6.4.2 パーティションおよびハードウェアマネージメントコンソール接続情報の設定
リセット専用LAN(TCP/IP LAN)は,次の系切替機構の場合に使用します。
-
THE-HA-0041
-
THE-HA-0041UP42
-
THE-HA-0042
-
THE-HA-0043
これらの系切替機構の場合,HAモニタの環境設定コマンド(monsetupコマンド)で,パーティション,およびハードウェアマネージメントコンソールの接続情報を設定する必要があります。
リセットパスが設定されていないとHAモニタを起動できません。リセットパスは正しく設定してください。
なお,HAモニタが稼働する系が1台で,リセットパスを使用しない環境の場合はこの設定は不要です。その場合は,環境設定コマンド(monsetupコマンド)のオプション-norpstartを実行し,yesを指定することで,リセットパスが設定されていなくてもHAモニタを起動できるようになります。詳細は,「9.21 monsetup(HAモニタの環境設定)」を参照してください。
使用している系切替機構によって,設定時に使用する環境設定コマンド(monsetupコマンド)のオプションが異なります。詳細を次に示します。
使用している系切替機構 |
環境設定コマンド(monsetupコマンド)の指定値 |
||
---|---|---|---|
THE-HA-0041以降の系切替機構を使用 |
THE-HA-0041以降に該当しない系切替機構を使用 |
||
バージョンが03-15以降 |
バージョンが03-15未満 |
||
○ |
− |
− |
monsetup -rp※1,※2,またはmonsetup -tty※3 |
− |
○ |
− |
monsetup -tty |
− |
− |
○ |
monsetup -tty |
- (凡例)
-
○:該当します。
−:該当しません。
- 注※1
-
リセットパスの設定および再設定は,monsetup -rpコマンドでリセットパスを設定することをお勧めします。monsetup -rpコマンドを指定すると,管理システム名およびパーティション名をHAモニタが自動で取得します。また,リセットパスに設定した値を,monsetup -ttyコマンド実行時よりも厳密にチェックします。特に再設定時は,前回の設定情報を引き継げるため,タイプミスなどによる設定誤りを防げます。
前回のリセットパスの設定時にmonsetup -ttyコマンドを使用していた場合,monsetup -rpコマンドでリセットパスを再設定すると,HAモニタの起動時にKAMN625-Wが出力される場合があります。問題ありませんので,メッセージを無視してください。
- 注※2
-
次の両方に該当する場合は,monsetup -rpコマンドを使用しないでください。
-
系切替機構のバージョンが03-21以前
-
電源管理ユニット(THE-PDU-2V10A)を使用
monsetup -rpコマンドでリセットパスを設定すると,リセットに失敗して,系切り替え失敗となるおそれがあります。
-
- 注※3
-
monsetup -ttyコマンドを使用してリセットパスを設定済みの環境で,管理システム名およびパーティション名の指定値を維持したい場合は,monsetup -ttyコマンドでリセットパスを再設定してください。
ここでの説明は,系切替機構上での設定はすでに完了していることを前提としています。系切替機構の設定方法については,系切替機構のマニュアルを参照してください。
- 〈この項の構成〉
(1) 設定に必要な情報
リセットパスにリセット専用LAN(TCP/IP LAN)を使用する場合,設定対象のパーティション,および接続先のハードウェアマネージメントコンソールについて,次に示す情報が必要です。なお,環境設定コマンド(monsetupコマンド)で指定するオプションによって,設定に必要な情報は異なります。
注※ monsetup -rpコマンドを使用する場合は,HAモニタが自動で取得します。
図中の各項目について説明します。
図中の番号 |
設定に必要な情報 |
説明 |
備考 |
---|---|---|---|
1 |
管理システム名 |
HAモニタが稼働するパーティションの管理システム名を指定します※1。 monsetup -rpコマンドを指定した場合,設定は不要です。 |
パーティションを構成したときに設定した情報です。 |
2 |
パーティション名 |
HAモニタが稼働するパーティションのパーティション名を指定します※1。 monsetup -rpコマンドを指定した場合,設定は不要です。 |
|
3 |
リセットパスのIPアドレス |
設定対象のパーティションに割り当てたリセットパスのIPアドレスを指定します。 |
IPアドレス,およびポート番号の割り当て方については,「5.4.2 必要なIPアドレスとポート番号」を参照してください。 |
4 |
リセットパスのポート番号 |
設定対象のパーティションに割り当てたリセットパスのポート番号を指定します。 |
|
5 |
系切替機構のIPアドレス |
系切替機構に割り当てたリセットパスのIPアドレスを指定します※1。 |
|
6 |
系切替機構のポート番号 |
系切替機構に割り当てたリセットパスのポート番号を指定します※1。 |
|
7 |
交代用リセットパスのIPアドレス※2 |
設定対象のパーティションに割り当てた交代用リセットパスのIPアドレスを指定します。 |
|
8 |
交代用リセットパスのポート番号※2 |
設定対象のパーティションに割り当てた交代用リセットパスのポート番号を指定します。 |
|
9 |
交代用系切替機構のIPアドレス※2 |
系切替機構に割り当てた交代用リセットパスのIPアドレスを指定します※1。 |
|
10 |
交代用系切替機構のポート番号※2 |
系切替機構に割り当てた交代用リセットパスのポート番号を指定します※1。 |
注※1 確認方法については,系切替機構のマニュアルを参照してください。
注※2 リセットパスを二重化する場合にだけ必要です。
- 重要
-
これらの設定を誤った場合,系障害発生時の自動系切り替えが失敗します。系切り替えの失敗を防ぐため,一連のシステム構築が終わったあとで必ず系切り替えの確認を実施してください。実施方法については,「6.16.4 系切り替えのテスト」を参照してください。
また,構成によっては,ホストアドレスの設定(HAモニタの環境設定のaddressオペランド)に注意が必要です。詳細については「(4) 系切り替え構成間でリセットパスを共用する場合の注意」を参照してください。
(2) 設定値の例(THE-HA-0043の場合)
系切替機構にTHE-HA-0043を使用する場合の設定値の例を示します。
ここで示す表にある「設定項目」は,表6-3の「設定に必要な情報」と対応しています。
(a) 1パーティション/1ハードウェアマネージメントコンソールの構成
次の図のような構成(LPAR1・LPAR2間で系切り替え)の場合に,monsetupコマンドで設定する値の例を表に示します。
設定項目 |
系ごとの設定値 |
|
---|---|---|
系1 |
系2 |
|
管理システム名※ |
MS0001 |
MS0002 |
パーティション名※ |
LPAR1 |
LPAR2 |
リセットパスのIPアドレス |
x.x.x.a |
x.x.x.b |
リセットパスのポート番号 |
ppppp |
ppppp |
系切替機構のIPアドレス |
x.x.x.e |
x.x.x.e |
系切替機構のポート番号 |
zzzzz |
zzzzz |
- 注※
-
monsetup -rpコマンドでリセットパスを設定する場合,設定は不要です。
(b) 2パーティション/1ハードウェアマネージメントコンソールの構成
次の図のような構成(LPAR1・LPAR3間で系切り替え)の場合に,monsetupコマンドで設定する値の例を表に示します。
設定項目 |
系ごとの設定値 |
|
---|---|---|
系1 |
系3 |
|
管理システム名※ |
MS0001 |
MS0002 |
パーティション名※ |
LPAR1 |
LPAR3 |
リセットパスのIPアドレス |
x.x.x.a |
x.x.x.b |
リセットパスのポート番号 |
ppppp |
ppppp |
系切替機構のIPアドレス |
x.x.x.e |
x.x.x.e |
系切替機構のポート番号 |
zzzzz |
zzzzz |
- 注※
-
monsetup -rpコマンドでリセットパスを設定する場合,設定は不要です。
(c) 2パーティション/2ハードウェアマネージメントコンソールの構成
次の図のような構成(LPAR1・LPAR3間で系切り替え)の場合に,monsetupコマンドで設定する値の例を表に示します。
設定項目 |
系ごとの設定値 |
|
---|---|---|
系1 |
系3 |
|
管理システム名※ |
MS0001 |
MS0002 |
パーティション名※ |
LPAR1 |
LPAR3 |
リセットパスのIPアドレス |
x.x.x.a |
x.x.x.b |
リセットパスのポート番号 |
ppppp |
ppppp |
系切替機構のIPアドレス |
x.x.x.e |
x.x.x.f |
系切替機構のポート番号 |
zzzzz |
zzzzz |
- 注※
-
monsetup -rpコマンドでリセットパスを設定する場合,設定は不要です。
(d) リセットパスの二重化構成
次の図のような構成(LPAR1・LPAR3間で系切り替え)の場合に,monsetupコマンドで設定する値の例を表に示します。
設定項目 |
系ごとの設定値 |
|
---|---|---|
系1 |
系3 |
|
管理システム名※ |
MS0001 |
MS0002 |
パーティション名※ |
LPAR1 |
LPAR3 |
リセットパスのIPアドレス |
x.x.x.a |
y.y.y.d |
リセットパスのポート番号 |
ppppp |
qqqqq |
系切替機構のIPアドレス |
x.x.x.e |
y.y.y.f |
系切替機構のポート番号 |
zzzzz |
wwwww |
交代用リセットパスのIPアドレス |
y.y.y.c |
x.x.x.b |
交代用リセットパスのポート番号 |
qqqqq |
ppppp |
交代用系切替機構のIPアドレス |
y.y.y.f |
x.x.x.e |
交代用系切替機構のポート番号 |
wwwww |
zzzzz |
- 注※
-
monsetup -rpコマンドでリセットパスを設定する場合,設定は不要です。
(3) 設定値の例(THE-HA-0043以外の場合)
系切替機構にTHE-HA-0041,THE-HA-0041UP42,またはTHE-HA-0042を使用する場合の設定値の例を示します。
ここで示す表にある「設定項目」は,表6-3の「設定に必要な情報」と対応しています。
(a) 1パーティションの構成
次の図のような構成(LPAR1・LPAR2間で系切り替え)の場合に,monsetupコマンドで設定する値の例を表に示します。
設定項目 |
系ごとの設定値 |
|
---|---|---|
系1 |
系2 |
|
管理システム名※ |
MS0001 |
MS0002 |
パーティション名※ |
LPAR1 |
LPAR2 |
リセットパスのIPアドレス |
x.x.x.a |
x.x.x.b |
リセットパスのポート番号 |
ppppp |
ppppp |
系切替機構のIPアドレス |
x.x.x.e |
x.x.x.f |
系切替機構のポート番号 |
zzzzz |
zzzzz |
- 注※
-
monsetup -rpコマンドでリセットパスを設定する場合,設定は不要です。
(b) 2パーティションの構成
次の図のような構成(LPAR1・LPAR3間で系切り替え)の場合に,monsetupコマンドで設定する値の例を表に示します。
設定項目 |
系ごとの設定値 |
|
---|---|---|
系1 |
系3 |
|
管理システム名※ |
MS0001 |
MS0002 |
パーティション名※ |
LPAR1 |
LPAR3 |
リセットパスのIPアドレス |
x.x.x.a |
x.x.x.b |
リセットパスのポート番号 |
ppppp |
ppppp |
系切替機構のIPアドレス |
x.x.x.e |
x.x.x.f |
系切替機構のポート番号 |
zzzzz |
zzzzz |
- 注※
-
monsetup -rpコマンドでリセットパスを設定する場合,設定は不要です。
(c) リセットパスの二重化構成
次の図のような構成(LPAR1・LPAR3間で系切り替え)の場合に,monsetupコマンドで設定する値の例を表に示します。
設定項目 |
系ごとの設定値 |
|
---|---|---|
系1 |
系3 |
|
管理システム名※ |
MS0001 |
MS0002 |
パーティション名※ |
LPAR1 |
LPAR3 |
リセットパスのIPアドレス |
x.x.x.a |
x.x.x.b |
リセットパスのポート番号 |
ppppp |
ppppp |
系切替機構のIPアドレス |
x.x.x.e |
x.x.x.f |
系切替機構のポート番号 |
zzzzz |
zzzzz |
交代用リセットパスのIPアドレス |
y.y.y.c |
y.y.y.d |
交代用リセットパスのポート番号 |
qqqqq |
qqqqq |
交代用系切替機構のIPアドレス |
y.y.y.g |
y.y.y.h |
交代用系切替機構のポート番号 |
wwwww |
wwwww |
- 注※
-
monsetup -rpコマンドでリセットパスを設定する場合,設定は不要です。
(4) パーティションおよびハードウェアマネージメントコンソール接続情報の設定例
系切替機構にTHE-HA-0043を使用してリセット専用LAN(TCP/IP LAN)を構成する場合の,パーティションおよびハードウェアマネージメントコンソールの接続情報の設定例を次に示します。
- 系切替機構のバージョンが03-15以降の場合の例(monsetup -rpを実行)
-
> monsetup -rp 系切替機構にTHE-HA-004xを使用している場合における, システムリセットのためのリセットパスの設定を行います。 設定を中断したい場合は,[CTRL]+[D]キーを押してください。 実行する処理を番号で選択してください。 1. 設定を行う 2. 現在の設定を表示する 3. 終了 --->1 HAモニタが稼働するシステムの「管理システム名」「パーティション名」を自動取得中です。 取得完了しました。 HAモニタがリセットパスに使用するIPアドレスを入力してください。 現在の設定:未設定 --->192.168.100.1 HAモニタがリセットパスに使用するポート番号を入力してください。 現在の設定:未設定 --->50003 系切替機構のIPアドレスを入力してください。 値を入力しなかった場合は現在の設定を使用します。現在の設定:192.168.100.151 ---> 系切替機構のポート番号を選択してください。 値を入力しなかった場合は現在の設定を使用します。現在の設定:「1. 57777」 1. 57777 2. 57778 ---> リセットパスを二重化するかどうか選択してください。 値を入力しなかった場合は現在の設定を使用します。現在の設定:しない 1. する 2. しない --->1 HAモニタが交替用リセットパスに使用するIPアドレスを入力してください。 現在の設定:未設定 --->192.168.101.1 HAモニタが交替用リセットパスに使用するポート番号を入力してください。 現在の設定:未設定 --->50004 交替用系切替機構のIPアドレスを入力してください。 値を入力しなかった場合は現在の設定を使用します。現在の設定:192.168.101.152 ---> 交替用系切替機構のポート番号は,「57778」を自動設定します。 そのまま[Enter]キーを押してください。 ---> 設定が完了しました。現在の設定を表示します。 管理システム名...................: auto パーティション名.................: auto リセットパスのIPアドレス.........: 192.168.100.1 リセットパスのポート番号.........: 50003 系切替機構のIPアドレス...........: 192.168.100.151 系切替機構のポート番号...........: 57777 交替用リセットパスのIPアドレス...: 192.168.101.1 交替用リセットパスのポート番号...: 50004 交替用系切替機構のIPアドレス.....: 192.168.101.152 交替用系切替機構のポート番号.....: 57778 実行する処理を番号で選択してください。 1. 設定を行う 2. 現在の設定を表示する 3. 終了 --->3 コマンドを終了します。
(凡例)>:ユーザの操作を示します。
- 系切替機構のバージョンが03-15未満の場合の例(monsetup -ttyを実行)
-
> monsetup -tty システムリセットのためのリセットパスの設定を行います。 設定を中断したい場合は、[CTRL]+[D]キーを押してください。 実行する処理を番号で選択してください。 1. 設定を行う 2. 現在の設定を表示する 3. 終了 ---> >1 系切替機構にTHE-HA-0021を使用していますか? 1. はい 2. いいえ ---> >2 系切替機構にTHE-HA-0022を使用していますか? 1. はい 2. いいえ ---> >2 系切替機構にTHE-HA-004xを使用していますか? 1. はい 2. いいえ ---> >1 系切替機構のバージョンを選択してください。 1. 01−00 〜 2. 02−07 〜 ---> >2 続けてリセットパスの設定を行いますか? 1. はい 2. いいえ --->1 HAモニタが稼動するシステムの「管理システム名」を入力してください。例:MS0001 ---> > MS0001 HAモニタが稼動するシステムの「パーティション名」を入力してください。例:LPAR0001 ---> > LPAR0001 HAモニタがリセットパスに使用するIPアドレスを入力してください。例:192.168.0.1 ---> > 192.168.0.1 HAモニタがリセットパスに使用するポート番号を入力してください。例:10000 ---> > 10000 系切替機構のIPアドレスを入力してください。例:192.168.0.2 ---> > 192.168.0.2 系切替機構のポート番号を入力してください。例:15000 ---> > 15000 系切替機構を2重化する場合は、HAモニタが交替用リセットパスに使用するIPアドレスを入力して下さい。 2重化しない場合は、そのまま[Enter]キーを押して下さい。 ---> > 実行する処理を番号で選択してください。 1. 設定を行う 2. 現在の設定を表示する 3. 終了 ---> >3 コマンドを終了します。
(凡例)>:ユーザの操作を示します。