JP1/IM - Service Supportをセットアップします。このコマンドは，スタートメニューの［プログラム］−［JP1_Integrated Management - Service Support］−［JP1_IM-SSコマンドプロンプト］から実行します。

jsssetup.bat {-s {S | M | L | LL} [-t] | [-s {S | M | L | LL}] -vup [-t] | -r}
             [-q]

Administrators権限

IM-SSパス\tools\

-s {S | M | L | LL}

案件管理DBのサイズを指定します。「S」，「M」，「L」，「LL」は，半角英大文字で指定してください。

それぞれの値を指定した場合のサイズを次の表に示します。

サイズに指定する値	サイズ
S	5ギガバイト
M	29ギガバイト
L	71ギガバイト
LL	152ギガバイト

-sオプションを指定した場合はすべてのセットアップ処理が実行され，作成済みの案件管理DBも初期化されます。また，案件管理DB格納先フォルダやポート番号を変更した場合は，最新の情報でセットアップが実行されます。

案件管理DBの格納先やポート番号を変更する方法については，「5.3.2　新規インストール時のセットアップ手順」を参照してください。

20個より多くの対象システムを使用する場合は，LLサイズを指定してください。また，400,000件以上の案件を登録する場合も，LLサイズを指定してください。LLサイズ以外の指定をした場合，上記の条件を超えるとエラーになることがあります。

-t

メールによる案件登録をする場合にだけ指定します。-tオプションを指定すると，メールによる案件登録に必要なマスターシステムと一時受付プロセスワークボードが作成されます。-tオプションを省略すると，マスターシステムと一時受付プロセスワークボードは作成されません。

なお，セットアップコマンドの実行後にマスターシステムと一時受付プロセスワークボードを作成する場合は，jsscreatesysandpwb（マスターシステム・一時受付プロセスワークボード作成）コマンドを実行してマスターシステム・一時受付プロセスワークボードを作成してください。jsscreatesysandpwbの詳細については，「13.　コマンド」の「jsscreatesysandpwb（マスターシステム・一時受付プロセスワークボード作成）」を参照してください。

-vup

バージョン08-10，08-11および08-50から，08-51にバージョンアップするため，上書きインストールしたあとのセットアップ時に指定します。このオプションは，旧バージョンのJP1/IM - Service Supportからバージョンアップした場合を除いて，指定しないでください。

-vupオプションを指定した場合，データベースの初期化，およびWWWコンテナサーバの環境設定の更新は行われません。バージョンアップに伴い機能が拡張された個所だけが更新されます。なお，案件管理DB格納先フォルダやポート番号は，前回セットアップ時の情報が使用されます。

旧バージョン，および指定したオプションの組み合わせによって，セットアップ時の処理が異なります。処理の差異について次の表に示します。

表13-8　指定したオプションによるセットアップ処理の差異（旧バージョンが08-11，または08-50の場合）

コマンド実行時に指定したオプション		セットアップの処理
-sオプションだけを指定		指定したDBサイズでDBが初期化される。
-sおよび-vupオプションを指定	バージョンアップ前と同じDBサイズを指定	エラーメッセージ（KNAB26151-W）が出力され，バージョンアップ前のバージョンのDBサイズでDBが拡張される。
	バージョンアップ前と異なるDBサイズを指定	エラーメッセージ（KNAB26151-W）が出力され，バージョンアップ前のバージョンのDBサイズでDBが拡張される。
-vupオプションだけを指定		バージョンアップ前のバージョンのDBサイズでDBが拡張される。

表13-9　指定したオプションによるセットアップ処理の差異（旧バージョンが08-10の場合）

コマンド実行時に指定したオプション		セットアップの処理
-sオプションだけを指定		指定したDBサイズでDBが初期化される。
-sおよび-vupオプションを指定	バージョンアップ前と同じDBサイズを指定	指定したDBサイズでDBが拡張される。
	バージョンアップ前と異なるDBサイズを指定	指定したDBサイズでDBが拡張される※1※2。
-vupオプションだけを指定		エラーメッセージ（KNAB26150-E）が出力される。

注※1

指定したDBサイズが旧バージョンより小さい場合は，想定される案件数を格納できなくなるおそれがあります。小さいDBサイズを指定してjsssetup.batコマンドを実行してしまった場合は，バージョンアップ終了後に，jssdbbackup.batコマンドを実行して案件管理DBのバックアップを取得し，指定したDBサイズでDBを初期化してリカバリーしてください。

注※2

LLサイズは指定できません。LLサイズを指定した場合は，エラーメッセージ（KNAB26154-E）が出力されます。

-r

同一バージョンのJP1/IM - Service Supportを上書きインストールしたあとのセットアップ時に指定します。新規インストール，またはバージョンアップ後のセットアップではこのオプションを指定しないでください。

-rオプションを指定した場合，データベースの初期化，およびWWWコンテナサーバの環境設定の更新は行われません。また，案件管理DB格納先フォルダやポート番号は，前回セットアップ時の情報が使用されます。

-q

応答メッセージを出力しないで，データベースの初期化を続行する場合に指定します。

-qオプションを指定しない場合は，処理を続行するかどうかを選択するメッセージが表示されます。

戻り値	意味
0	正常終了
1	異常終了

• jsssetup.batコマンドは，JP1/IM - Service Supportを新規インストール，または上書きインストールしたあとに必ず実行してください。
• jsssetup.batコマンドの実行が完了するまで，JP1/Service Support - Web Service，JP1/Service Support - Task ServiceおよびJP1/Service Supportを停止させてください。
• -vupオプションを指定してコマンドを実行する場合は，JP1/Service Support - DB Serverサービスが起動している必要があります。
• jsssetup.batコマンドの実行中は，ほかのJP1/IM - Service Supportのコマンドを実行しないでください。
• jsssetup.batコマンドを実行すると，システム内部で複数の子プロセスが起動します。［Ctrl］+［C］キーなどでコマンドの実行を打ち切った場合も，子プロセスは実行を継続します。このため，コマンドの実行中に［Ctrl］+［C］キーなどで実行を打ち切らないでください。もし実行を打ち切った場合は，しばらく時間を置いてからコマンドを再実行してください。
• JP1/IM - Service Supportを初めてセットアップするときは，-rオプションを指定しないでください。
• jsssetup.batコマンドが異常終了した場合，JP1/Service Supportが起動しているときがあります。コマンドを再実行する場合は，JP1/Service Supportを停止させてから実行してください。
• 08-11から08-51へのバージョンアップ時に，jsssetup.batコマンドを実行するときには，案件管理DBが格納されているドライブに案件管理DBのサイズによって次の空き容量が必要です。
  
  • 案件管理DBがSサイズの場合：1.5ギガバイト
  • 案件管理DBがMサイズの場合：3.0ギガバイト
  • 案件管理DBがLサイズの場合：5.0ギガバイト
  • 08-11の場合，案件管理DBにLLサイズの設定はありません。
• 08-10から08-51へのバージョンアップ時に，jsssetup.batコマンドを実行するときには，案件管理DBが格納されているドライブに案件管理DBのサイズによって次の空き容量が必要です。
  
  • 案件管理DBがSサイズの場合：2.0ギガバイト
  • 案件管理DBがMサイズの場合：5.0ギガバイト
  • 案件管理DBがLサイズの場合：12.0ギガバイト
  • 08-10の場合，案件管理DBにLLサイズの設定はありません。
• jsssetup.batコマンド実行時に，KNAB26151-Wのワーニングメッセージが表示されることがあります。この場合，すでにJP1/IM - Service Supportのセットアップは完了しています。KNAB26151-Wの対処を実施してください。

案件管理DBのサイズをMサイズに設定し，案件管理DBを初期化するときに応答メッセージを出力してセットアップする場合の指定例を次に示します。

jsssetup.bat -s M