Groupmax クライアント Version 6 運用・構築ガイド
- <この項の構成>
- (1) Groupmaxのパスワードを変更したとき,フォーム伝票の捺印はどうなるか
- (2) フォームのファイル(伝表,書式,手順)を以前のバージョンのForm Clientで使用できるか
- (3) Formで作成したメニュー定義は以前のバージョンの16ビット版のFormでは動作しない
- (4) オフライン接続中はログイン中のユーザ情報の一部が取得できない
- (5) 伝票定義時に使用したフォントが,伝票実行時に組み込まれていないときは組み込まれているフォントで処理される
- (6) ローカルデータベースの内容を同時に更新しないこと
- (7) 伝票ファイルから外部データベースに登録する値がNULLやスペースであるとどうなるか
- (8) データベース処理では特殊扱いされ,条件式で使用できなくなる文字があるので注意する
- (9) ローカルデータベースに対してレコードの更新又は追加実行中にファイルが未クローズ状態になったときは,そのままの状態で業務を続行しない
- (10) 電子印のパスワードを忘れたときの処置について
- (11) Workflow帳票棚の伝票のダウンロードはファイルの更新日時によって決まる
- (12) Document Managerのフォーム文書データベースに日付を含んだ伝票を登録する場合は,日付を指定できる範囲内で指定する
- (13) Document Managerのフォーム文書データベースの日付型に何も入力していないとデフォルト値が仮定される
- (14) 小数を含んだ伝票データをDocument Managerのフォーム文書データベースに登録すると,小数点以下は切り捨てられる
- (15) FormとDocument Managerのフォーム文書データベースの属性には項目属性に違いがある
- (16) 共用キャビネットに添付ファイル付き文書を登録するには,AP情報管理ファイルの設定を変更する
- (17) 共用キャビネットに文書の作成者名を登録するには,AP情報管理ファイルの設定を変更する
(1) Groupmaxのパスワードを変更したとき,フォーム伝票の捺印はどうなるか
- 概要
- 電子印の認証にGroupmax Address Serverを使用しない形式の電子印で,Groupmaxのパスワードを変更した場合,捺印のためのパスワードにGroupmaxのパスワードと同じ文字列を指定していると捺印できません。
- 電子印の認証にGroupmax Address Serverを使用する形式の電子印では,Groupmaxのパスワードを変更した場合,変更したパスワードになり,そのパスワードで捺印できます。
- 詳細説明
- アドレス機能でパスワードを変更した場合,電子印の認証にGroupmax Address Serverを使用しない形式の電子印では伝票の捺印で次のどちらかを指定していると捺印のパスワードも変更しなければ捺印できません。
- 「@捺印」コマンドでユーザIDに\GUSERID,パスワードに\GPASSWORDをそれぞれ指定している
- 捺印項目で「ログイン中のユーザID・パスワードで捺印する」を指定している
- これは,ここで指定したユーザID及びパスワードと,捺印定義ファイルのユーザID及びパスワードが一致しなくなるためです。
- この場合,捺印できない旨のメッセージが表示されてから,ユーザID及びパスワードの再入力ダイアログボックスが表示されます。ここで,捺印定義ファイルのユーザID及びパスワードを入力すれば捺印できるようになります。
- 上記の二つの指定をしていなければ,アドレス機能の情報に関係なく,捺印定義ファイルのユーザID及びパスワードで捺印できます。
(2) フォームのファイル(伝表,書式,手順)を以前のバージョンのForm Clientで使用できるか
- 概要
- 基本的に,フォームのファイル(伝表,書式,手順)は以前のバージョン(以降,下位バージョンと呼びます)との互換性はありません。
- 詳細説明
- フォームのファイル(伝表,書式,手順)は下位バージョンとの互換性がありません。
- 上位バージョンで作成したファイルを下位バージョンで実行した場合,上位バージョンの新規機能が設定されている場合は起動できません。
(3) Formで作成したメニュー定義は以前のバージョンの16ビット版のFormでは動作しない
32ビット版のFormで作成したメニュー定義は,16ビット版のFormでは動作しないので注意してください。
(4) オフライン接続中はログイン中のユーザ情報の一部が取得できない
- 概要
- Groupmaxにオフラインで接続中は,Groupmaxにログイン中のユーザ情報の一部が取得できないので注意してください。
- 詳細説明
- Groupmaxにオフラインで接続中は,Groupmaxにログイン中のユーザ情報のうち,次に示す情報のみが取得できます。
- \GUSERID:ユーザのユーザID
- \GPASSWORD:ユーザのパスワード
- 例えば,オフラインで接続中に「@ログインチェック」コマンドをニックネーム指定で実行すると,実行結果はGroupmaxにログインしているユーザのニックネームとは一致しないので注意してください(この場合,コマンドの結果受取項目には「1」が設定されます)。
(5) 伝票定義時に使用したフォントが,伝票実行時に組み込まれていないときは組み込まれているフォントで処理される
伝票発行機能で定義時に使用したフォントが伝票実行時に組み込まれていない場合,そのパーソナルコンピュータに組み込まれているフォントで処理されるので注意してください。
(6) ローカルデータベースの内容を同時に更新しないこと
ローカルデータベースは排他制御処理されません。したがって,ローカルデータベースの内容を同時に更新操作をすると,データベースが破壊されることがあります。サーバ上にローカルデータベースを置いて同時に複数のクライアントから更新するような使い方は絶対にしないでください。
ただし,ローカルデータベースを複数のクライアントから同時に参照することはできます。
(7) 伝票ファイルから外部データベースに登録する値がNULLやスペースであるとどうなるか
- 概要
- 伝票ファイルから外部データベースに値を登録して外部データベースを更新又は追加する場合,値がNULLやスペースであると,Formの文字列後部スペースカットオプションによって外部データベースに書き込まれる値が変わります。
- 詳細説明
- 値がNULLやスペースであるときの文字列後部スペースカットオプション別の書き込まれる値を,表2-15に示します。
表2-15 値がNULLやスペースの場合に外部データベースに書き込まれる値
文字列後部
スペースカットオプションデータベース操作時に使用する処理コマンド 登録する値の属性 登録する値
スペース,0(ゼロ)又は未設定(\NIL)データベースに書き込まれる値 あり 「@DB更新」
などデータベー
ス系のコマンド文字属性 スペース NULL 未設定 NULL 数値属性 0 0 未設定 0 「@SQL実行」 文字属性 スペース NULL 未設定 NULL 数値属性 0 0 未設定 NULL なし 「@DB更新」
などデータベー
ス系のコマンド文字属性 スペース スペース 未設定 スペース 数値属性 0 0 未設定 0 「@SQL実行」 文字属性 スペース スペース 未設定 NULL 数値属性 0 0 未設定 NULL
(8) データベース処理では特殊扱いされ,条件式で使用できなくなる文字があるので注意する
- 概要
- Formのデータベース処理では,「*(アスタリスク)」「?(クエスチョンマーク)」「’(シングルクォーテーション)」「_(アンダーバー)」などの文字が特殊扱いされます。特殊扱いされる文字は,操作するデータベースやその他の条件で異なります。
- 詳細説明
- Formのデータベース処理で特殊扱いされる文字は,ローカルデータベースと外部データベースで異なります。また,操作するコマンドの指定によっても異なります。
- ローカルデータベース
コマンドのオプションでメタ文字扱いを指定(M0など)した場合,「*」及び「?」は特殊扱いの文字となり,条件式にはそのままでは使用できなくなります。「*」や「?」を条件式で使用したい場合は,文字の直前に「%(パーセント)」を付けて「%*」及び「%?」と指定します。
- 外部データベース(HiRDB,ORACLE及びSQL Server)
「’」は,データとしても条件式でも使用できません。その他にも@SQL実行コマンドとそれ以外で特殊扱いされる文字が異なります。
@SQL実行コマンド以外
コマンドのオプションでメタ文字扱いを指定(M0など)した場合,「%」及び「_」は特殊扱いの文字となり,条件式にはそのままでは使用できなくなります。「%」及び「_」を条件式で使用したい場合は,文字の直前に「%」や「&(アンパサンド)」を付けて「%%」及び「&_」と指定します。
@SQL実行コマンド
ユーザが記述したSQL文中の文字は,各DBMS対応のODBCドライバやネットワークプログラムを経由してDBMSサーバ側へ送られます。その結果,ユーザの記述がどのように処理されるかは各DBMSの仕様や環境設定によって異なるので,個別にご確認ください。
(9) ローカルデータベースに対してレコードの更新又は追加実行中にファイルが未クローズ状態になったときは,そのままの状態で業務を続行しない
- 概要
- Formのローカルデータベースに対してレコードの更新又は追加を実行しているときになんらかの理由でファイルが未クローズ状態になることがあります。このような場合,そのままの状態で業務を続行するとファイルが破壊されることがあるので注意してください。
- 詳細説明
- ファイルの未クローズ状態を検出するには,レジストリを次のように指定します。
- ディレクトリ「Windows」のREGEDIT.EXEを起動する
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\HITACHI\Gmax Form Client\0210の下に「Fms_Opt」キーを追加する
- 2のキーの下の値「FMS_OPCK」に,値「ON」を設定する
(10) 電子印のパスワードを忘れたときの処置について
セキュリティ保護のため,電子印のパスワードを調べる手段は提供されていません。
電子印の認証にGroupmax Address Serverを使用しない形式の電子印で,電子印のパスワードを忘れてしまった場合は,電子印を新規に作成し直してください。
電子印の認証にGroupmax Address Serverを使用する形式の電子印では,Groupmaxにログインするためのパスワード(Addressサーバに登録しているパスワード)が電子印のパスワードになります。
(11) Workflow帳票棚の伝票のダウンロードはファイルの更新日時によって決まる
- 概要
- サーバのWorkflow帳票棚から伝票がダウンロードされるかどうかは,伝票の更新日時によって決まります。
- 詳細説明
- ワークフローではワークフロー案件を処理するときに,サーバ側の伝票とクライアント(エンドユーザのパーソナルコンピュータ)側の伝票を,ファイルの更新日時によってチェックしています。
- 更新日時が同じならばクライアント側にある伝票がそのまま使われ,異なっていればサーバからクライアントに伝票がダウンロードされます。
(12) Document Managerのフォーム文書データベースに日付を含んだ伝票を登録する場合は,日付を指定できる範囲内で指定する
Document Managerの日付型を利用してフォーム文書データベースに伝票を登録する場合,指定できる日付の範囲は万国標準時間で1970年01月01日00時00分00秒〜2038年01月19日12時14分07秒です。基本的には,その範囲外の日付を指定した登録はできません。範囲外の日付を指定すると,日付はデフォルト値「19700101090000」になります。
(13) Document Managerのフォーム文書データベースの日付型に何も入力していないとデフォルト値が仮定される
Document Managerの日付型に何も入力しないでフォーム文書データベースに伝票を登録した場合,日付には日本時間標準のデフォルト値「19700101090000」が設定されます。
(14) 小数を含んだ伝票データをDocument Managerのフォーム文書データベースに登録すると,小数点以下は切り捨てられる
Document Managerフォーム文書データベースの数値属性はLONG型で定義されているため,伝票のデータを数値型データに登録・更新する場合,小数点以下は切り捨てられます。このため,小数のデータは登録できません。
小数のデータを扱う場合は,Document Managerのフォーム文書データベースの文字属性を利用してください。
(15) FormとDocument Managerのフォーム文書データベースの属性には項目属性に違いがある
- 概要
- Formの数値属性はPACK型(最大18桁で小数表現もできる)であるのに対して,Document Managerのフォーム文書データベースの数値属性はLONG型(最大10桁で-2,147,483,648〜2,147,483,647の範囲,小数表現はできない)なので,数値を含んだ伝票を共用キャビネットに登録する場合は注意が必要です。
- 数値属性以外の項目の属性にも違いがあります。
- 詳細説明
- Formの数値型とDocument Managerのフォーム文書データベースの数値型には上記のような違いがあるので,Formの数値を取り込むとDocument Managerのフォーム文書データベースではデータの切り捨てが発生することがあります。このため,Document ManagerではFormの数値型データをすべて文字属性で返すようになっています。
- また,その他の項目の属性にも違いがあるので,Document Managerのフォーム文書データベースではすべてを文字属性で返すようになっています。
- Formの伝票上の属性とDocument Managerで返される値の対応を,表2-16に示します。
表2-16 Formの伝票上の属性とDocument Managerで返される値
伝票ファイル上の項目属性 DLLが出力するデータ型 DLLが出力するデータ型宣言長 文字属性の項目
(見出し,明細,総括,メモ)文字型 項目桁数+1
(「\0」の長さ1を加える)数値属性の項目
(見出し,明細,総括)文字型 伝票上の数値項目を出力したときのデータ型宣言長
1.小数桁がない場合:項目桁数+2
(「\0」の長さ及び負の符号の文字列長を加える)
2.小数桁がある場合:項目桁数+3
(「\0」の長さ,負の符号の文字列長及び小数点の文字列長を加える)
3.小数桁があり,整数桁がない場合:
項目桁数+4
(「\0」の長さ,負の符号の文字列長,小数点の文字列長及び「0」※の文字列長を加える)チェックボックス項目 文字型 項目桁数1(固定)+1
(「\0」の長さ1を加える)ラジオボタン項目 文字型 項目桁数2(固定)+1
(「\0」の長さ1を加える)注※ この「0」は「0.111」の整数の0です。
(16) 共用キャビネットに添付ファイル付き文書を登録するには,AP情報管理ファイルの設定を変更する
- 概要
- 「@文書登録」コマンドを実行しても,AP情報管理ファイルのAP情報の文書データベース関連ファイルリスト及び文書関連ファイルリストに「%ALL」が設定されていないと添付ファイルは登録されません。
- 詳細説明
- Document Managerの一般文書のプロパティで指定しているAP情報管理ファイル(AP.CFG)にある,AP情報の文書データベース関連ファイルリスト及び,文書関連ファイルリストに「%ALL」の指定がないと,添付ファイル(関連ファイル)は登録されません。
- 添付ファイルが登録されない場合は,AP情報管理ファイルの設定を見直してください。
(17) 共用キャビネットに文書の作成者名を登録するには,AP情報管理ファイルの設定を変更する
「@文書登録」コマンドで作成者名の指定だけでは,Document Managerに作成者名は登録されません。AP情報管理ファイル(AP.CFG)の登録用属性ファイルフィールドの内容を「*.arf」に設定してください。
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