JP1/Base 運用ガイド
この節では,複数ネットワークでのJP1/Baseの運用および必要となる通信設定について説明します。
NICを複数枚使用して複数ネットワークに接続されるホスト上で物理ホストしか使用しない場合は,デフォルト(ANYバインド方式)のまま使用できます。通信設定の必要はありません。
一方,NICを複数枚使用して複数ネットワークに接続されるホスト上で論理ホストを使用(クラスタ運用)している場合,通信設定が必要となります。この場合の通信設定について,次に示すシステム構成例を基に説明します。
図11-2 複数ネットワークに接続されるホスト上のJP1/Baseをクラスタ運用する場合のシステム構成例
- <この節の構成>
- (1) 設定条件
- (2) 通信の考え方
- (3) 通信設定
(1) 設定条件
次に示す条件を満たす場合,通信設定が必要となります。
- hostAには2枚のNICがあり,それぞれ別のサブネットを構築している。
- ホスト名hostA(物理ホスト)はIPアドレス10.0.0.10で解決され,ホスト名logicalA(論理ホスト)はIPアドレス20.0.0.10で解決される。
(2) 通信の考え方
物理ホストhostAはサブネット1側に存在するホストとして扱われ,論理ホストlogicalAはサブネット2だけに接続されたホストとして動作します。このままでは,サブネット1にあるhostXはhostAと通信できますが,logicalAとは通信できません。同様にサブネット2にあるhostYはlogicalAと通信できますが,hostAとは通信できません。このため,hostXとlogicalAが通信できるように,また,hostYとhostAが通信できるように設定する必要があります。
(3) 通信設定
すべてのホスト間で通信ができるように,サブネット間でルーティングを設定してください(JP1/Base自体の通信設定を変更する必要はありません)。JP1/Baseが使用するポート番号については,「付録C.1 JP1/Baseのポート番号」を参照してください。ルーティングを設定するとhostXとlogicalAが通信でき,また,hostYとhostAが通信できるようになります。
なお,ルーティング機能がない,サブネット間での相互通信をさせたくないなどの理由で,ルーティングを設定しないでネットワークを分離した環境でJP1/Baseを運用する場合,JP1/Baseの通信設定を変更すればその環境に対応できます。06-71からサポートされた機能で,複数LAN接続と呼ばれる機能です。詳細については,「11.3 ネットワークを分離した環境での運用」を参照してください。
All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2008, Hitachi, Ltd.