JP1/Base 運用ガイド
JP1/Baseは,JP1/Base自体の通信方式を変更すると,ネットワークを分離した環境でも運用できるようになります。JP1/Base本体の通信方式は,通信方式設定ファイルを共通定義情報に反映すると変更できます。なお,JP1/Baseが提供する各機能の通信方式設定ファイルへの対応状況については,「付録H 通信設定の変更対応」を参照してください。
JP1/Base本体の通信方式を変更する必要があるのは次の場合です。
- 複数ネットワークに接続されるホストをクラスタ運用する場合
複数ネットワークに接続されるホストを物理ホストとしてしか使用しない場合は,通信方式を選択する必要はありません。
共通定義情報に通信方式設定ファイルを反映する場合,jbssetcnfコマンドを利用します。なお,通信方式設定ファイルには,次の表に示す七つのファイルがあり,格納場所は,Windowsの場合インストール先フォルダ\conf\,UNIXの場合/etc/opt/jp1base/conf/です。
通信方式設定ファイル 用途 physical_ipany.conf 受信をIPバインド方式,送信をANYバインド方式にする場合に使用します。主にクラスタ運用している物理ホストの通信方式を変更する場合に使用します。 logical_ipany.conf 受信をIPバインド方式,送信をANYバインド方式にする場合に使用します。主にクラスタ運用している論理ホストの通信方式を変更する場合に使用します。なお,このファイルは編集し直す必要があります。 physical_recovery_0651.conf 共通定義情報に反映した通信方式を06-51以前の通信方式に戻す場合に使用します。主に物理ホストで設定した通信方式を06-51以前の通信方式に戻す場合に使用します。 logical_recovery_0651.conf 共通定義情報に反映した通信方式を06-51以前の通信方式に戻す場合に使用します。主に論理ホストで設定した通信方式を06-51以前の通信方式に戻す場合に使用します。なお,このファイルは編集し直す必要があります。 physical_anyany.conf 送受信共にANYバインド方式にする場合に使用します。主にクラスタ運用していたホストを物理ホスト運用に戻す場合に使用します。このファイルを使用すると,物理ホストがANYバインド方式になります。ただし,この場合,同一ホスト上では,論理ホストと併用できなくなります。 physical_ipip.conf 送受信共にIPバインド方式にする場合に使用します。主にファイアウォール通過用に,送信時のIPアドレスを明示的に特定する場合に使用します。
この設定を複数のネットワークに接続されるホストで行うと,一つのネットワークだけしか使用できなくなります。logical_ipip.conf 送受信共にIPバインド方式にする場合に使用します。主にファイアウォール通過用に,送信時のIPアドレスを明示的に特定する場合に使用します。なお,このファイルは編集し直す必要があります。
この設定を複数のネットワークに接続されるホストで行うと,一つのネットワークだけしか使用できなくなります。複数ネットワークに接続されるホスト上の物理ホストに対し,通信方式設定ファイルの内容を反映させる場合は,次のようにjbssetcnfコマンドを実行してください。
jbssetcnf physical_ipany.confまた,複数ネットワークに接続されるホスト上の論理ホストに対し,通信方式設定ファイルの内容を反映させる場合は,logical_ipany.confをエディターなどで開き,[LOGICALHOSTNAME\JP1BASE]のLOGICALHOSTNAMEをクラスタシステム用の設定をした際に指定した論理ホスト名に修正してから,次のようにjbssetcnfコマンドを実行してください。
jbssetcnf logical_ipany.conf
All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2008, Hitachi, Ltd.