JP1/Integrated Management - Rule Operation システム構築・運用ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


6.5 ルールの定義例

ルールには,次に示す流れに沿って障害の回復処理を定義します。

  1. 事象の検知
  2. 状態の確認
  3. 対処の判断
  4. 対処

ここでは,アプリケーションの状態をJP1/IM - Managerで監視しているシステムで,アプリケーションに異常が発生した場合の回復処理をルール化する例について説明します。

まず,ルール化したい回復処理の流れを次に示します。

図6-11 ルール化したい回復処理の流れ

[図データ]

  1. 事象の検知
    アプリケーションに異常が発生し,JP1イベントによってJP1/IM - Managerに通知されます。このとき,異常を検知した時刻に応じて,状態の確認に進むのか,処理を終了するかを判断します。
  2. 状態の確認
    アプリケーションの状態を確認します。
  3. 対処の判断
    どのような対処を取るかを判断します。
  4. 対処
    アプリケーションの再起動が必要であれば,再起動します。
    調査が必要であれば,システム管理者へ連絡します。
    対処が不要であれば,JP1/IM - Viewで異常通知のイベントを対処済みにします。

次に,回復処理をルールとして定義した例を次に示します。

図6-12 ルールの定義例

[図データ]

ルールエレメントの定義内容を次の表に示します。

表6-2 ルールエレメントの定義内容

処理の内容 ルールエレメントの種類 名称 定義内容
事象の検知 ルール起動条件ルールエレメント アプリ監視 アプリケーションの異常を通知するJP1イベントを起動条件にします。
時刻分岐ルールエレメント 発生時刻の分岐 時刻分岐ルールエレメントの実行時刻を条件にして,次に実行するルールエレメントをどれにするかを定義します。
対処(コマンド)ルールエレメント 時間外通知 時間外であることを通知するコマンドを定義します。
状態の確認 コマンド実行ルールエレメント アプリの状態確認 アプリケーションの状態を確認するコマンドを定義します。
対処の判断 分岐ルールエレメント アプリ確認の分岐 コマンドの戻り値を条件にして,次に実行する判断待ちルールエレメントをどれにするかを定義します。
判断待ちルールエレメント 対処判断1 コマンドの戻り値に応じた対処が複数ある場合に,次に実施する対処をユーザーが判断する目的で定義します。
判断待ちルールエレメント 対処判断2 コマンドの戻り値に応じた対処が一つの場合,実施して問題ないかをユーザーが確認する目的で定義します。
対処 対処(コマンド)ルールエレメント アプリ再起動 アプリケーションを再起動するコマンドを定義します。
対処(コマンド)ルールエレメント メール通知 JP1/IM - TELstaffでシステム管理者あてにメールを送信するコマンドを定義します。
対処(コマンド)ルールエレメント イベント対処 異常を通知したJP1イベントの状態を対処済みに変更するコマンドを定義します。

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2008, Hitachi, Ltd.