JP1/Integrated Management - Rule Operation システム構築・運用ガイド
フェールオーバーしない論理ホストも,通常のクラスタシステムで運用する場合の論理ホストと同じ手順でセットアップして運用します。JP1/IM - RLを運用する手順を次に示します。
- <この項の構成>
- (1) 論理ホスト環境の準備
- (2) 論理ホスト環境のJP1のセットアップ
- (3) 論理ホスト環境の自動起動および自動停止の設定
- (4) 論理ホストのバージョンアップ
(1) 論理ホスト環境の準備
論理ホスト環境を作成するために,論理ホスト用のディスク領域およびIP アドレスを用意してください。
- 論理ホスト用のディスク領域
物理ホストやほかの論理ホストのJP1が使用しているものとは別に,論理ホストのJP1/IM - RLが専用で使用するファイルの格納先ディレクトリを,ローカルディスクに作成してください。
- 論理ホスト用のIPアドレス
論理ホストのJP1/IM - RLが使用するIPアドレスを,OSで割り当ててください。IPアドレスの割り当ては,実IPでもエイリアスIPでもかまいません。ただし,論理ホスト名から一意に特定できるIPアドレスにしてください。
これらに対する前提条件は,クラスタシステムでの運用の場合と同じです。ただし,フェールオーバーしない運用方法のため「サーバ間で引き継がれる」などの条件は除きます。
なお,このマニュアルで共有ディスク・論理IPアドレスと説明している部分は,上記で割り当てた論理ホスト用のディスク領域・IPアドレスに読み替えてください。
- 性能の見積もり
性能を見積もる際は,次のような観点でシステムとして動作できるか見積もってください。
- システム内で複数のJP1/IM - RLが起動できるリソースを割り当てられるかどうかを見積もってください。リソースが十分に割り当てられないと,正しく動作しなかったり,十分な性能が確保できなかったりします。
(2) 論理ホスト環境のJP1のセットアップ
クラスタシステムの実行系サーバと同じ手順で,論理ホスト環境のJP1をセットアップしてください。なお,クラスタシステムではフェールオーバーする両側のサーバに対してセットアップする必要がありますが,フェールオーバーしない論理ホストでは,動作するサーバだけセットアップしてください。
(3) 論理ホスト環境の自動起動および自動停止の設定
論理ホスト環境のJP1のセットアップ時に,自動起動および自動停止の設定は行われません。自動起動および自動停止をしたい場合は設定が必要です。
(4) 論理ホストのバージョンアップ
非クラスタ環境で論理ホストを運用する場合のバージョンアップ手順を次に示します。
- 物理ホストをバージョンアップインストールする。
- jbsgetcnfコマンドを実行して,バージョンアップ前の論理ホストの共通定義情報を退避する。
jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > 退避ファイル名- バージョンアップで追加した共通定義情報を含むファイル中の「JP1_DEFAULT」をすべて「論理ホスト名」に編集して,任意のファイル名で保存する。
- jbssetcnfコマンドを実行して,手順3で編集した共通定義情報を論理ホストに反映する。
論理ホストの共通定義情報に上位バージョンで追加された項目が追加されますが,既存の共通定義情報の項目は初期化されます。
jbssetcnf 手順3の編集ファイル名
- 手順2で退避した共通定義情報を使用して,追加された項目以外の設定値を元に戻す。
jbssetcnf 手順2の退避ファイル名
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