JP1/Automatic Job Management System 2 解説

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1.1.1 業務の自動化

JP1/AJS2を使って,業務を自動的に実行するには,次の二つのことを定義する必要があります。

<この項の構成>
(1) 業務内容と実行順序の定義
(2) 業務スケジュールの定義
(3) 業務開始のきっかけの登録

(1) 業務内容と実行順序の定義

多くの業務は,決まった順序に従って実行されます。例えば,売上伝票の作成であれば,次のような順序になります。

(1)データの入力→(2)データの集計→(3)帳票作成→(4)プリンタ出力

JP1/AJS2で業務を実行するには,業務を構成する一つ一つの作業を切り出し,作業の実行順序を定義します。コマンドやアプリケーションプログラム,シェルスクリプトなどが一つ一つの作業の単位となります。この業務処理の最小単位となる一つ一つの作業を,JP1/AJS2では,ジョブといいます。複数のジョブをまとめて作業の順序を定義したものをジョブネットといいます。

作業の順序は,単純な直列とは限りません。複数の作業を並行して進める業務や,集計結果が基準より大きいか小さいかで次の処理を変える業務など,さまざまな条件に従って業務の順序が決まります。このような条件を洗い出して,ジョブネットを作成します。

図1-2 業務フロー

[図データ]

(2) 業務スケジュールの定義

業務を自動運用するには,業務をいつ実行するかを決めるスケジュールの定義が必要です。

日常の業務は,さまざまなスケジュールに従って運用されています。毎日実行する業務,週末だけ実行する業務,毎月決まった日に実行する業務など,業務の内容によってさまざまです。また,1日の中でも朝に実行する業務や営業時間終了後に実行する業務,深夜に実行する業務などがあります。JP1/AJS2では,これらのスケジュールを定義して,実行日や実行開始時刻が自動的に決まるようにします。

スケジュールの定義では,会社の営業日・休業日を設定したカレンダー,実行を開始する日時や実行間隔などを定義します。この定義に基づいて,JP1/AJS2が実行予定を決め,その日時が来ると自動的に実行を始めます。

また,実際の業務運用に則したスケジュール設定をするために,JP1/AJS2では,さらに細かくスケジュールを定義できます。例えば,次のようなルールを設定できます。

(3) 業務開始のきっかけの登録

決まった時刻に業務を開始するだけでなく,ファイルが作成されたときやイベントが発生したときなど何らかの事柄が起こったときに業務を開始することもできます。ファイル作成やイベント発生など,業務開始のきっかけを条件として登録しておくと,その事柄が起きたときに業務の実行が開始されます。

実行開始のきっかけとなる事柄は,必ずしも1日1回規則的に起こるわけではなく,複数回発生することもあります。複数回発生したときに,並行して処理を実行するのか,前の処理が終わるのを待って実行するのかも検討しておく必要があります。

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