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TP1/COBOL adapter for Cosminexus ユーザーズガイド


1.3.1 TP1/COBOLアクセスの処理概要

TP1/COBOLアクセスは,Cosminexus上のJavaアプリケーションオブジェクトとして動作します。

TP1/COBOLアクセスは,TP1/Client/PまたはTP1/Client/W経由のアクセス,TP1/Client/J経由のアクセスおよびCosminexus TP1 Connector経由のアクセス三つを用意しています。ただし,Windows(64bit)版,Linux(IPF)版,HP-UX(IPF) 版,Linux(x86/x64)版02-10以降,およびAIX版02-10以降ではTP1/Client/P またはTP1/Client/W経由のアクセスは機能提供していませんので,ご注意ください。Windows(64bit)版,Linux(IPF)版,HP-UX(IPF) 版,Linux(x86/x64)版02-10以降,およびAIX版02-10以降ではTP1/Client/J経由のアクセスまたはCosminexus TP1 Connector経由のアクセスをご使用ください。

〈この項の構成〉

(1) TP1/Client/PまたはTP1/Client/W経由のアクセス

TP1/COBOLアクセスは,OpenTP1のSPP/MHPとの通信を可能にするAPIをCosminexus上のJava UAPのためにJavaBeansとして提供し,Java UAPからのリクエストを内部でTP1/Clientのユーザ認証機能,RPC(Remote Procedure Call),ネームサービスを使用しないRPC,トランザクションを管理するプロセスを割り当てるRPCを実現します。

TP1/Clientを動作させるためのクライアント環境定義値の設定は,ユーザが行う必要があります。クライアント環境定義の詳細は,マニュアル「分散トランザクション処理機能 OpenTP1 クライアント使用の手引 TP1/Client/W,TP1/Client/P編」をご覧ください。

図1-2にTP1/COBOLアクセスの処理概要を示します。

図1‒2 TP1/COBOLアクセスの処理概要

[図データ]

Servlet(Java UAP)は,TP1/COBOL基本BeanやTP1/COBOLアクセス用Beanに対して次のようなリクエストを発行します。

COBOL MHPに対するsend/receive/receive2メソッドは,COBOL SPPに対するRPCメソッドと同様,TP1/COBOLアクセス用Beanで入力データを設定することができます。

  1. TP1/COBOL基本Beanで提供するユーザ認証,UAP開始,常時接続等の,OpenTP1の各メソッド規定順呼び出し。

  2. 入力データの設定は任意の基本項目に対して,生成したTP1/COBOLアクセス用Beanの各setterメソッドの呼び出し。

  3. 生成したTP1/COBOLアクセス用BeanのRPCメソッドの呼び出し,または,send/receive/receive2メソッドの呼び出し。

  4. 生成したTP1/COBOLアクセス用Beanデータの参照時の,各getterメソッドの呼び出し。

  5. TP1/COBOL基本Beanで提供する接続解除,UAP終了,ユーザ認証解除などのOpenTP1の各メソッド規定順呼び出し。

TP1/COBOL基本Beanで提供するsend/receive/receive2メソッドで呼び出すCOBOL MHPに対するアクセスについて,以下に示します。

  1. TP1/COBOL基本Beanで提供するユーザ認証,UAP開始,常時接続等の,OpenTP1の各メソッド規定順呼び出し。

  2. 送信メッセージ(String型)の設定,または受信メッセージ(String型)領域の定義。

  3. TCP/IP通信メソッドの呼び出し。

  4. 受信メッセージの参照。

  5. TP1/COBOL基本Beanで提供する接続解除,UAP終了,ユーザ認証解除などのOpenTP1の各メソッド規定順呼び出し。

(2) TP1/Client/J経由のアクセス

TP1/COBOLアクセスは,OpenTP1のSPP/MHPとの通信を可能にするAPIをCosminexus上のJava UAP(ServletやEJBなど)のためにJavaBeansとして提供し,Java UAPからのリクエストを内部でTP1/Client/JのRPC(Remote Procedure Call)を実現します。常時接続,接続解除等のTP1/Client/Jが提供しているメソッド(RPC以外)については,そのまま使用します。

TP1/Client/Jを動作させるためのクライアント環境定義値の設定は,ユーザが行う必要があります。クライアント環境定義の詳細は,マニュアル「分散トランザクション処理機能 OpenTP1 クライアント使用の手引 TP1/Client/J編」をご覧ください。

Java UAPは,TP1/COBOLアクセス用Beanに対して次のようなリクエストを発行します。

  1. TP1/Client/Jが提供する常時接続等のOpenTP1の各メソッド規定順呼び出し。

  2. 入力データの設定は任意の基本項目に対して,生成したTP1/COBOLアクセス用Beanの各setterメソッドの呼び出し。

  3. 生成したTP1/COBOLアクセス用BeanのRPCメソッドの呼び出し,または,send/receiveメソッド呼び出し。

  4. 生成したTP1/COBOLアクセス用Beanデータの参照時の,各getterメソッドの呼び出し。

  5. TP1/Client/Jが提供する接続解除等のOpenTP1の各メソッド規定順呼び出し。

(3) Cosminexus TP1 Connector経由のアクセス

TP1/COBOLアクセスは,OpenTP1のSPP/MHPとの通信を可能にするAPIをCosminexus上のJava UAPのためにJavaBeansとして提供します。Java UAPからのリクエストは,内部からCosminexus TP1 Connectorが提供するCCI(Common Client Interface)を使って実現します。Cosminexus TP1 Connectorを経由することでコネクションプーリング機能を使用できます。

Java UAPは,TP1/COBOLアクセス用Beanに対して次のようなリクエストを発行します。

  1. Cosminexus TP1 Connectorが提供する接続等のOpenTP1の各メソッド規定順呼び出し。

  2. 入力データの設定は任意の基本項目に対して,生成したTP1/COBOLアクセス用Beanの各setterメソッドの呼び出し。

  3. 生成したTP1/COBOLアクセス用BeanのCCIメソッドの呼び出し。

  4. 生成したTP1/COBOLアクセス用Beanデータの参照時の,各getterメソッドの呼び出し。

  5. Cosminexus TP1 Connectorが提供する接続解除等のOpenTP1の各メソッド規定順呼び出し。

    図1‒3 Cosminexus TP1 Connector経由のアクセスの処理概要

    [図データ]