Groupmax クライアント Version 6 運用・構築ガイド

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3.4.5 電子帳票機能で障害が発生した場合の情報採取

電子帳票(Form)を使用中に障害が発生した場合は,障害の発生に合わせて,次の情報を採取してください。

各トレース情報の採取方法について以下に説明します。また,障害が発生した場合にバージョンレビジョンなどの情報を取得するためのツール(情報採取ツール),及びODBCのトレース情報を取得する方法について説明します。

注 電子帳票で障害が発生した場合,弊社にて障害を再現させて調査します。そのため,トレース情報以外に以下の資料の提供をお願いします。
  • 電子帳票で障害が発生したときのエラーメッセージ(ハードコピー)
  • 再現調査を実施するために必要な伝票のファイルなど
  • 現象が発生するまでの詳細な手順
<この項の構成>
(1) 電子帳票コマンドトレース機能
(2) 案件情報トレース機能
(3) 共用キャビネット連携処理トレース機能
(4) Formメモリ管理ログ出力機能
(5) エラーメッセージログ出力機能
(6) 情報取得ツールの実行方法
(7) ODBCトレースの採取方法

(1) 電子帳票コマンドトレース機能

帳票実行時のコマンドトレースを取得するときには,次のようにレジストリキーを設定・変更する必要があります。

注意
ログ情報を取得する操作が終了したら,システムの負荷が大きくなるのを防ぐためにレジストリキーのCommandを「OFF」にしてください。

レジストリキーの設定方法については「3.5 レジストリキーの設定方法」を参照してください。

次に,トレース情報で採取する情報及び変更するレジストリの位置と値を示します。

採取情報
採取したログファイルは,レジストリの「Path」に指定したディレクトリ下に格納されます。
採取したログファイルのファイル名はログを取得した日時が付加されます。例えば,電子帳票を1998年8月4日18:00:00に起動した場合,___980804_180000.txtとなります。
下記キーのFileSizeMaxで指定したサイズを超えた場合は,それ以降のコマンドトレースは出力しません。

注※ ログファイル名の先頭の「_」は三つです。

レジストリの位置と値
[図データ]
Command:コマンドトレーススイッチ〈文字列〉
 ON:出力する
 OFF:出力しない
Path:トレースファイル出力先指定〈文字列〉
FileSizeMax:トレースファイル最大サイズ(単位はバイト)〈DWORD値〉
設定値の意味は,次のとおりです。障害発生時には,「0」を設定してください。
 0:無限に出力する
 その他の数値:指定した数値を上限にする

注※ 出荷時の設定では,このレジストリキーは作成されていません。トレース情報を取得する場合には,regeditコマンドなどを使用してこのキーを作成してください。また,電子帳票コマンドトレースのログは,Formが完全に終了した時点で出力されます。ログファイルは,Formが完全に終了した後で参照してください。Commandに「OFF」を設定している場合は,このレジストリキーが存在しない場合と同様に処理します。

(2) 案件情報トレース機能

案件情報トレース機能は,案件コマンド及びWorkflow ClientのAPI関数のトレースと内容の記録を残します。

案件情報トレースを取得するときには,次のようにレジストリキーを設定・変更する必要があります。

注意
ログ情報を取得する操作が終了したら,システムの負荷が大きくなるのを防ぐためにレジストリーキーのTraceLevelを「0」又は「1」にしてください。

レジストリキーの設定方法については「3.5 レジストリキーの設定方法」を参照してください。

次に,トレース情報で採取する情報及び変更するレジストリの位置と値を示します。

採取情報
採取したエラーログ情報は,Form Clientのインストールディレクトリの下のLog\WfTrace\の下に格納します。採取したエラーログ情報のファイル名は,wftrxxxx.log(xxxxは4桁の10進数の通し番号)となります。
ディレクトリが存在しない場合には初回の伝票起動時に新規作成されます。
(例)C:\Gmaxcl\FormにForm Clientをインストールした場合
   C:\Gmaxcl\Form\Log\WfTrace
ログファイルの保存は新しいものからデフォルトで4個とします。
ファイルが最大数まで達した場合,通し番号の若いファイルから順に上書きされます。上書きされたファイルの内容は削除されます。
(例)最大数10の場合,wftr0009.logの次はwftr0000.logに上書きされる。

レジストリの位置と値
[図データ]
Folder:ログファイル出力先フォルダ〈文字列〉
値のデータ設定では,終端に「\」を付加しない。また「"」で囲まないでください。
TraceLevel:ログファイルの出力レベル〈DWORD値〉
設定の意味は次のとおりです。障害発生時には,1又は3を設定してください。
 0:出力しない
 1:エラーが発生したときにレベル3の履歴を出力(デフォルト)
 2:常に履歴を出力
 3:Workflow Clientの関数とそのパラメータも加え常に履歴出力
 4:Workflow Clientの関数の所要時間も加え常に履歴出力
 5:4までの情報を即時出力
MaxFiles:最大履歴数(最大9999・最小2・デフォルト4)〈DWORD値〉
FileNumber:次に使用するログファイル番号を内部的に使用〈DWORD値〉
FileSize:ログファイルのサイズをキロバイト数で設定する〈DWORD値〉
TraceLevelが2以上の場合はログファイルがこのサイズを超えたときに新しいログファイルを作成します(デフォルト128)。

注※ 出荷時には,このレジストリキーは存在しません。しかし,案件処理が最初に実行されたときに作成されます。TraceLevelに「0」を設定している場合は,このレジストリキーが存在しない場合と同様に動作します。

(3) 共用キャビネット連携処理トレース機能

共用キャビネット連携処理トレース機能は,業務文書コマンドおよびDocument ManagerのAPI関数のトレースと内容の記録を残します。

共用キャビネット連携処理トレースを取得するときには,次のようにレジストリキーを設定・変更する必要があります。

注意
ログ情報を取得する操作が終了したら,システムの負荷が大きくなるのを防ぐためにレジストリキーのTraceLevelを「0」又は「1」にしてください。

レジストリキーの設定方法については「3.5 レジストリキーの設定方法」を参照してください。

次に,トレース情報で採取する情報及び変更するレジストリの位置と値を示します。

採取情報
採取したエラーログ情報は,Form Clientのインストールディレクトリの下のLog\DocManの下に格納します。採取したエラーログ情報のファイル名は,dmtrxxxx.log(xxxxは4桁の10進数の通し番号)となります。
ディレクトリが存在しない場合には初回の伝票起動時に新規作成されます。
(例)C:\Gmaxcl\FormにForm Clientをインストールした場合
   C:\Gmaxcl\Form\Log\DocMan
ログファイルの保存は新しいものからデフォルトで4個とします。
ファイルが最大数まで達した場合,通し番号の若いファイルから順に上書きされます。上書きされたファイルの内容は削除されます。
(例)最大数10の場合,dmtr0009.logの次はdmtr0000.logに上書きされる。

レジストリの位置と値
[図データ]
Folder:ログファイル出力先フォルダ〈文字列〉
終端に「\」を付加しないでください。また,「"」で囲まないでください。
TraceLevel:ログファイルの出力レベル〈DWORD値〉
設定値の意味は次のとおりです。障害発生時には,1又は3を設定してください。
 0:出力しない
 1:エラーが発生したときにレベル3の履歴を出力(デフォルト)
 2:常に履歴を出力
 3:Document Managerの関数とそのパラメータも加え常に履歴出力
 4:Document Managerの関数の所要時間も加え常に履歴出力
 5:4までの情報を即時出力
MaxFiles:最大履歴数(最大9999・最小2・デフォルト4)〈DWORD値〉
FileNumber:次に使用するログファイル番号を内部的に使用〈DWORD値〉
FileSize:ログファイルのサイズをキロバイト数で設定する〈DWORD値〉
TraceLevelが2以上の場合はログファイルがこのサイズを超えたときに新しいログファイルを作成します(デフォルト128)。

注※ 出荷時の設定では,このレジストリキーは存在しません。トレース情報を採取する場合には,regeditコマンドなどを使用してこのキーを作成してください。TraceLevelに「0」を設定している場合は,このレジストリキーが存在しない場合と同様に動作します。

(4) Formメモリ管理ログ出力機能

Formメモリ管理ログ機能は,Formメモリ管理の記録を残します。

この機能は,Formのメモリ関数でエラー発生時に自動出力します。

注意
ログ情報を取得する操作を行うと,システムの負荷が大きくなります。レジストリキーのMemoryManagerは「0」又は「1」にしてください。

レジストリキーの設定方法については「3.5 レジストリキーの設定方法」を参照してください。

次に,ログ情報で採取する情報及び変更するレジストリの位置と値を示します。

採取情報
採取したログ情報は,システムのテンポラリディレクトリの下に格納します。採取したログ情報のファイル名は,ETErrLog32.tmpとなります。
ログ情報の内容は,Formメモリ管理関数名,エントリ番号,ハンドル値,
及びアドレス値などです。
ログファイルの最大サイズは無制限としますが,ディスク容量が不足した場合はログ出力機能を中断します。

レジストリの位置と値
[図データ]
MemoryManager:ログファイルの出力レベル〈DWORD値〉
設定の意味は次のとおりです。
 0:出力しない
 1:Formのメモリ管理関数でエラー発生時に出力(デフォルト)
 2:Formのメモリ管理関数使用時に履歴出力

注※ 出荷時には,このレジストリキーは存在しません。

(5) エラーメッセージログ出力機能

Formが画面に表示するエラー等のメッセージの記録を残します。

この機能は,Formがメッセージ出力時に自動出力します。

注意
ログ情報は自動で出力します。レジストリキーの設定は,メッセージログファイルの最大サイズを変更するために用意しています。

レジストリキーの設定方法については「3.5 レジストリキーの設定方法」を参照してください。

次に,ログ情報で採取する情報及び変更するレジストリの位置と値を示します。

採取情報
採取したログ情報は,Form Clientインストールディレクトリ下のLog\Messageに格納します。採取したログ情報のファイル名は, Messagex.Log(xは0から9までの通し番号)となります。
ログファイルの保存は,新しいものから2個です。
ログファイルが2個まで達した場合,通し番号の若いファイルから順に上書きされます。上書きされたファイルの内容は削除されます。
(例)現在Message9.Logの場合,2個目はMessage0.Logになります。
ログ情報の内容は,日付,時間,プロセス番号,メッセージ内容です。
ログ情報を出力中にディスク容量が不足した場合は,ログ出力機能を中断します。

レジストリの位置と値
[図データ]
MessageLogFileSizeMax:メッセージログファイル最大サイズ〈DWORD値〉
設定値の意味は次のとおりです。
単位はバイトで,0を設定した場合は無限に出力します。
デフォルトサイズは20Kバイト(およそ100メッセージ分)です。

注※ 出荷時には,このレジストリキーは存在しません。

(6) 情報取得ツールの実行方法

電子帳票では,障害調査時などに利用する情報取得ツールを提供しています。

このツールの名称は,INVEST32.EXEです。Form ClientをインストールしたディレクトリのサブディレクトリTOOLSの下にINVEST32.EXEが格納されています。

INVEST32.EXEを起動して必要な情報を取得した後,ファイルに格納又は印刷をしてください。

このツールには11個の機能があります。各機能を以下に説明します。

機能1:電子帳票の情報
電子帳票関連のPPバージョンやレジストリ情報を取得します。

機能2:Groupmaxの情報
Groupmax関連のPPバージョン情報を取得します。

機能3:OSの情報
OSの情報を取得します。

機能4:環境の情報
環境設定の情報を取得します。

機能5:プリンタの情報
プリンタの情報を取得します。

機能6:ソケットの情報
ソケットの情報を取得します。

機能7:ODBCの情報
ODBCのレジストリ情報やファイルバージョン情報を取得します。

機能8:Notesの情報
Notesのレジストリ情報を取得します。

機能9:画面の情報
画面の情報を取得します。

機能10:再配布DLLの情報
再配布DLLのファイル情報を取得します。

機能11:電子帳票ファイルの情報
電子帳票製品ファイルのバージョン情報を取得します。

注※ この情報は,Notesを使用する場合だけ採取できます。

(7) ODBCトレースの採取方法

[コントロールパネル]から「(32ビット)ODBC」のアイコンを選択し,インストールされているODBCドライバに対して,「ODBCトレースの実行」をONにしてください。電子帳票からODBC経由でデータベースアクセスを実行すると,指定したファイルにODBCトレース(ログ)が出力されます。

ODBCトレース採取後は,「ODBCトレースの実行」をOFFにしてください。

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