Groupmax クライアント Version 6 運用・構築ガイド
ユーザがすぐに作業できるように,環境の設定を変更できます。この設定の変更をカスタマイズといいます。
Integrated Desktopにはカスタマイズ情報を配布する機能があります。ここではこの機能を利用して配布できるカスタマイズ情報の概要と,カスタマイズ時の注意事項を説明します。
- <この項の構成>
- (1) カスタマイズの概要
- (2) カスタマイズに関する注意事項
- (3) カスタマイズ時に知っておきたい情報
設定を変更して配布する情報(カスタマイズ情報)には,例えば次のようなものがあります。
- 統合セットアップで設定するIPアドレスやポート番号など,サーバとの接続に必要な情報
- ウィンドウのサイズやアイコンの表示方法など,表示に関係する情報
- ツールバーのチェック状態やオプションの設定状態など,各項目の設定状態に関する情報
これらの情報を設定して配布することによって,各ユーザが同じ環境で作業することができるようになります。
カスタマイズの方法,カスタマイズ時の注意事項,及び配布できるカスタマイズについての詳細は,マニュアル「Groupmax Integrated Desktop Version 6ユーザーズガイド 」の作業環境のカスタマイズについて説明している章,及び配布対象となるカスタマイズ情報について説明している章を参照してください。
(2) カスタマイズに関する注意事項
クライアント製品をカスタマイズする場合は,1.2.3(1)で示したマニュアルを参照してください。ここでは,現在各マニュアルに記述されていなかったり,記述されていても戸惑いやすい注意事項を説明します。
Version2.0またはVersion3からVersion 6にバージョンアップした場合
- Version2.0からVersion 6にバージョンアップした場合,ツールバーのカスタマイズ情報はデフォルト値に戻ります(ただし,Schedulerのツールバーは前回の設定を引き継ぎます)。Version2.0でツールバーのカスタマイズをしていた場合は,Version 6でカスタマイズし直してください。
- Integrated Desktop Version2.0で仮想オフィス環境を使用していた場合は,Integrated Desktop Version 6を上書きインストールしても,仮想オフィス環境のビットマップ及びメタファの設定内容は変更されません。なお,「仮想オフィス環境を使用していた」とは,仮想オフィス環境を一回でも表示したことがある場合を指します。仮想オフィス環境をカスタマイズしないで,デフォルトの状態で使用していた場合も含まれます。
Integrated Desktop Version 6のデフォルトの設定状態で仮想オフィス環境を利用する場合は,次のどちらかの方法でIntegrated Desktop Version2.0の仮想オフィス環境の情報を格納したファイルを削除してください。
- ツールを利用するか又はエクスプローラのファイルを直接操作して,Integrated Desktop Version2.0の仮想オフィス環境に関連するファイルを削除する
- カスタマイズ情報の配布機能を利用して,Groupmax Integrated Desktop Version 6の仮想オフィス環境を設定する
それぞれの操作方法の詳細は,マニュアル「Groupmax Integrated Desktop Version 6ユーザーズガイド 」を参照してください。
表示条件を設定する場合
接続するサーバの機能によっては,INBOXや送信ログを表示すると,エラーが表示される場合があります。表示条件は,接続するサーバの機能に合わせて設定してください。
例えば,回覧機能を運用しないサーバに接続する場合は,INBOXと送信ログで,それぞれ次のカスタマイズをしてください。
- [表示]から[表示条件の設定]を選択する
[表示条件の設定]ダイアログボックスが表示されます。次のようにカスタマイズしてください。
接続:「かつ」,項目:「種別」,値:「Mail(回覧)」,判定:「以外」
- [OK]を選択する
Groupmax WWWや以前のバージョンの16ビット版クライアントと混在する環境で運用する場合
Groupmax WWWや以前のバージョンの16ビット版クライアントは,メールの本文に書式情報を付けることはできません。このため,Integrated Desktopから発信した書式付きメールをGroupmax WWWや以前のバージョンの16ビット版クライアントで受信すると,書式情報が添付ファイルとして受信されます。書式情報が不要な場合は,Integrated Desktopで次のカスタマイズをしてください。
- [ツール]の[Groupmaxの設定]から[Mailの設定]を選択する
[オプション]ダイアログボックスが表示されます。
- [選択機能]タブの本文モードを「プレーンテキストモード※」に設定する
- [OK]を選択する
注※ プレーンテキストモードを選択した場合は,メールの本文でのフォントの指定や,行揃えなどの書式指定ができません。
Integrated Desktopの[ツール]−[オプション]の画面の[接続システム]タブで,機能を選択してください。例えば,接続するGroupmax Mail Serverに掲示板がない場合は,接続システムで掲示板は選択しないでください。
サーバとして存在しない機能を選択すると,次のメッセージが表示されます。
(3) カスタマイズ時に知っておきたい情報
作業環境のカスタマイズ時に知っておきたい情報について説明します。
Integrated Desktopの各作業環境の特徴
Integrated Desktopの各作業環境は,表1-1に示すような特徴を持っています。作業環境は,使用形態やエンドユーザの状況を検討して選択してください。
表1-1 各作業環境の特徴
作業環境名 長所 短所 機能指向環境
- パーソナルコンピュータの操作に慣れているユーザに使いやすい
- 機能がツリー構造で表示されるため,各機能を統合して管理できる
- インストール及び統合セットアップ後にすぐ活用できる
- カスタマイズできる範囲が狭い
- 一つのリストビューを各機能で共用しているため,複数の機能を同時に使用できない
業務指向環境
- 業務パネルなどでパーソナルコンピュータの操作に慣れているユーザやパネル型のランチャなどを利用しているユーザに使いやすい
- 業務に合わせた環境を構築できる
- 各機能ごとにリストビューを別ウィンドウとして表示させるため,複数の機能を同時に使用できる
- 業務を運用できる形態にするには,アイコンの登録など各種設定が必要
- 機能ごとにウィンドウを表示させるため,タスクバーのアイコン数が多くなる
- エージェントの生成ができない(機能指向環境での生成が必要)
仮想オフィス環境
- パーソナルコンピュータなどになじみの少ないユーザでも分かりやすい
- グループウェアを初めて使うユーザでも使いやすい
- インストール後にすぐ使用でき,カスタマイズもできる
- 各機能ごとにリストビューを別ウィンドウとして表示させるため,複数の機能を同時に使用できる
- オフィス環境を表現したイラストの範囲内でしかカスタマイズできないため,業務指向環境よりカスタマイズできる範囲が狭い
- 機能ごとにウィンドウを表示させるため,タスクバーのアイコン数が多くなる
- エージェントの生成ができない(機能指向環境での生成が必要)
データを効率よくバックアップしたい場合
Integrated Desktopの個人フォルダにはローカルフォルダや受信控えなどのデータが格納されます。データを効率よくバックアップしたい場合は,プログラムとは別のディスクに個人フォルダを作成するようにしてください。
表示されている項目を頻繁に最新情報に更新する場合
INBOXが表示されている状態で最新の着信状態を確認する場合,[表示]−[最新の情報に更新]を選択する必要があります。メールを頻繁に受信するユーザなどは,ツールバーに[最新情報]ボタン(
)を表示させて,最新情報に更新するときに利用すると便利です。
VGAなどの小さな画面でメッセージエディタの本文を多く表示する場合
メッセージエディタでは,メール属性などを画面上部に表示させています。そのため,VGAなどを使った表示領域の小さいパーソナルコンピュータの場合,一度に表示できるメール本文が少なくなります。
必要に応じて表示できる本文の量を変更したい場合は,メッセージエディタの[メール属性表示]ボタン(
)で,「主題」,「宛先」,「属性」,及び「添付」の表示・非表示を切り替えてください。なお,メッセージエディタに[メール属性表示]ボタンが表示されていない場合は,[表示]−[ツールバーの設定]を選択し,[ツールバーの変更]ダイアログボックスで設定してください。
業務指向画面に任意のドライブをアイコンとして登録する場合
業務指向画面では,ワークプレース上にディスクドライブのアイコンを登録して,パーソナルコンピュータの基本操作環境として使用できます。
その場合,次に示す方法で登録してください。
- アイコンとして登録するディスクドライブのショートカットを作成する
- Integrated Desktopの業務指向画面で[ファイル]−[登録]を選択する
- [アイコンの登録]ダイアログボックスで「アプリケーション」を選択する
- 作成したショートカットのファイル名を直接入力する
- [登録]ボタンをクリックする
なお,アイコンは,エクスプローラやWindowsのデスクトップ画面上から,ファイルやショートカットなどをワークプレースにドラッグ&ドロップして登録することもできます。また,Internet Explorer 4.0以降がインストールされている場合は,WWWブラウザのインターネットショートカットもワークプレースにドラッグ&ドロップして登録できます。
エンドユーザがIntegrated Desktopの環境設定を容易に変更できないようにしたい場合
Integrated Desktopの統合セットアップの設定内容には,ポート番号などエンドユーザに誤って変更してもらいたくない項目があります。エンドユーザが設定内容を容易に変更できないようにしたい場合は,[スタート]メニューから「Groupmax統合セットアップ」を削除してください。
常に暗号化メールを使用する場合
メール送信時,メールを暗号化したい場合は,メッセージエディタを起動する前にKeymate/Multiをあらかじめ起動させておく必要があります。暗号化メールを頻繁に使用する場合,Integrated Desktopの起動とともに起動させるアプリケーションとしてKeymate/Multiを登録しておけば,操作を簡略化できます。
複数のユーザで1台のパーソナルコンピュータを使用する場合
複数のユーザで1台のパーソナルコンピュータを使用する場合,ローカル宛先台帳と署名ファイルをユーザごとに用意しておくと便利です。ユーザごとに各ファイルを用意する場合は,Groupmax統合セットアップの[Groupmax設定のプロパティ]ダイアログボックスで設定してください。ローカル宛先台帳は[Address]タブで,署名ファイルは[Mail]タブで,設定できます。
メールサイズを確認したい場合
メールボックスにたまったメールから,サイズの大きい不要なメールを削除したい場合などは,INBOXのリストビューの表示項目に,メールファイルのサイズを表示する項目を設定してください。表示項目は,[表示]−[表示項目の設定]を選択すると表示される,[表示項目の設定]ダイアログボックスで設定できます。
到着日時表示の2000年対策をする場合
INBOXのリストビューに表示される到着日時の年表示は,初期形式では西暦の下2桁を表示するようになっています。そのため,西暦2000年では年表示が「00」になります。年表示を4桁表示にしたい場合は,Groupmax統合セットアップの[Groupmax設定のプロパティ]ダイアログボックスで[表示]タブを選択して,「年」の表示形式を4桁にしてください。
低速回線環境での送受信を速くしたい場合
メールの本文をプレーンテキストで作成すれば,速く送受信できます。また,記事も本文をプレーンテキストで作成すれば,速く掲示したり参照したりできます。
サーバとクライアントを接続するネットワークが,低速の専用線や低速のモデムなどを利用したダイアルアップ接続の場合,サーバとクライアントとのデータ転送には時間がかかります。このため,LAN環境に比べて,クライアントの応答に時間がかかったり,専用線の回線使用率が増大したりします。
応答時間の短縮や回線使用率の軽減をしたい場合は,メールの本文をリッチテキストでなく,プレーンテキストで作成してください。プレーンテキストモードは,次に示す方法で設定できます。
- Integrated Desktop主画面の[ツール]−[Groupmaxの設定]−[Mailの設定...]を選択する
- [オプション]ダイアログボックスの[選択機能]タブを選択する
- 「本文モード」でプレーンテキストをチェックする
ただし,プレーンテキストを使用した場合,フォント指定などの書式指定の変更などができなくなります。
共用キャビネットの文書を更新することが多い場合
頻繁に共用キャビネットの文書を更新する場合,文書を常に編集モードで開くようにしておくと便利です。
共用キャビネットの文書のアクセス形式には,参照モードと編集モードがあります。初期設定では参照モードになっていますので,編集モードに変更してください。編集モードは,次に示す方法で設定できます。
- Integrated Desktop主画面の[ツール]−[Groupmaxの設定]−[Document Managerの設定...]を選択する
- [Document Managerの設定]ダイアログボックスで[文書の取り出し]タブを選択する
- 「サーバから取り出す時のモード」で編集をチェックする
イベントが発生したときに音を鳴らしたい場合
イベントが発生したときに音を鳴らしたい場合,エージェント機能を使うと,イベントが発生したときにアプリケーションを起動し,音声ファイルを演奏させることができます。
音声ファイルを実行するアプリケーションの起動時の標準モードが自動演奏ではない場合は,起動時に自動演奏されるように設定してください。
アプリケーションは,エージェント定義ウィンドウの「エージェント動作」の部分にある[詳細]ボタンをクリックして,[動作−アプリケーション指定]ダイアログボックスで登録できます。次に[動作−アプリケーション指定]ダイアログボックスでのコマンドラインの指定例を示します。
- (例)自動演奏を起動オペランドで指定するアプリケーションの場合
- プログラム,オペランド,及びファイル
- mplay32.exe(アプリケーションプログラム)
- /play(ファイルを開いた時に演奏を開始するオペランド)
- /close(演奏終了時にファイルを閉じるオペランド)
- mail.wav(音声ファイル)
- コマンドライン
- 「アプリケーションをインストールしたディレクトリ\mplay32.exe /play /close mail.wav」
なお,この機能を使用するとき,Windowsシステムでアプリケーション起動時に音を鳴らすように設定している場合は,設定を解除してください。
ローカルフォルダへのメール保存時の名前の付与方法を変更したい場合
受信したメールをIntegrated Desktopのローカルフォルダに格納する場合,保存時の名前はメールの主題や受信日時等により自動的に付与されます。保存時の名前について,主題や受信日時等の適用順序の入替や,転送や返信時に自動付加された「Fw」や「Re」を含めた名前の付与を,設定する事ができます。名前の付与方法の変更は,次に示す方法で設定できます。
- Integrated Desktop主画面の[ツール]−[Groupmaxの設定]−[Mailの設定...]を選択する
- [オプション]ダイアログボックスで[ファイル]タブを選択する
- 「保存時のファイル名設定」でファイル名の付与の方法を設定する
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