JP1/Integrated Management - Central Information Master システム構築・運用ガイド
トラブルが発生したときに資料を採取する方法を次に示します。
- <この節の構成>
- (1) プロセスの状態を確認する
- (2) JP1/IM - View用スレッドダンプを出力する
- (3) 資料採取ツールを実行する
- (4) オペレーション内容を確認する
- (5) 画面上のエラー情報を採取する
- (6) ユーザーダンプを採取する(Windows Vista限定)
- (7) 問題レポートを採取する(Windows Vista限定)
Windowsのタスクマネージャーを使用して,プロセスの動作状態を確認してください。正常に動作している場合に表示されるプロセスを次に示します。
(a) JP1/IM - CM
JP1/IM - CMのプロセスを次に示します。なお,表内の括弧( )内の数値は同時に実行するプロセス数です。
表13-9 JP1/IM - CMのプロセス
親プロセス名 機能 子プロセス名 機能 jcm_spmd.exe
(1)JP1/IM - CMのプロセス管理 jcmmain.exe
(1)JP1/IM - CMサービス
(プロセス管理表示名:jcmmain)jcm_service.exe
(1)JP1/IM - CMのWindowsサービス制御 - - クラスタシステムで運用する場合,物理ホストおよび論理ホストごとに,上記のプロセスを実行します。同時に実行するプロセス数は,実行している物理ホストおよび論理ホストの数に,上記のプロセス数を掛けた数になります。
表中で,親プロセスがjcm_spmd.exeであるプロセスはプロセス管理が制御しており,jcm_spmd_statusコマンドでプロセスの状態を確認できます。
正常に動作している場合の表示例を次に示します。
c:\>jcm_spmd_status KAVB3690-I JP1_IMCM の状態通知処理を開始します 稼働中のプロセスを表示します プロセス名称 プロセスID jcmmain 2325 KAVB3691-I プロセスはすべて起動しています(b) JP1/IM - View
JP1/IM - Viewのプロセスを次に示します。なお,表内の括弧( )内の数値は同時に実行するプロセス数です。
表13-10 JP1/IM - Viewのプロセス
親プロセス名 機能 子プロセス名 機能 jcoview.exe
(3)JP1/IM - Viewのプロセス管理 jcoview_evt.exe
(3)スレッドダンプ出力イベントの送信 java.exe
(3)JP1/IM - Viewの画面制御
(2) JP1/IM - View用スレッドダンプを出力する
- JP1/IM - View(セントラルインフォメーションマスター・ビューアー)
次の手順に従いダンプファイルを出力してください。
- タスク マネージャを開く。
- [アプリケーション]ページ上でJP1/IM - Viewを選択し,ポップアップメニューから[手前に表示]を選択する。
これにより操作不能になったJP1/IM - Viewかどうかを特定します。操作不能なJP1/IM - Viewを特定できた場合,次に進みます。
- ポップアップメニューから[プロセスを表示]を選択する。
[プロセス]ページに切り替わります。JP1/IM - Viewのjava.exeが選択された状態で表示されるため,これによりプロセスID(PID)※を特定します。
注※ PID項目がない場合はメニューの[表示]-[列の選択]を選択し,[列の選択]画面で[PID(プロセスID)]にチェックを入れてください。
- 特定できたプロセスIDを引数にして,jcothreaddmpコマンドを実行する。
jcothreaddmpコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager リファレンス」のjcothreaddmpコマンドを参照してください。
資料採取ツール(jcm_log.batまたはjcoview_log.bat)を実行します。
JP1/IM - CMで提供しているjcm_log.batを実行すれば,同ホスト上のJP1/IM - CMの障害調査に必要な資料を採取できます。また,JP1/IM - Viewで提供しているjcoview_log.batを実行すれば,同ホスト上のJP1/IM - Viewの障害調査に必要な資料を採取できます。jcoview_log.batについては,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager リファレンス」のトラブルシューティングの資料の採取方法を参照してください
なお,資料採取ツールで採取する資料の総容量は膨大になるため,実行する前に容量を見積もり,使用しているマシンの空き容量を確認する必要があります。
- jcm_log.batコマンドの場合
- オプションを何も指定せずに物理ホストの資料を採取するときは,以下の方法によって,採取資料のサイズを見積もることができます。
- データサイズ = 5 + a + b + c + d + e + f + g + h + i +j(単位:MB)
a:CMasterパス\JP1CMaster\log\以下のデータサイズ(最大60MB) b:CMasterパス\JP1CMaster\DB\以下のデータサイズ(最大2GB) c:CMasterパス\JP1CMaster\conf\以下のデータサイズ(最大1MB) d:CMasterパス\JP1CMaster\default\以下のデータサイズ(最大1MB) e:Baseパス\JP1Base\log\以下のデータサイズ(最大187MB) f:Baseパス\JP1Base\sys\以下のデータサイズ(最大55MB※1) g:Baseパス\JP1Base\conf\以下のデータサイズ(最大1MB) h:Baseパス\JP1Base\default\以下のデータサイズ(最大1MB) i:ワトソンログ・クラッシュダンプのデータサイズ j:以下のファイルの合計値 システムルート(c:\WINNT\など)\system32\config\AppEvent.evt システムルート(c:\WINNT\など)\system32\config\SysEvent.evt 注※1 デフォルト値です。イベントDBのサイズを変更した場合,データサイズは増加または減少します。- 論理ホストだけをオプション指定(-hオプションだけ指定)し,論理ホストの資料を採取するときは,以下の方法により,採取資料のサイズを見積もることができます。
- データサイズ = 5 + a + b + c + d + e + f + g + h + i + j + k + l + m + n + o + p(単位:MB)
k:共有ディスク\JP1CMaster\log\以下のデータサイズ(最大60MB) l:共有ディスク\JP1CMaster\DB_論理ホスト名\以下のデータサイズ(最大2GB) m:共有ディスク\JP1CMaster\conf\以下のデータサイズ(最大1MB) n:共有ディスク\JP1Base\log\以下のデータサイズ(最大187MB) o:共有ディスク\JP1Base\event\以下のデータサイズ(最大55MB※1) p:共有ディスク\JP1Base\conf\以下のデータサイズ(最大1MB) 注※1 デフォルト値です。イベントDBのサイズを変更した場合には増加します。- 各フォルダのデータサイズはエクスプローラの右クリックからフォルダのプロパティを表示することで確認できます。
次に,ツールの実行例を示します。
C:\>"C:\Program Files\HITACHI\JP1CMaster\tools\jcm_log.bat" 資料格納フォルダ資料格納フォルダはフルパスで指定してください。また,資料格納フォルダが空白を含むフォルダの場合,"で囲んで指定してください。
ツールを実行すると,資料格納フォルダに指定したフォルダ下にjp1_defaultフォルダができ,そこに採取した資料がコピーされます。なお,採取した資料は,圧縮ツールを使用して圧縮してください。
(4) オペレーション内容を確認する
トラブル発生時のオペレーション内容を確認し,記録しておいてください。確認が必要な情報を次に示します。
- オペレーション内容の詳細
- 発生時刻
- 再現性
- JP1/IM - View(セントラルインフォメーションマスター・ビューアー)からログインしている場合は,ログインユーザー名
- マシン構成(各OSのバージョン,ホスト名,統合コンソールの構成)
(5) 画面上のエラー情報を採取する
画面にエラーが表示された場合は,その情報も採取します。次に示すハードコピーを採取してください。
- エラーダイアログボックスのハードコピー
詳細ボタンがある場合はその内容をコピーしてください。
(6) ユーザーダンプを採取する(Windows Vista限定)
Windows VistaでJP1/IM - Viewのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,エラーダイアログが表示されている状態で,次の手順でユーザーダンプを採取してください。
- 注意事項
- エラーダイアログを消してしまうと正常なダンプは取得されないため,ユーザーダンプを採取できなくなってしまいます。誤って採取前にエラーダイアログを([OK]ボタンなどをクリックして)消してしまった場合は,現象を再現させてからユーザーダンプを採取してください。
- タスクマネージャを起動する。
タスクマネージャは次のどちらかの手順で起動できます。
- タスクバーの空いている場所で右クリックをして「タスクマネージャ」を選択する。
- Ctrl+Shift+Escキーを押してタスクマネージャを起動する。
- [プロセス]タブをクリックする。
- アプリケーションエラーで停止したJP1/IM - Viewのプロセス名を右クリックし,「ダンプファイルの生成」を選択する。
- ユーザーダンプの出力先パスを示すダイアログが表示されるので,そこから採取する。
(7) 問題レポートを採取する(Windows Vista限定)
Windows VistaでJP1/IM - Viewのプロセスがアプリケーションエラーで停止した場合,次の手順で問題レポートを採取してください。
- [ファイル名を指定して実行]のテキストボックスに「wercon」と入力し,[OK]ボタンをクリックする。
[問題のレポートと解決策]ダイアログが開きます。
- 左側の領域で,[問題の履歴の表示]をクリックする。
- 該当する問題をダブルクリックする。
問題レポートの詳細が表示されます。
- 「クリップボードにコピー」を選択する。
- コピーした内容を,テキストファイルにコピーして保存する。
保存した問題レポートを,障害調査用の資料として利用してください。
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