

  1. JP1/Baseで,JP1イベント転送の設定をします。
    JP1/Baseのforward(転送設定ファイル)の転送条件に「E.JP1_HC_EVENT IN Y」をOR条件で追加します。記述例を次に示します。
    JP1/Baseのforwardファイルの記述例

    # JP1/Base - Event Server Forwarding Setting
    to hostxxx
    E.SEVERITY IN Warning Error Critical Alert Emergency Emergence
    OR
    E.JP1_HC_EVENT IN Y
    end-to

(3) JP1/Baseのイベントサーバ名の設定

Microsoft Cluster ServiceやHAモニタを使用したクラスタ構成の場合で,論理ホストのJP1/Baseのイベントサーバを使用してJP1イベントを発行するとき,イベントサーバ名を設定します。イベントサーバ名を設定するには,adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)のadminagent.jp1event.event_server_nameキーに,論理ホスト名または論理IPアドレスを指定します。設定した情報を有効にするために,設定後は,Management Serverを再起動してください。

なお,adminagent.propertiesの詳細については,マニュアル「Cosminexus リファレンス 定義編」を参照してください。

(4) 運用管理エージェントの自動起動の設定

運用管理エージェントがJP1/Baseのイベントサービスよりも先に起動した場合,JP1イベントサービスが起動するまでに発行したJP1イベントは失われます。確実にJP1イベントを発行するためには,次の設定が必要です。

(a) Windowsの場合

JP1/Baseの起動管理機能を使用して,運用管理エージェントを自動起動します。

運用管理エージェントを自動起動するには,JP1/BaseのJp1svprm.dat(起動順序定義ファイル)に「Cosminexus Management Server - Administration Agent」のサービスを追加してください。なお,ホスト起動時に運用管理エージェントを自動起動する設定をしている場合は,いったん手動起動に設定してから実施してください。

JP1/BaseのJp1svprm.datファイルの格納場所と記述例を次に示します。

JP1/BaseのJp1svprm.datファイルの格納場所
<JP1/Baseインストールディレクトリ>\jp1base\conf\boot\Jp1svprm.dat

JP1/BaseのJp1svprm.datファイルの記述例
JP1/BaseのJp1svprm.datファイル記述例を次に示します。
 
:
[OtherServiceCosminexusAdministrationAgent]
Name=Cosminexus Management Server - Administration Agent
ServiceName=CosmiAdminAgent
Parallel=YES
:
 
(b) AIXの場合

/etc/inittabファイルにJP1/Baseの起動スクリプトを登録したあとに運用管理エージェント用起動スクリプト(/opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl start)を登録します。

(c) HP-UXの場合

/sbin/init.d/AdminAgentのシンボリックリンクの名称の起動順序を,JP1/Baseよりあとに起動されるように設定する必要があります。起動順序には,901以降を指定してください。

(d) Linuxの場合

/etc/rc.d/rc<N>.dディレクトリ(<N>は起動時の実行レベル)に/etc/rc.d/init.d/AdminAgentへのシンボリックリンクを作成する際,JP1/Baseよりもあとに起動されるようにシンボリック名称の起動順序およびスクリプト名称を指定します。起動順序には「99」を,スクリプト名称の先頭は「_」(アンダーバー)よりコード値が大きい文字を指定してください。

(e) Solarisの場合

/etc/rc<N>.dディレクトリ(<N>は起動時の実行レベル)に/etc/init.d/AdminAgentへのシンボリックリンクを作成する際,JP1/Baseよりもあとに起動されるようにシンボリック名称の起動順序およびスクリプト名称を指定します。起動順序には「99」を,スクリプト名称の先頭は「_」(アンダーバー)よりコード値が大きい文字を指定してください。