COBOL2002 ユーザーズガイド

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35.5.5 最終生成物の種類(プロジェクトの種類)の設定

最終生成物の種類(開発マネージャでは,プロジェクトの種類)を設定するコンパイラオプションについて,説明します。

注※
最終生成物とは,コンパイラが最終的に生成する実行可能ファイル,DLL,または標準ライブラリのことを示します。
<この項の構成>
(1) -Mainオプション
(2) メインプログラムなし
(3) -Dllオプション(-Dll指定(DLLを作成する))
(4) -OleServerオプション(32bit版PC(x86) COBOL2002で有効)
(5) CGIメインプログラム(32bit版PC(x86) COBOL2002で有効)
(6) 標準ライブラリ

(1) -Mainオプション

(a) 形式
 
-Main,{System|V3} ファイル名
(b) 機能

最外側のプログラムをアプリケーションの主プログラムとしてコンパイルします。

ファイル中に複数の最外側のプログラムがあるときは,先頭の最外側のプログラムを主プログラムとしてコンパイルします。

-Main,System ファイル名(System指定メインプログラム
最外側のプログラムをアプリケーションの主プログラムとしてコンパイルします。
このとき,主プログラムが制御プログラムから受け取る引数の形式を,システム固有のargc,argv形式に合わせます。
なお,開発マネージャでは,プロジェクトの種類で「System指定メインプログラム」を選び,「メインファイルを指定する」オプションにメインファイルを指定すると,-Main,Systemオプションが指定されます。

-Main,V3 ファイル名(V3指定メインプログラム
最外側のプログラムをアプリケーションの主プログラムとしてコンパイルします。
このとき,主プログラムが制御プログラムから受け取る引数の形式を,メインフレーム(VOS3)に合わせます。
なお,開発マネージャでは,プロジェクトの種類で「V3指定メインプログラム」を選び,「メインファイルを指定する」オプションにメインファイルを指定すると,-Main,V3オプションが指定されます。
(c) 注意事項

(2) メインプログラムなし

開発マネージャ上でプロジェクトをビルドする場合に,メインのCOBOLソースファイルを指定しないとき,このオプションを指定します。「メインプログラムなし」を指定したプロジェクトは,メインプログラムのオブジェクトファイルまたはライブラリを,プロジェクトに登録する必要があります。

このコンパイル方式を選んだ場合で,作成しようとしているCOBOLプログラムが次の二つの条件を満たすときは,-MainNotCBLオプションを指定する必要があります。

このプロジェクトの種類で指定できるオプションは,-Main,Systemオプション(System指定メインプログラム)または-Main,V3オプション(V3指定メインプログラム)を指定して実行可能ファイルを生成する場合に準じますが,次のオプションは指定できません。

「メインファイルを指定する」

このオプションは,開発マネージャだけで指定できます。

(3) -Dllオプション(-Dll指定(DLLを作成する)

(a) 形式
 
-Dll,{Stdcall|Cdecl}
-Dll
-noDll
(b) 機能

DLL形式のオブジェクトファイルを出力します。-Dllオプションを指定しない場合は,実行可能ファイル(.exe)形式のオブジェクトファイルを出力します。

-Dllオプションを指定した場合,同時に指定したCOBOL原始プログラムは,すべてDLL形式のオブジェクトファイルとなります。

なお,開発マネージャでは,「-Dll指定(DLLを作成する)」を選ぶと,-Dllオプションが指定されます。

-Dll,Stdcall(Dllの属性をstdcallにする)(32bit版PC(x86) COBOL2002で有効)
DLLの属性をstdcallにします。
なお,開発マネージャでは,「-Dll指定(DLLを作成する)」と合わせて「Dllの属性をstdcallにする」を選ぶと,-Dll,Stdcallオプションが指定されます。

-Dll,Cdecl(Dllの属性をcdeclにする)(32bit版PC(x86) COBOL2002で有効)
DLLの属性をcdeclにします。
なお,開発マネージャでは,「-Dll指定(DLLを作成する)」と合わせて「Dllの属性をcdeclにする」を選ぶと,-Dll,Cdeclオプションが指定されます。

-Dll( Dllの属性をfastcallにする)(64bit版PC(x64) COBOL2002で有効)
DLLの属性をfastcallにします。

-noDll
-Dllオプションの指定を打ち消します。
(c) 注意事項

(4) -OleServerオプション(32bit版PC(x86) COBOL2002で有効)

(a) 形式
 
-OleServer,{Dll|Exe}〔,RegSet〕
-noOleServer
(b) 機能

OLE2サーバを生成したい場合に指定するオプションです。詳細は,「26.3 OLE2オートメーションサーバの作成と利用(32bit版PC(x86) COBOL2002で有効)」を参照してください。

-OleServer,Dll(OLEインプロセスサーバプログラム
OLE2サーバをインプロセスサーバ(.DLL)として生成します。
なお,開発マネージャでは,「OLEインプロセスサーバプログラム」を選ぶと,このオプションが指定されます。

-OleServer,Exe(OLEアウトオブプロセスサーバプログラム
OLE2サーバをアウトオブプロセスサーバ(.EXE)として生成します。
なお,開発マネージャでは,「OLEアウトオブプロセスサーバプログラム」を選ぶと,このオプションが指定されます。

-OleServer,xxxxx,RegSet
コンパイル時,OLE2サーバをレジストリへ自動登録します。
xxxxxには,Dll,Exeのどちらかを指定します。
なお,開発マネージャでは,「OLEインプロセスサーバプログラム」または「OLEアウトオブプロセスサーバプログラム」のサブオプション「RegSet」を選ぶと,このオプションが指定されます。

-noOleServer
-OleServerオプションの指定を打ち消します。
-OleServer,Dllオプションを指定した場合,-Dll,Stdcallオプションが仮定されますが,-noOleServerオプションを指定しても,仮定された-Dll,Stdcallオプションは打ち消されません。
(c) 注意事項

(5) CGIメインプログラム(32bit版PC(x86) COBOL2002で有効)

COBOLソースからCGIプログラムを作成します。

この項目を指定した場合,次の機能が使用できるようになります。

また,CGIメインプログラムを指定した場合,-Lib,CUIオプションが指定され,コンソールプログラムとして生成されます。

プロジェクトの作成時,プロジェクトの種類で「CGIメインプログラム」を選んだ場合,この項目が指定されます。

このオプションは,開発マネージャだけで指定できます。

注意事項
一度「CGIメインプログラム」を選んだあと,ほかのプロジェクトの種類を選び直した場合,-Lib,CUIオプションが指定されたままの状態になるので注意してください。

(6) 標準ライブラリ

COBOLソースから標準ライブラリを作成します。

プロジェクトの作成時に,最終生成物の種類で「標準ライブラリ」を選んだ場合,この項目が指定されます。

このプロジェクトによって生成された標準ライブラリをリンクする実行可能プログラムが次の条件を満たす場合,-MainNotCBLオプションを指定する必要があります。

このプロジェクトの種類を選んだ場合,プロジェクトに指定できるオプションは-Main,Systemまたは-Main,V3オプションを指定した場合と同じです。ただし,次のオプションは指定できません。

-SimMain,-SimSub,-SimIdent,-Lib,「リンク処理をしない」,「メインファイルを指定する」

このオプションは,開発マネージャだけで指定できます。