19.14.1 コールドスタンバイ構成の開始または終了に関するトラブル
コールドスタンバイ構成の開始または終了に関するトラブルが発生したときの対処方法について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) コールドスタンバイ構成を正常開始できない場合
コールドスタンバイ構成が正常開始できない場合の考えられる原因と対処方法を次の表に示します。
項番 |
考えられる原因 |
対処方法 |
---|---|---|
1 |
実行系または待機系で障害が発生しています。 |
HAモニタのmonbeginコマンドではなく,adbstartコマンドでHADBサーバを開始してください。ただし,この場合,コールドスタンバイ構成にはなりません。 または,代替マシンがある場合は,代替マシンの環境を,障害が発生したサーバマシンとまったく同じ環境に設定したあとに,「19.4.1 コールドスタンバイ構成の開始方法」の手順に従って,コールドスタンバイ構成を開始してください。 |
2 |
DBディレクトリがマウントされていません。 |
HAモニタのserversファイルに指定した,次に示すオペランドの指定を見直してください。
|
3 |
DBディレクトリが正しく初期化されていません。 |
adbinitコマンドを実行するときに,DBディレクトリをマウントしていたかどうかを確認してください。 |
上記以外の場合は,出力されたメッセージの対処方法に従って原因を取り除いてください。そのあとに,「19.4.1 コールドスタンバイ構成の開始方法」の手順に従って,コールドスタンバイ構成を開始してください。
(2) コールドスタンバイ構成を再開始できない場合
実行系または待機系で障害が発生している場合は,障害が発生した系をコールドスタンバイ構成から除いてください。そのあとで,「19.4.1 コールドスタンバイ構成の開始方法」の手順に従って,コールドスタンバイ構成を再開始してください。
それ以外の場合は,出力されたメッセージの対処方法に従って原因を取り除いてください。そのあとに,「19.4.1 コールドスタンバイ構成の開始方法」の手順に従って,コールドスタンバイ構成を再開始してください。
(3) コールドスタンバイ構成を終了できない場合
出力されたメッセージの対処方法に従って原因を取り除いてください。そのあとに,「19.4.2 コールドスタンバイ構成の終了方法」の手順に従って,コールドスタンバイ構成を終了してください。
(4) 系切り替え後にHADBサーバが開始できない場合
系切り替え後にHADBサーバが開始できない場合の考えられる原因と対処方法を次の表に示します。
項番 |
考えられる原因 |
対処方法 |
---|---|---|
1 |
DBディレクトリがマウントされていません。 |
HAモニタのserversファイルに指定した,次に示すオペランドの指定を見直してください。 ・diskオペランド ・fs_nameオペランド ・fs_mount_dirオペランド ・fs_mount_optオペランド |
2 |
HADBサーバのサーバ定義が,実行系と待機系で異なっています。 |
実行系と待機系の両方のHADBサーバで,サーバ定義を同じにしてください。 実行系のHADBサーバが強制終了または異常終了した場合,系切り替え時のHADBサーバの開始モードは,再開始になります。このとき,開始するHADBサーバのスレッド数やメモリが,系切り替え前の実行系のHADBサーバよりも少なく設定されていると,再開始に失敗します。 |
3 |
DBエリアの拡張時に,待機系では参照できないブロックスペシャルファイルを指定しています。 |
次に示す手順に従って対処してください。
|
4 |
DBエリアの拡張時に,待機系とパスが異なるブロックスペシャルファイルを指定しています。 |
実行系と待機系で同じパスになるように,WWNを使用することを推奨します。 DBディレクトリ内のDBエリアファイルはブロックスペシャルファイルへのシンボリックリンクになります。WWNを使用したパスになるように,手動でリンクを変更してください。 |
上記以外の場合は,出力されたメッセージの対処方法に従って原因を取り除いてください。そのあとに,「19.4.1 コールドスタンバイ構成の開始方法」の手順に従って,コールドスタンバイ構成を再開始してください。