7.10.3 起動用バッチファイルの設定
起動用バッチファイルは,システムの起動時,MSCSでのオンライン操作などによってHA Toolkit Exが起動されると,自動的に実行されます。
起動用バッチファイルの設定では,起動用バッチファイルを作成します。作成したファイルには,hatestart.batというファイル名を付けて,次のディレクトリに格納します。
{HA Toolkit Exインストールディレクトリ}\HAmon\etc
ただし,Windows Server 2008(x64)以降またはWindows Server 2008 R2以降の場合,ファイル名はhatestart.bat以外にしてください。hatestart.batという名称のファイルは作成しないでください。
以降の説明では,作成したファイル名はすべてhatestart.batで記述します。hatestart.bat以外のファイル名を付けた場合は,読み替えてください。
- 〈この項の構成〉
(1) 起動用バッチファイルの設定内容
起動用バッチファイルには,次の内容を設定します。
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実行サーバを起動するコマンド
- ホットスタンバイ構成での系切り替えの場合
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どのサーバを実行サーバとして起動するかは,MSCSによって決定されます。そのため,すでに実行サーバが他系で起動している場合,このコマンドは無視されます。
- HiRDBの1:1スタンバイレス型系切り替えの場合
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正規BESユニットをオンライン化するためのコマンドを記述します。構成に合わせて系ごとに作成してください。
- HiRDBの影響分散スタンバイレス型系切り替えの場合
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実行サーバとして起動したいすべてのサーバについて,HA Toolkit ExのhateactonlコマンドとMSCSのオンライン化コマンドを対で記述します。最後にHiRDBのユニット起動コマンドを記述します。構成に合わせて系ごとに作成してください。
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待機サーバを起動するコマンド
- ホットスタンバイ構成での系切り替えの場合
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HA Toolkit Exの定義ファイル(servers)のactcommandオペランドに指定したコマンドと同一のコマンドを指定することを推奨します。グループ内に複数のサーバがある構成の場合,すべてのサーバの起動コマンドを指定する必要があります。
- HiRDBの1:1スタンバイレス型系切り替え,またはHiRDBの影響分散スタンバイレス型系切り替えの場合
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待機サーバを起動するコマンドの記述は不要です。
MSCSでは,実行サーバおよび待機サーバの起動種別が自動制御されます。ホットスタンバイ構成での系切り替えの場合,実行サーバは,最初に起動した系で起動します。また,他系で実行サーバが起動済みであれば,自系で待機サーバが起動します。
- 複数のグループを管理する場合
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複数のグループを管理する場合,グループごとにバッチファイルを作成する方法を推奨します。
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グループごとに,任意の別ファイル名で,サーバを起動するコマンドを記述したバッチファイルを作成する
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hatestart.batでは,Windowsのstartコマンドを使用して,グループごとに作成したバッチファイルを並列実行する指定をする
グループごとに起動用バッチファイルを作成するときのファイル構成を次に示します。
図7‒1 複数グループでの起動用バッチファイル構成(Windows) -
(2) 起動用バッチファイルの記述例
起動用バッチファイルの記述例を示します。
(a) ホットスタンバイ構成での系切り替えの場合の記述例
グループが一つのときの,起動用バッチファイルの記述例を次に示します。
- Windows Server 2003 R2まで,およびWindows Server 2008(x86)の場合
cluster group サーバのグループ名 /online /wait start C:\HATkEx\HAmon\etc\HRD1_act.bat start C:\HATkEx\HAmon\etc\tp1_act.bat exit
- Windows Server 2008(x64)およびWindows Server 2008 R2の場合
cluster group サーバのグループ名 /online /wait start C:\HATkEx\HAmon\etc\HRD1_act.bat start C:\HATkEx\HAmon\etc\tp1_act.bat pause
1行目は,サーバのグループをオンライン化し,実行サーバを起動するためのコマンドです。
2行目および3行目は,待機サーバを起動するためのコマンドです。
(b) HiRDBの1:1スタンバイレス型系切り替えの場合の記述例
起動用バッチファイルの記述例を次に示します。
- Windows Server 2003 R2まで,およびWindows Server 2008(x86)の場合
cluster group サーバのグループ名 /online:系名称 exit
- Windows Server 2008(x64)およびWindows Server 2008 R2の場合
cluster group サーバのグループ名 /online:系名称 pause
1行目は,正規BESユニットをオンライン化するためのコマンドです。
(c) HiRDBの影響分散スタンバイレス型系切り替えの場合の記述例
起動用バッチファイルの記述例を次に示します。
- Windows Server 2003 R2まで,およびWindows Server 2008(x86)の場合
C:\HATkEx\HAmon\bin\hateactonl サーバのグループ名1 C:\HATkEx\HAmon\bin\hateactonl サーバのグループ名2 cluster group サーバのグループ名1 /online:系名称 /wait cluster group サーバのグループ名2 /online:系名称 /wait call C:\\win32app\hitachi\hirdb_p\SAMPLE\SAMPLECONF\HiRDBCMD.BAT cd %PDDIR% %PDDIR%\bin\pdstart -q exit
- Windows Server 2008(x64)およびWindows Server 2008 R2の場合
C:\HATkEx\HAmon\bin\hateactonl サーバのグループ名1 C:\HATkEx\HAmon\bin\hateactonl サーバのグループ名2 cluster group サーバのグループ名1 /online:系名称 /wait cluster group サーバのグループ名2 /online:系名称 /wait call C:\\win32app\hitachi\hirdb_p\SAMPLE\SAMPLECONF\HiRDBCMD.BAT @net start HiRDBのクラスタサービス名※ @if "%ERRORLEVEL%"=="0" @goto end cd %PDDIR% %PDDIR%\bin\pdstart -q :end pause
- 注※
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HiRDBのクラスタサービス名には,HiRDBセットアップ識別子を付ける必要がある場合があります。
1行目および2行目は,MSCSからグループのオンラインを許可するためのコマンドです。
3行目および4行目は,MSCSからサーバのグループをオンライン化するためのコマンドです。
5〜8行目(Windows Server 2008(x64)およびWindows Server 2008 R2の場合は5〜11行目)は,HiRDBユニットを起動するためのコマンドです。これによって,MSCS上,オンライン状態のサーバが実行サーバとして起動します。ほかのサーバは待機サーバとして起動します。