JP1/Integrated Management - Rule Operation システム構築・運用ガイド
クラスタシステムでJP1/IM - RLを運用するには,クラスタソフトの制御によって論理ホストのJP1/IM - RLおよびJP1/Baseを実行し,フェールオーバーに対応します。このときのJP1/IM - RLの構成は次のようになります。
- <この項の構成>
- (1) クラスタ運用でのJP1/IM - RLの構成の概要
- (2) 共有ディスク上のファイル構成
- (3) JP1/IM - RLのサービスおよびプロセス
- (4) 通信方式
- (5) 共通定義情報の設定
(1) クラスタ運用でのJP1/IM - RLの構成の概要
表4-3 クラスタシステムでのJP1/IM - RLの構成
製品名 クラスタシステムでのJP1/IM - RLの構成 JP1/IM - View
- JP1/IM - ViewからJP1/IM - RLに接続するときは,論理IPアドレスあてに接続します。
- JP1/IM - View自身は物理ホスト環境で動作します。
JP1/IM - RL
- 論理ホスト環境で動作することができます。
- クラスタソフトに登録することで,フェールオーバーに対応します。
- クラスタソフトに登録するときは,前提リソースとして論理IPアドレスと共有ディスクが必要です。
- 共有ディスクに定義情報を格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。
- JP1/IM - RLは前提製品JP1/Baseと同じ論理ホストで実行します。
JP1/Base JP1/IM - RLにログイン中に,認証サーバがフェールオーバーによって切り替わった場合,JP1/IM - RLでは通信障害が発生し,フェールオーバー後に回復します。このような通信障害を回避したい場合は,認証サーバをクラスタシステム以外の場所に設置することをお勧めします。
論理ホスト環境のJP1/IM - RLをセットアップすると,共有ディスク上に次のファイルが作成されます。これらは,論理ホストでJP1/IM - RLを実行するために必要なファイルです。
表4-4 共有ディスク上のファイル構成
共有ファイルの種別 フォルダ名 環境設定ファイル 共有フォルダ\JP1RULE\conf\ ルール定義・実行結果情報 共有フォルダ\JP1RULE\data\ ルール実行時一時ファイル 共有フォルダ\JP1RULE\work\ ログファイル 共有フォルダ\JP1RULE\log\
クラスタ運用でのJP1/IM - RLは,論理ホストのサービスまたはプロセスを実行します。
論理ホスト環境のJP1/IM - RLをセットアップすると,次のサービスがWindowsに登録されます。このサービスをクラスタソフトに登録して実行します。
表4-5 JP1/IM - RLのサービス
表示名称 サービス名 JP1/RuleManager_論理ホスト名 JP1_RuleManager_論理ホスト名 表示名称の欄は,[コントロールパネル]−[管理ツール]−[サービス]で表示される名前です。また,クラスタソフトからサービスをnetコマンド(net startやnet stop)で制御する場合は,この名前をnetコマンドに指定します。
サービス名の欄は,MSCS(Microsoft Cluster Service)に登録する場合の名前です。これをMSCSの「サービス名」の設定項目に指定します。
(4) 通信方式
論理ホストのJP1/IM - RLをセットアップすると,JP1/IM - RLの通信方式をIPバインド方式と呼ぶ方式に設定します。IPバインド方式に変更するのは,論理ホストと物理ホストの両方の環境が対象です。
通信方式には,IPバインド方式とANYバインド方式の2種類があります。これは,通信するときに使用するIPアドレスを,内部処理で割り当て(バインド)をする方法をきめます。
通信方式については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Baseの通信方式に関する説明を参照してください。JP1/IM - RLは,JP1/Baseと同じ通信方式で通信をします。
論理ホストのJP1/IM - RLをセットアップすると,共通定義情報に,論理ホスト用の設定情報が設定されます。
共通定義情報とは,JP1の設定情報を格納するデータベースで,JP1/Baseが管理しています。設定情報のデータは,各サーバのローカルディスク上に,次のような形式で格納されています。
図4-3 共通定義情報
共通定義情報は,物理ホスト(JP1_DEFAULT)および論理ホストごとに分かれて格納されています。物理ホストおよび論理ホスト単位に,jbssetcnfコマンドで設定し,jbsgetcnfコマンドで読み出します。
論理ホストの共通定義情報は,各サーバで同じ内容になるようにします。セットアップ時および設定変更時は,設定をした実行系サーバの共通定義情報を,待機系サーバへコピーして設定します。
なお,共通定義情報は,JP1/IM - RL,JP1/Base,JP1/IM - Manager,JP1/IM - CM,JP1/AJS2などが設定情報を格納するために使用しています。
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