JP1/Base 運用ガイド
システム内の各ホスト上では,「ディスク容量が不足しています」「通信エラーが発生しました」など,さまざまな事象が発生します。JP1/Baseでは,このような事象のうち,JP1/Baseに通知される事象をJP1イベントとして管理できます。
JP1/Baseのイベントサービスには次に示す特長があります。
- JP1イベントをイベントデータベースに保存する。
JP1/Baseに通知されたJP1イベントは,イベントデータベースと呼ばれるファイルに蓄積されます。イベントデータベースは,各ホストのJP1/Baseに存在します。
- JP1イベントをほかのホストへ転送する。
各ホストで発生したJP1イベントを上位の管理サーバへ転送できます。転送設定ファイルのフィルターに,上位の管理サーバへ転送したいJP1イベントの条件を指定すると,重要なJP1イベントだけを上位の管理サーバへ転送できます。これによって,各ホストの状態を管理サーバで監視したり,対処の必要な事象が発生した場合に管理サーバ上で素早く検知して対処したりできます。
また,JP1イベントの転送が,ネットワークの障害や転送先イベントサーバの停止によって失敗した場合,自動的に転送をリトライできます。
- バージョン5以前の製品であるJP1/SESおよびJP1/AJSのイベントサービス機能との上位互換性を持つ(一部機能を除く)。
UNIX上のバージョン5以前の製品であるJP1/SESが発行するイベント,およびWindows NT上でバージョン5以前の製品であるJP1/AJSのコマンドを使用して発行するイベントも取得できます。
これらのイベントサービス機能をイベントサーバと呼ばれるプログラムが管理しています。イベントサーバを起動すると,JP1イベント送信・受信できる状態になります。
イベントサービス環境の設定では,イベントサーバが使用するディレクトリの指定やJP1イベントを転送するための動作環境を,環境設定ファイルで設定します。通常は設定を変更する必要はありません。複数のドメインで構成されたシステムをご利用の場合は,デフォルトのイベントサーバ設定の代わりに,FQDN形式のイベントサーバ名を持つイベントサーバに設定を変更する必要があります。FQDN形式のイベントサーバの設定の詳細については,「6.4.4 DNSを使ったシステムでのイベントサーバの設定」を参照してください。
環境設定ファイルの設定については,次節で説明します。
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