Collaboration - File Sharing ユーザーズガイド

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1.5.2 File Sharingの使用例

File Sharingが提供する個人フォルダ,グループフォルダおよびコミュニティフォルダの使い方について,仮に,ある会社の東京本社設計部に所属している日立花子さんを想定して説明します。日立花子さんは,会社の新商品開発プロジェクトに,設計担当者として参加しているとします。このときの,個人フォルダの使用例,コミュニティフォルダの使用例とグループフォルダの使用例を紹介します。また,日立花子さんがコミュニティフォルダのファイルを更新する操作例についても紹介します。

<この項の構成>
(1) 個人フォルダの使用例
(2) コミュニティフォルダの使用例
(3) グループフォルダの使用例
(4) ファイルを操作する例

(1) 個人フォルダの使用例

図1-4 個人フォルダの使用例

[図データ]

日立花子さんは,新商品の仕様書を作成中です。仕様書は,File Sharingサーバシステム上の自分の個人フォルダに格納してあります。

日立花子さんは,新商品の戦略会議に出席するために,北九州支社に出張しました。

北九州支社での会議終了後,会議で話し合われた内容を作成中の仕様書にも盛り込みたいと考えました。そこで,北九州支社のPCを使って,Webブラウザから自分の個人フォルダに格納してある仕様書を参照,更新しました。

また,東京本社の同僚に,更新した仕様書を早速チェックしてもらおうと考えました。まず,北九州支社のPCのWebブラウザを使って[ファイル共有]ポートレットを開き,仕様書の参照権を同僚に付与しました。次に,[メール]ポートレットで作成したメールの本文に,仕様書のURLを貼り付けて同僚に送信しました。同僚は,[メール]ポートレットで受信したメールを開き,配布URLをクリックして仕様書を見ることができました。

このように,日立花子さんは,必要なファイルをFDやCD-ROMなどの媒体に格納したり,ノートPCなどのモバイル端末を持ち歩いたり,ファイルをメールに添付したりすることなく,遠隔地から自分のファイルを操作できます。

(2) コミュニティフォルダの使用例

図1-5 コミュニティフォルダの使用例

[図データ]

新商品開発プロジェクトには,東京本社の設計担当者,北九州支社の営業担当者,および大阪支社の検査担当者が参加しています。

そこで,東京本社,北九州支社,および大阪支社のプロジェクトの全担当者が参加するコミュニティと,コミュニティ内で使用できる電子会議室およびコミュニティフォルダが作成されました。

日立花子さんは,完成した仕様書を,Webブラウザを使って個人フォルダからコミュニティフォルダに移動しました。

日立花子さんは,コミュニティ内の電子会議室で,プロジェクトの参加者に仕様書のレビューを依頼しました。このとき,議題の本文に,コミュニティフォルダに格納した仕様書のURLを貼り付けました。

プロジェクトの参加者は,配布URLをクリックして仕様書を参照し,問題点を電子会議室で指摘しました。

日立花子さんは,電子会議室で受けた指摘に基づいて,コミュニティフォルダ内の仕様書を,Webブラウザを使って修正しました。修正版をプロジェクトの参加者に確認してもらい,レビューが完了しました。

このように,日立花子さんが仕様書をメールに添付するなどの手間を掛けたり,参加者が間違えて旧版のファイルを参照してしまったりすることがないため,プロジェクトの参加者は常に最新の状態のファイルを共有でき,レビューを効率的に進められます。

(3) グループフォルダの使用例

グループフォルダの使用例1:

図1-6 グループフォルダの使用例1

[図データ]

日立花子さんが所属する東京本社では,東京本社が使用できるグループフォルダの下位に,部単位で使用できるグループフォルダが作成されています。部単位で使用できるグループフォルダには,所属する部員は参照,作成,更新および削除ができるように,東京本社の設計部員以外の社員は参照だけできるようにアクセス権が設定されています。

日立花子さんが所属する設計部の「設計部」フォルダには,「部内規則」フォルダや「部内通達」フォルダが作成されていて,それぞれのフォルダで部内規則や部内通達を管理しています。

日立太郎さんは,部内規則の改定者です。部内規則を管理している「部内規則」フォルダは,日立太郎さんだけが参照,作成,更新および削除ができるように,設計部員は参照だけできるように,東京本社の設計部員以外の社員は参照できないようにアクセス権が設定されています。

このように,グループフォルダでは,特定の組織や特定のユーザだけがファイルやフォルダを参照できるような運用ができます。また,特定の組織や特定のユーザだけがファイルを更新できるようなアクセス権の設定もできるので,ほかのユーザが更新しているファイルを誤って更新する心配がありません。

グループフォルダの使用例2:

図1-7 グループフォルダの使用例2

[図データ]

日立花子さんは,新商品の部内説明会を実施することになりました。そこで,説明会の開催を部内に通知します。

日立花子さんは,完成した仕様書を,Webブラウザを使ってコミュニティフォルダからグループフォルダにコピーしました。

日立花子さんは,部内の電子掲示板に,部内説明会の開催通知を掲示しました。このとき,記事に,グループフォルダに格納した仕様書を添付しました。

掲示を参照した部員は,記事の添付ファイルを開いて,仕様書を参照できました。

また,開発部の鈴木次郎さんに,説明会でのアドバイザーを依頼しようと考えました。

日立花子さんは,[メール]ポートレットで作成したメールの本文に,仕様書の配布URLを貼り付けて鈴木次郎さんに送信しました。鈴木次郎さんは[メール]ポートレットで受信したメールを開き,配布URLをクリックして仕様書を見ることができました。

このように,部内のグループフォルダで管理するファイルを,電子掲示板を使って部内で参照したり,アクセス権の設定によってほかの部の部員も参照したりできるため,社内や部内などの組織の形態に合わせたファイルやフォルダの運用ができます。

(4) ファイルを操作する例

日立花子さんは新商品開発プロジェクトで抱えている懸案事項を,「懸案事項.doc」としてまとめました。コミュニティフォルダを利用して,「懸案事項.doc」をプロジェクト内で共有しながら,更新する例について説明します。

「懸案事項.doc」は,日立花子さんのPCのローカルディスクに格納してあります。