JP1/Integrated Management - Rule Operation システム構築・運用ガイド

[目次][用語][索引][前へ][次へ]


4.1.3 クラスタシステムでのJP1/IM - RLの構成

クラスタシステムでJP1/IM - RLを運用するには,クラスタソフトの制御によって論理ホストのJP1/IM - RLおよびJP1/Baseを実行し,フェールオーバーに対応します。このときのJP1/IM - RLの構成は次のようになります。

<この項の構成>
(1) クラスタ運用でのJP1/IM - RLの構成の概要
(2) 共有ディスク上のファイル構成
(3) JP1/IM - RLのサービスおよびプロセス
(4) 通信方式
(5) 共通定義情報の設定

(1) クラスタ運用でのJP1/IM - RLの構成の概要

表4-3 クラスタシステムでのJP1/IM - RLの構成

製品名 クラスタシステムでのJP1/IM - RLの構成
JP1/IM - View
  • JP1/IM - ViewからJP1/IM - RLに接続するときは,論理IPアドレスあてに接続します。
  • JP1/IM - View自身は物理ホスト環境で動作します。
JP1/IM - RL
  • 論理ホスト環境で動作することができます。
  • クラスタソフトに登録することで,フェールオーバーに対応します。
  • クラスタソフトに登録するときは,前提リソースとして論理IPアドレスと共有ディスクが必要です。
  • 共有ディスクに定義情報を格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。
  • JP1/IM - RLは前提製品JP1/Baseと同じ論理ホストで実行します。
JP1/Base

JP1/IM - RLにログイン中に,認証サーバがフェールオーバーによって切り替わった場合,JP1/IM - RLでは通信障害が発生し,フェールオーバー後に回復します。このような通信障害を回避したい場合は,認証サーバをクラスタシステム以外の場所に設置することをお勧めします。

(2) 共有ディスク上のファイル構成

論理ホスト環境のJP1/IM - RLをセットアップすると,共有ディスク上に次のファイルが作成されます。これらは,論理ホストでJP1/IM - RLを実行するために必要なファイルです。

表4-4 共有ディスク上のファイル構成

共有ファイルの種別 フォルダ名
環境設定ファイル 共有フォルダ\JP1RULE\conf\
ルール定義・実行結果情報 共有フォルダ\JP1RULE\data\
ルール実行時一時ファイル 共有フォルダ\JP1RULE\work\
ログファイル 共有フォルダ\JP1RULE\log\

(3) JP1/IM - RLのサービスおよびプロセス

クラスタ運用でのJP1/IM - RLは,論理ホストのサービスまたはプロセスを実行します。

論理ホスト環境のJP1/IM - RLをセットアップすると,次のサービスがWindowsに登録されます。このサービスをクラスタソフトに登録して実行します。

表4-5 JP1/IM - RLのサービス

表示名称 サービス名
JP1/RuleManager_論理ホスト名 JP1_RuleManager_論理ホスト名

表示名称の欄は,[コントロールパネル]−[管理ツール]−[サービス]で表示される名前です。また,クラスタソフトからサービスをnetコマンド(net startやnet stop)で制御する場合は,この名前をnetコマンドに指定します。

サービス名の欄は,MSCS(Microsoft Cluster Service)に登録する場合の名前です。これをMSCSの「サービス名」の設定項目に指定します。

(4) 通信方式

論理ホストのJP1/IM - RLをセットアップすると,JP1/IM - RLの通信方式をIPバインド方式と呼ぶ方式に設定します。IPバインド方式に変更するのは,論理ホストと物理ホストの両方の環境が対象です。

通信方式には,IPバインド方式とANYバインド方式の2種類があります。これは,通信するときに使用するIPアドレスを,内部処理で割り当て(バインド)をする方法をきめます。

通信方式については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のJP1/Baseの通信方式に関する説明を参照してください。JP1/IM - RLは,JP1/Baseと同じ通信方式で通信をします。

(5) 共通定義情報の設定

論理ホストのJP1/IM - RLをセットアップすると,共通定義情報に,論理ホスト用の設定情報が設定されます。

共通定義情報とは,JP1の設定情報を格納するデータベースで,JP1/Baseが管理しています。設定情報のデータは,各サーバのローカルディスク上に,次のような形式で格納されています。

図4-3 共通定義情報

[図データ]

共通定義情報は,物理ホスト(JP1_DEFAULT)および論理ホストごとに分かれて格納されています。物理ホストおよび論理ホスト単位に,jbssetcnfコマンドで設定し,jbsgetcnfコマンドで読み出します。

論理ホストの共通定義情報は,各サーバで同じ内容になるようにします。セットアップ時および設定変更時は,設定をした実行系サーバの共通定義情報を,待機系サーバへコピーして設定します。

なお,共通定義情報は,JP1/IM - RL,JP1/Base,JP1/IM - Manager,JP1/IM - CM,JP1/AJS2などが設定情報を格納するために使用しています。

[目次][前へ][次へ]


[他社商品名称に関する表示]

All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2008, Hitachi, Ltd.