JP1/Automatic Job Management System 2 解説

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付録A イベントジョブで引き継ぐ情報

イベントジョブで引き継ぐ情報について説明します。

イベントジョブで受信した情報を後続のジョブまたはジョブネットで参照できます。[詳細定義−[イベントアイコン名]−[引き継ぎ情報]]ダイアログボックスで,受信したイベントの特定の引き継ぎ情報をマクロ変数に指定すると参照できます。マクロ変数に指定できる引き継ぎ情報は,各イベントジョブで異なります。マクロ変数の定義例については,「3.2.4(6) イベントジョブの受信情報の引き継ぎ」を参照してください。

イベントジョブの引き継ぎ情報の一覧を次の表に示します。

表A-1 各イベントジョブの引き継ぎ情報一覧

アイコン名 変数 説明 Windows UNIX サイズ
(バイト)
共通 CMTMOUT※9 ジョブが打ち切り終了したかどうか
t:打ち切り終了
f:打ち切り終了以外
1
JP1イベント受信監視 EVID イベントID 17
EVUSR イベント発行元ユーザー名 20
EVGRP イベント発行元グループ名 20
EVHOST 発行元イベントサーバ名 255
EVIPADDR イベント発行元IPアドレス 16
EVMSG メッセージ情報 1,023
EVDETAIL イベント詳細情報1 1,023
EVSEV 拡張属性の重大度 11
EV:拡張属性名2 任意の拡張属性 4,085
EVENV1〜EVENV93 切り出したデータ 10 4,085
EVUSRID イベント発行元ユーザーID 10
EVGRPID イベント発行元グループID 10
EVPROCESSID イベント発行元プロセスID 10
EVDATE イベント発行年月日(yyyy/mm/dd形式) 10
EVTIME イベント発行時間(hh:mm:ss形式) 8
ファイル監視 FLFNAME 変更があったファイルのファイル名(完全名で指定) Windows:258
UNIX:509
FLCOND 次の成立した監視条件のどれか一つ
c(作成)
d(削除)
s(サイズ変更)
m(最終書き込み時間)
1
FLCTIME ファイル更新時刻
(yyyy/mm/dd.
hh:mm:ss形式)
19
FLSIZE 変更があったファイルのファイルサイズ 20
メール
受信監視
MLRCVADDRESS 受信したメールの差し出し人4 Windows:2565
UNIX:4,085
MLRCVSUBJECT 受信したメールの件名 Windows:2566
UNIX:4,085
MLRCVBODY 受信したメールの本文を保存したファイル名 × 258
MLRCVATTACHFILEnnnnは01〜20のアラビア数字) 受信したメールに添付されていた添付ファイル名 × 2587
MLRCVATTACHLIST 受信したメールに添付されていたファイルの一覧のファイル名 × 2588
MLRCVMAILBODY 受信したメール自体を保存したファイル名(内部設定,1ファイル) × 452
MLRCVTIME 受信したメールの到着日時 40
メッセージキュー受信監視 MQRCVCORRELATION 受信したメッセージの相関識別子 24
MQRCVDISCRIMINATION 受信したメッセージのメッセージ識別子 24
MQRCVQUEUE メッセージ受信キュー名 48
MQRCVMODELQUEUE モデルキュー名 48
MQRCVMESSAGEFILE 受信したメッセージをメッセージ構造体として格納したファイル名(内部設定,1ファイル) Windows:258
UNIX:452
MSMQ
受信監視
MSRCVQUEUEPATH 受信したメッセージのキューパス名 × 259
MSRCVMUTUAL 受信したメッセージの相互関係 × 20
MSRCVMESSAGELABEL 受信したメッセージのメッセージラベル × 249
MSRCVAPPLICATION 受信したメッセージのアプリケーション情報(HEX形式の数値文字) × 8
MSRCVMESSAGEFILE 受信したメッセージをメッセージ構造体として格納したファイル名(内部設定,1ファイル) × 258
ログファイルトラップ監視 LFFNAME トラップしたログファイルのファイル完全名 258
LFDATA トラップしたデータ(511バイトを超えた場合は切り捨てる) 511
Windowsイベントログ監視 NELOG ログ種別 × 11
NEEVKIND イベントの種類 × 20
NESOURCE ソース × 255
NECLASS 分類 × 4,085
NEEVID イベントID × 16
NEDETAIL 説明(1,023バイトを超えた場合は切り捨てる) × 1,023
実行間隔制御

(凡例)
○:指定できる。
×:指定できない。
−:該当しない。

注1
引き継ぎ情報に次の文字が含まれていた場合,すべて空白に置き換えられます。
「\r」「\n」「\b」「\f」
また,上記のサイズは文字列の長さで「\0」は含みません。

注2
マクロ変数名と引き継ぎ情報のサイズの合計が4,096バイトを超えないように,事前にマクロ変数名のサイズや引き継ぎ情報のサイズを見積もった上で運用してください。特に,起動条件をAND条件で定義している場合は,起動条件内に定義したすべてのイベントジョブのマクロ変数および引き継ぎ情報をマージします。このため,マクロ変数名と引き継ぎ情報のサイズの合計が4,096バイトを超えないように注意してください。

注※1
JP1イベント中の詳細情報がテキストの場合だけ設定されます。

注※2
拡張属性名は,JP1/Baseのイベントサービスで決められた32バイト以内の文字列です。拡張属性名の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。

注※3
切り出しデータは,ajsdefineコマンドに指定したパラメーターの指定順ではなく,次の順番で正規表現のチェックをして,切り出しがあれば,順にEVENV1〜EVENV9へ格納します。
  • イベント発行元ユーザー名
  • イベント発行元グループ名
  • 発行元イベントサーバ名
  • メッセージ情報
  • 詳細情報
  • 任意の拡張属性
任意の拡張属性内では,JP1イベントの取得順に正規表現のチェックをして,切り出しがあれば,順にEVENV1〜EVENV9へ格納します。

注※4
Windowsの場合,[マネージャー環境設定]ダイアログボックスの[メール連携]タブの[差出人アドレスの引き継ぎ]で選択した情報の種類が設定されます。[メールアドレス]を選択した場合には,メールアドレスが設定されます。[表示名]を選択した場合には,表示名(ニックネーム)が設定されます。
[差出人アドレスの引き継ぎ]に[メールアドレス]を設定した場合で,GroupMailのメールを受信したときには,この情報は設定されません。

注※5
お使いのメールシステムによっては,メールの送信者アドレスが長いときに規定された値より長い情報が設定される場合があります。この場合は,前から256バイトだけ引き継げます。256バイト以上の値が設定されるかどうかは,お使いのメールシステムのマニュアルで確認してください。

注※6
お使いのメールシステムによっては,件名が長いときに規定された値より長い情報が設定される場合があります。この場合は,前から256バイトだけ引き継げます。256バイト以上の値が設定されるかどうかは,お使いのメールシステムのマニュアルで確認してください。

注※7
受信したメールに添付されていたファイルを保存して,そのファイル名がフルパス名で設定されます。
複数のファイルが添付されていた場合,添付ファイルの順序は保証されません。また,21個以上のファイルが添付されていた場合には,20個のファイル名までしか引き継ぎできません。

注※8
受信したメールに添付されていたファイルを保存して,その保存したファイルのリストを作成します。作成されたリストファイル名がフルパス名で設定されます。

注※9
イベントジョブが監視条件によって正常終了した場合,CMTMOUTへ"f"を格納します。打ち切り時間が経過した場合,CMTMOUTへ"t"を格納します。エラー発生によってイベントジョブが異常検出終了した場合,CMTMOUTへは何も格納しません。

注※10
拡張正規表現を使用している場合だけ設定されます。

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