JP1/Automatic Job Management System 2 解説
業務形態や処理の実行時間などに応じて,1か月の開始日や1日の開始時刻を設定できます。月の開始日となる日を基準日,1日を計算する基準となる時刻を基準時刻といいます。
- <この項の構成>
- (1) 基準日の指定
- (2) 基準時刻の設定
基準日を設定していない場合は,「1日(ついたち)」を基準にして1か月を計算しますが,会社やジョブネットの運用形態に応じて月初めの日付(月の開始日)を設定できます。
基準日は,次の二つの設定によって決定します。
- 基準日指定
基準日の指定方法です。
- 日付指定
「何日から開始」という形で日付を指定し,月の開始日を設定します。
- 曜日指定
「第何週目の何曜日」という形で曜日を指定し,月の開始日を設定します。
- 指定なし
- 月区分
指定した基準日からの1か月を開始日側の月扱いにするか,終了日側の月扱いにするかを設定するものです。
基準日を26日と指定した場合,例えば8月26日から9月25日までの1か月を8月扱いにする場合は「当月」を,9月扱いにする場合は「翌月」を設定します。
例えば,基準日を日付指定で16日とし,16日から翌月15日までの1か月を当月扱いとすると,8月16日から9月15日を8月分として扱うことができます。したがって,「何日締めの業務」などのようなジョブネットのスケジュールを考える場合に有効です。
なお,基準日を設定すると,ジョブネットのスケジュール確認や状態監視をする[マンスリースケジュール]ウィンドウは,基準日からの1か月間で表示されます。
基準時刻を設定していない場合,0:00を基準にして1日を計算しますが,ジョブネットの実行形態などに応じて1日が始まる基準となる時刻をずらすことができます。
基準時刻による日付の考え方について,次に示します。
図3-44 基準時刻とは
この例では,基準時刻を8:00としているため,8:00を基準に日付が更新され,8:00から翌日の7:59までを1日として扱います。
また,基準時刻を設定すると,ジョブネットのスケジュール確認や状態監視をする[デイリースケジュール]ウィンドウでも,基準時刻から24時間の範囲が表示されます。
これらのことから,基準時刻の設定は,実際には翌日に実行されるジョブネットを運用上当日分として扱いたいという場合などに有効です。
基準時刻の設定例を次に示します。
図3-45 基準時刻の設定例
この例では,月曜から金曜まで,その日の売り上げデータを翌日の1:00に集計するものとします。また,土曜日は休業日とします。この場合,金曜日の売り上げデータ集計は土曜日の1:00に行われるはずですが,土曜日が休業日であるため,金曜日分のデータ集計は実行されません。しかし,基準時刻を8:00と設定し,日付が更新される時刻をずらすことで,本来土曜日のスケジュールであるものを金曜日のスケジュールとして扱うことができます。
- 補足事項
- 図3-45の例では,集計の開始予定時刻を当日の25:00に設定することで,土曜日の1:00に集計を実行できます。しかし,ルートジョブネットのスケジュールが24時間制の場合,日付をまたぐようなスケジュールや24:00以降のスケジュールを組んで基準時刻を設定すると,時刻指定の考え方が複雑になります。したがって,このような運用をする場合には,基準時刻を設定しないで,48時間制スケジュールを採用することをお勧めします。
- 48時間制スケジュールについては,「3.4.1(2) 48時間制スケジュール」を参照してください。ルートジョブネットの時間制と基準時刻については「3.4.1 ルートジョブネットの時間制とスケジュールルール」を参照してください。
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