JP1/Base 運用ガイド
JP1/Baseは,JP1/Base独自のhosts情報を持つことで,OSに左右されずにIPアドレス解決ができます。JP1/Base本体は,共通定義情報にJP1/Base独自のhosts情報(jp1hosts情報)を登録すると,接続先ホストの物理ホスト名や論理ホスト名に対応していないIPアドレスでも通信ができるようになります。例えば,一つのホスト名から複数のIPアドレス解決ができないOSであっても,jp1hosts情報を定義すると,JP1/Baseは一つのホスト名に対して複数のIPアドレス解決ができるようになります。なお,jp1hosts情報はJP1/Baseインストール時には存在しません。必要に応じて共通定義情報に登録する必要があります。なお,JP1/Baseが提供する各機能のjp1hosts情報への対応状況については,「付録H 通信設定の変更対応」を参照してください。
- 注意事項
- jp1hosts情報を設定した場合,jp1hosts情報に定義されたホスト名,およびIPアドレスに関してはhostsファイルやDNSの定義は参照されません。
- (例)
- jp1hosts情報:
hostA 100.0.0.10, 200.0.0.10- hostsファイル:
100.0.0.10 hostA hostB 200.0.0.10 hostC- 上記設定の場合,hostAおよび100.0.0.10と200.0.0.10のIPアドレスに関してはhostsファイルは参照されません。
jp1hosts情報を共通定義情報に登録する必要があるのは,次の場合です。
- 複数ネットワークに接続されるホストをクラスタ運用する場合
- 接続先ホストに接続する際に使用するIPアドレスで正しく通信ができない場合
jp1hosts情報を共通定義情報に登録する手順を次に示します。
- jp1hosts定義ファイルを編集する。
jp1hosts定義ファイルは,デフォルトで提供されています(jp1hostsファイルが該当します)。格納場所は,Windowsの場合インストール先フォルダ\conf\,UNIXの場合/etc/opt/jp1base/conf/です。ただし,デフォルトのままでは利用できません。このファイルを利用する場合は,運用に合わせて編集してください。なお,独自にjp1hosts定義ファイルを作成,編集することもできますが,この場合も格納場所は,デフォルト提供されているjp1hostsファイルと同じ場所にしてください。jp1hosts定義ファイルの形式については,「(1)jp1hosts定義ファイルの形式」を参照してください。
- jbshostsimportコマンドを実行して共通定義情報に登録する。
次のようにコマンドを実行します。
jbshostsimport {-o|-r} jp1hosts定義ファイル名 [-h 論理ホスト名]なお,共通定義情報に登録したjp1hosts情報を確認する場合は,jbshostsexportコマンドを利用してください。また,これらのコマンドの詳細については,「13. コマンド」を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) jp1hosts定義ファイルの形式
(1) jp1hosts定義ファイルの形式
jp1hosts定義ファイルは,一つのエントリーに対して1行の形式で表します。1行に記述できる文字数は,255バイト以内です。
jp1hosts定義ファイルの形式を次に示します。
「#」以降は改行されるまでコメントになります。
「ホスト名 IPアドレス, IPアドレス, IPアドレス」は,ホスト情報です。この行にはホスト名とIPアドレスの対応を記述します。ホスト名およびIPアドレスにはASCII文字だけが使用できます。また," / \ [ ] ; : | = , + ? < >の文字は使用できません。ホスト名とIPアドレスの間は一つ以上の半角スペースかタブ文字で区切ってください。また,IPアドレスとして認識できる文字列はホスト名として利用できません。
IPアドレスを複数指定する場合は,「,」で区切ってください。「,」の前後の半角スペース,タブ文字は入力しても無視されます。なお,各IPアドレスの指定形式はW.X.Y.Zだけです(W,X,Y,Zはそれぞれ0以上255以下の数値を指定してください)。
一つのホスト名に対して指定できるIPアドレスの数は4です。また,同じホスト名の複数指定はできません。複数指定した場合,そのjp1hosts定義ファイルは,jbshostsimportコマンドを実行した際にエラーとなります。
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